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一橋アナが直撃! 新型コロナ5類移行半年 教育現場の今

戻ってきた日常 意外なメリットも!?
  • 2023年11月30日

一橋アナウンサーがお邪魔したのは、福岡市の福岡雙葉学園。コロナ5類移行から半年、様々な制限を課された教育現場にどんな影響があったのかをバリサーチします!

コロナ禍前とは違う教室の様子

お邪魔したのは、古文の授業ですが…。コロナ禍前の教室とは違う光景が!

生徒ひとりひとりの手元に注目

ノートというか…タブレット開いてやってますね。全員が。

黒板は使いません。授業資料が直接タブレットに送られてくるんです。生徒たちも慣れた手つきで取り組んでいる様子で、授業がテンポ良く進みます。

一橋アナ

これは何を描いているんですか?

生徒

伊勢物語の場面を絵で表して、最後に共有して深めています。

生徒たちがタブレット上でかいた絵をすぐに教室のスクリーンで共有
その絵をもとに議論が行われていました

いまでは、ほとんどの授業がICTで行われていて、良い変化をもたらしていると言います。

有村教諭

プリントとかをやったものを写真を撮って提出すると、私から答えが送られてくるという形です。

一橋アナ

今まで以上に、早く生徒との直接的なやり取りができるようになった?

有村教諭

そうですね。早くよりきめ細やかにできるのはデジタルのメリットかなと思います。

提出する課題の管理が簡単になり、先生の負担も軽減結果的に、生徒ひとりひとりの進み具合に合わせた指導が可能になったそうです。と言っても、ITCをここまで活用する状況は学校にとっても想定外だったとか。主幹教諭の長村先生に話を伺いました。

(長村教諭)アカウントを生徒ひとりひとりに渡すかどうかっていうのは、コロナ前は考えてもいなかったことです。コロナになってオンライン授業をしようと思って、4月にすぐそういう風に決めてオンライン授業を配信したんですけど、教員ひとりひとりのICTのレベルっていうのは上がったものはあります。それが今でも継承されていっているので、そういった意味ではICTの力が教員も生徒も身につきました

コロナ前に戻った笑顔の光景

生徒たちのお楽しみ。お昼ご飯の時間がやってきました。

5類移行に伴って、みんなで食べられるようになりました。

一橋アナ

どう、こうやってみんなでお昼ご飯、普通に食べられるようになったのは?

生徒たち

楽しいです!
ここが6組で、こっちが3組です。

一橋アナ

クラスまたいで、食べに来てるんだ…こういうことも前はできなかったでしょ!
いろいろ制限がなくなって、特にうれしかったことは?

生徒

ことし体育祭があったんですけど、大きな体育館でできたのがとても楽しかったです!

生徒

文化祭も…

体育祭は4年ぶりに、大きな体育館で観客を招いて行われました。その他、海外研修や学園祭など大きな行事はすべて元通り行われるようになりました。

(学園祭で)みんなで写真撮ったりして 楽しかった

コロナ前のような学校生活が戻ってきた様子です。ただ、ひとつ気になることがありました。

 

コロナ禍で始まった光景が今も …しかし!?

一橋アナ

クラスの半分以上、マスクを付けているよね…

高校1年生の教室。およそ半数の生徒がマスクを付けていました。コロナ禍で付ける付けないを巡って、様々な物議を醸すこともあったマスク。いま、お互いをどう思っているのか、聞いてみました。

マスクなしの生徒

そこまで気にしていないです。

マスクなしの生徒

付けているのが当たり前だったから、何も思わないです。

マスクありの生徒

ある感じがして、安心する。包まれてる感覚。

マスクありの生徒

今更外すのが恥ずかしい。言い方悪いですけど、自信あって外せてるのがいいなあと思います。気にしすぎてて外せないことがあるから。

お互いを目の前にしての質問でしたが、誰もが遠慮することなく、率直に自分の意見を答えてくれました。さらに、こんな質問もしてみました。

一橋アナ

マスクをしないことに対する同調圧力とかニュースになってたの覚えてる?何でマスクしないんだよとか。どう思っていた?

生徒

感染しないためっていうのは大事だけど、それを強制されるっていうのはいろいろ違うかなと思いました。

生徒

コロナだったら咳とかのしぐさに気を付けていれば、そこまで強制にする必要はないんじゃないかなと…

生徒

圧力かけるのが一方的過ぎて、言われてる側がかわいそう…

高校1年生ひとりひとりが、しっかりとした意見を持ち、言葉に出来ることがとても印象的でした。
コロナ禍を経た、生徒たちの変化について聞いてみました。

長村教諭

コロナの3年間がプラスに傾いたところはたくさんあったと思っていて、いろんな意見を尊重するであったりとか。やりたいけどできない期間があったときの、その中での自分のあり方であったりとか、自分と向き合って次自分がどういう行動に出なければいけないのか考える時間が3年間しっかりあったと思うので、主体性が一気に伸びたかなと思います。

福岡雙葉学園でみられた、コロナ禍での教育現場のポジティブな変化について専門家にも話を聞いてみました。

中央大学人文科学研究所 髙橋聡美 客員研究員
毎年多くの学校で授業や講演を行う 子どものメンタルヘルスの専門家 
一橋アナ

学校でICT化が急速に進んでいることはどう見ますか?

髙橋さん

(タブレットなど)デバイスを配ることによって、自分たちで調べたり自分たちで何かクリエイティブなことをやったり、そう言うような自分自身の可能性を広げ行くような活動って言うのは広がったんだと思います。おうちでも十分使いこなせるような子たちはどんどんどんどんデバイスを使ってさまざまなスキルアップしていきますよね。その一方で、ICT環境格差っていうのが学習機会格差につながらなければいいなというのは懸念しています。

(子どもたちにとって)コロナ禍は何だったとお考えですか?

髙橋さん

答えがないものに対するいろんな考え方がある、そういう多様性をいかに容認していくかとか。お互いの考えを認め合っていくかとかそういう経験が沢山出来たことであるし。あなたはそう思う私はこう思う、それでオッケーみたいな。批判ではなくてお互い認め合うような、そういう機会にもなったのかなとも思います。

コロナ禍でリモート授業が必要になって、多くの教育現場でタブレットなどが導入され、ICT化が進んでいます。もちろん、すべてが上手くいっている事例ばかりではなく、髙橋さんのおっしゃるように、新たな課題や懸念も生まれています。
ただ、コロナ禍で大人でも答えを出せないような中、子どもたちも個人で判断を迫られる状況を経験してきました。それが自主性や多様性につながったのだとすると、大人にできることは、子どもたちを信じて見守ること。そして必要があれば一緒に答えを探すこと。それがこのコロナ禍を経た若い世代との向き合い方なのかもしれないと感じました。

 

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