スポーツ中継を分かりやすく 選抜高校野球で選手名をフルネームで紹介

スポーツ中継を分かりやすく 選抜高校野球で選手名をフルネームで紹介

日々国内外の熱戦を伝え続けているスポーツ中継。毎年夏に行われる全国高校野球選手権(夏の甲子園)と3月に行われる選抜高校野球大会。NHKでは1つの大会に実況、インタビュー、アルプスリポートなどで、全国から40人から50人近いアナウンサーが集まります。全国で放送している強みを生かし、それぞれの地域でアナウンサーが取材した情報を甲子園に持ち寄り、大会前には綿密な戦力分析会を開いて情報を共有するなどして、公平で分かりやすい放送につなげてきました。

●ここ数大会で寄せられるようになった声

これまでアナウンサーのコメントに対して視聴者からいただくご意見は、「地元の学校をもっとしっかり伝えてほしい」など内容に関するものが大半でしたが、ここ数大会、これまであまり無かった意見が目立つようになりした。それは「選手の名前の読み方が分からない」「名前の読み方を伝えてほしい」というものです。2004年の人名用漢字の追加やこれまで伝統的ではなかった当て字を用いることなどで、読み方が一目では分からない名前の選手が増えてきたためと考えられます。

【視聴者から寄せられた声】

  • 生徒の名前の読み方をちゃんとフルネームで紹介してほしい。この頃の若者の名前は読み方が難しいのでちゃんと紹介してほしい。 (60代女性)
  • せっかくの晴れ舞台、ぜひフルネームで呼んであげてほしい。検討を願う。 (40代女性)
  • このごろの子供たちの名前は読み方が難しい。ふりがなが無理であれば、アナウンサーにフルネームを読んでもらいたい。 (60代女性)
  • 試合中の選手の名前をフルネームで何回かアナウンスしてもらえるとさらに気持ちを入れて応援できると思う。(50代女性)
  • 全国多様な選手の名前も楽しみの一つ。ここ数年どう読むのかわからない下の名前が多く、読み方が気になって仕方ない。選手紹介の時に、ぜひ下の名前も紹介してほしい。 (50代女性)

●選手のフルネームをどう伝えるか

そこで考えたのが、実況アナウンサーが選手の名前のフルネームをコメントで紹介するということです。2023年3月の選抜からの実施を目指し効果的なタイミングを検討しました。1つは「試合開始前のスターティングメンバー紹介時」。しかし画面表示が姓のみのため効果的ではないと判断しました。次に「1回表と裏が始まる前の両チームの守備紹介時」も検討しましたが、第1試合など放送時間の都合で守備紹介ができない試合もあるため見送りました。
そしていくつかの候補の中から、「各選手の第1打席」に選手のフルネームをコメントすることを努力目標として、試験的に選手名をフルネームで紹介しました。
中継では担当する各アナウンサーが、全ての試合で第1打席でのフルネーム紹介を行うことができました。中継をご覧になった視聴者からは早速、反響が寄せられました。

【視聴者から寄せられた声】

  • 20日の第1試合のアナウンサーが選手の名前をフルネームで紹介していた、読めない名前が増えているので嬉しかった。 (60代男性)
  • 選手の名前をフルネームで伝えてくれたアナウンサーありがとう。いつも何て読むんだろうとモヤモヤしていたので嬉しい。(40代女性)
  • 難読な漢字の名前の選手も多く、何と読むのか気になっていた。これまで要望を伝えたこともあった。今大会では、ついにフルネームで実況をしてくれていた。試合そのものとは関係がないかもしれないが、より放送を楽しめた。(60代女性)

NHKでは、このあとも、夏には高校総体(インターハイ)、冬には駅伝などの高校スポーツの中継も予定されています。コメントの方法やタイミング、回数などの検討を重ね、さらに分かりやすいスポーツ中継に取り組んでまいります。

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https://www3.nhk.or.jp/news/word/0000803.html

NHKスポーツ
https://www3.nhk.or.jp/sports/

※内容は、掲載当時のものです。