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福島県議会議員選挙  県議会の“ことば”AIで徹底分析!

  • 2023年11月09日

11月12日に投開票が行われる福島県議会議員選挙。

その県議会では、議員が県の予算案や条例案などを議論しますが、いったどんな議論がなされているのか。NHKは、福島県議会事務局がウェブサイトに掲載している、過去の定例会の会議録を、AIを使った「テキストマイニング」という手法で分析し、話し合われた内容についてキーワードを抽出して読み解きました。

まずは3年前、2020年に開かれた年4回の定例会を合わせて分析してみました。議員と県側が交わした言葉は膨大で、文字にして計90万文字余り。この言葉の中から、福島の課題や県の政策に関連して多く発せられたことばを抽出しました。

2020年の定例会(年4回)の会議録から分析

テキストマイニングによる分析では、より多く使われた言葉がより大きく、逆に少ない言葉は外側に小さく表示されています。

まず目につくのは、「コロナ」「ウイルス」「新型」。
2020年は新型コロナウイルスによる感染が全国に拡大し、医療体制の確保や商業活動の自粛などが社会問題となりました。県議会でも、これらが主なテーマになったことがわかります。

また「災害」も真ん中付近にあります。
上の方の「東日本」と同じ文脈で使われることが多く、前年の台風19号(令和元年東日本台風)の被害を受けて、災害対策に多くの議論を割いていたことが伺えます。

続いて2023年の定例会を見てみます。
直近の9月定例会の会議録は現在、鋭意作成中ということで、ことし2月と6月分の計50万文字余りを分析しました。

2023年の定例会(2月・6月分)の会議録から分析

やはり目を引くのは「医療」。計16日間の会期中、実に345回も登場していました。
続いて多かったのは「学校」。すぐ下にある「児童」「生徒」のことばを含め、学校教育に関連する議論が多かったことが伺えます。

それぞれについて、どんな文脈で使われることが多かったのか見てみました。

医療」は、新型コロナが5類感染症に移行される前の2月議会で「医療機関」「医療従事者」などと関連してよく登場しています。2月議会では新型コロナ対策費などとして、およそ1412億円の当初予算案が承認されていて、成立に向けた議論が繰り広げられていました。
またコロナ以外にも、双葉郡での医療提供体制の構築や、会津地方での医師不足の解消などの議論の文脈で登場し、人口減少に伴う地域医療の課題についても、各地域選出の議員から質問が出ていました。

続いて「学校・教育」関連について。
登場が多かった背景の1つには、やはり少子化がありました。
学校の「統廃合」や空き校舎の活用などの「学校改革」について盛んに議論され、2月議会では、統合などで使われなくなった県立高校の校舎や土地を自治体に譲与できる条例案が可決されています。

また、ICTを活用した教育の促進に、不登校の児童・生徒の支援体制、災害や犯罪から子供たちを守る安心安全な教育環境の確保など、幅広いテーマで「学校」ということばが登場していました。教育に関する関心の高さが伺えました。

そのほかも見てみると、ことし6月議会までのまとめでも「物価」や「経済」「価格」などの、物価高騰に関することばが登場。「原発」「産業」「魅力」といった、廃炉や処理水の放出に関連して農林水産品や観光の魅力の発信といった、タイムリーなテーマも議論されていました。

  • 佐藤翔

    福島放送局 記者

    佐藤翔

    生まれも育ちも福島市。過去にも選挙告示日の第一声などで同様の分析してます。

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