NHK国民生活時間調査からわかること

<国民生活時間調査とは>

国民生活時間調査は、私たちが1日(24時間)をどのように過ごしているのか、日記形式の調査票に記録していくことで時間の使い方を明らかにするものです。
実際の調査票(図1)は、15分単位であらかじめ印刷された行動の欄に線を引く形式になっていて、調査に答えていただく方には、この調査票に1日の行動を記録してもらいます。

図1 NHK国民生活時間調査記入票(2015年)
図1 NHK国民生活時間調査記入票(2015年)図1 NHK国民生活時間調査記入票(2015年)
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<指標>

調査票に記録された内容を集計することで、 何時にその行動をしている人がどれくらいいるのか(時刻別行為者率)、その行動をしている時間は全体で平均するとどのくらいなのか(全員平均時間)、1日にその行動をする人はどのくらいいるのか(行為者率)、がわかります。
例えば、
●夜7時にテレビを見ている人は、国民全体の35%(時刻別行為者率)
●1日の睡眠時間の平均は7時間15分(全員平均時間)
●平日に新聞を読む人は、国民全体の33%(行為者率)
というように、日常生活やメディアに関する行動をデータとして知ることができます。

<属性の比較>

全体の平均を知るだけではなく、性別、年齢、職業など様々なカテゴリーによる違いも比較することができます。このサイトでは、図2に示したカテゴリー別の結果をダウンロードすることができます。

図2 属性カテゴリー
図2 属性カテゴリー図2 属性カテゴリー
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<過去との比較>

国民生活時間調査は1960年から55年にわたって行われてきました。その間2回、1970年と1995年に調査のやり方を変更しました(図3)。そのため、直接数字の比較ができるのはそれぞれ同じ方式の調査同士のデータに限られますが、1960年からという長期間に渡って、日本人の生活の変化を見ることができます。

図3 調査方法の変遷
図3 調査方法の変遷図3 調査方法の変遷
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<様々な生活時間調査>

生活時間に関する調査は、NHKのほかにも政府、大学などさまざまな機関が実施しています。
日本では総務省統計局が実施する「社会生活基本調査」が大規模な調査として知られています(図4)。
海外においても、多くの国や研究機関による生活時間調査が実施されていますが、なかでもEU統計局(Eurostat)がヨーロッパ諸国での国際比較を目指して、ヨーロッパ統一生活時間調査ガイドラインを作成していることは注目すべき事項です。

また、国際生活時間学会(IATUR)という、各国の政府や研究機関が集まって生活時間に関連する様々な研究の共有を行う国際会議も存在しています。

私たちが何気なく過ごしている毎日も、細かく紐解いてみると過去と現在のつながりを発見するきっかけになったり、未来へ続くヒントが隠されていたりするのかもしれませんね。

図4 国民生活時間調査と社会生活基本調査の特徴
図4 国民生活時間調査と社会生活基本調査の特徴図4 国民生活時間調査と社会生活基本調査の特徴
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