過去の主な放送

国際共同制作
ベルサイユの輝き ~太陽王ルイ14世の愛と野望~

初回放送
BShi 2008年2月21日(木) 午後8時~(1時間35分)

世界遺産のベルサイユ宮殿。その中でも、豪華けんらんな装飾で多くの人をとりこにしてきたのが「鏡の間」だ。ここで、大規模な改修工事が行われた。今回、よみがえった「鏡の間」を舞台に歴史ドキュメタリー・ドラマを国際共同制作した。番組の中心はベルサイユ宮殿が舞台の歴史ドラマ。ドラマの主人公は太陽王ルイ14世だ。力をつけてきた地方貴族を排除し、絶対王政の最盛期を作りあげた人物だ。その権力を象徴するのが、20年を費やして建設したベルサイユ宮殿の大広間「鏡の間」である。ドラマでは、「鏡の間」を舞台に展開したルイ14世の波乱に満ちた半生とフランス絶対王政の盛衰の物語を伝えていく。撮影は、本物のベルサイユ宮殿で行われた。世界史上の大きな転換点ともいえるルイ14世の治世を、リアリティあふれる映像で、鮮やかに描きだす。

番組データ

  • 原題:VERSAILLES, THE DREAM OF KING
  • 制作年:2007年
  • 国際共同制作:NHK/Les Films d'ici(フランス)

国際共同制作 ベルサイユの輝き ~太陽王ルイ14世の愛と野望~

© Les Film d'ici 2007

太陽王ルイ14世の夢

1649年パリ。民衆の叫び声が夜の静寂を引き裂いた。地方貴族が王政打倒を図ったフロンドの乱だ。当時、10歳のルイ14世には衝撃的な風景だった。この時、ルイ14世は国王以上の富や権力は誰にも持たせないと決意する。12年後、ルイはベルサイユの森に宮殿を建設する構想を思いつく。絶対的な権力を内外に示すため、前例の無い壮大な宮殿を造ろうと考えたのだ。ベルサイユは、父ルイ13世の思い出が詰まった場所。ここに宮殿を造ることがルイの夢となった。

ベルサイユ宮殿建設

宮殿建設は容易には進まなかった。王は次々に新たな要求を繰り返し、そのたびに計画は変更された。膨大な費用がかかり、新しい財務大臣に就任したコルベールは資金繰りに苦悩する。さらに、疲労とケガで多くの庶民が亡くなり、不満も噴出する。しかし、ルイは断固として建設を止めず、20年以上に渡る大工事は進められていった。工事はまだ途中であったが、ルイは都をパリからベルサイユへうつす決断を下す。これによって、ベルサイユは、王宮として動き出した。

栄華の象徴「鏡の間」

ついに完成したベルサイユ宮殿。中でも、目を引いたのは建築家マンサールが設計した「鏡の間」だった。金に糸目を付けない装飾。張り巡らされた鏡。そして、天井に描かれた「唯一統治する王」と題されたフレスコ画。ルイは、「鏡の間」を一般に開放、外国からの賓客に見せ、王の威光を示していった。この頃、ルイは「鏡の間」に象徴される絶対的な権力を獲得していく。ルイの周囲には数多くの貴族や芸術家が集まり、愛人たちとは、愛憎劇が繰り広げられた。

王の最後・王政没落の始まり

1700年代に入り、ルイを取り巻く状況は一変した。宮殿建設に莫大な資金が投じられた上、スペイン継承戦争などの戦争で膨大な戦費を投入、蓄えは底をついた。それでも、ルイは周囲の反対を押し切り、さらなる庭園増設計画を立てる。傍若無人の王の振舞いに「鏡の間」の威光は衰えていく。
在位70年にも及んだルイ14世の晩年、「鏡の間」から人影は無くなった。子どもや孫も全員、自分よりも先に亡くなった。失意の中、1715年、ルイ14世は、ベルサイユ宮殿でひっそりと息をひきとる。それは、フランス革命へと続く、王家没落の始まりであった…。

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© Les Film d'ici 2007