放送に関する世論調査

人々は「番組」をどのように評価しているか

~2007年6月「番組総合調査」から~

テレビの個別番組に対する視聴者の満足度をはかるため、編成局では年に1度、関東地区の夜間のプライムタイムに放送されているNHK総合、日本テレビ、TBS、フジテレビ、テレビ朝日、テレビ東京の定時番組を対象に、番組の視聴頻度、認知、視聴感想、視聴理由、見ない理由をたずねる調査を実施している。

2007年6月の調査で、最も満足率が高かった番組はNHK総合の「プロフェッショナル」で、「探検ロマン世界遺産」が並んでいる。民放で最も高かったのはフジテレビの「ライアーゲーム」(全体では4位)であった(いずれも視聴経験者分母)。

また、視聴理由について一部紹介すると、<知識・情報が得られる>はニュース・情報系の番組で占められ、NHK総合では「ニュースウォッチ9」など、民放では23時台のニュースが上位にあがっている。また<見ごたえがある>では、「風林火山」(NHK総合)が最も多い。 この調査は,番組の内容・性質や視聴者に届かせたいと考えている方向性と,視聴者の受けとめ方との比較・検証ができ、視聴理由のタイプによる番組分類なども可能となる。また、継続して実施することによってその番組のもつ勢いなどをはかることもできる。 その一方、同一の選択肢で全ジャンルの番組の評価や感想をたずねることの難しさや、満足率や視聴理由などの指標の母数となる視聴者数の問題などは、引き続き検討すべき課題として残っている。

今後とも、視聴率調査ではすくい取ることのできない視聴者の多様な要望を把握するとともに、他の調査データを組み合わせながら,人々にとって,その番組がどのような役割をもつ番組なのか,その番組を見ることが,どのような意味をもつのか,といったことも立体的にみていきたいと考えている。

編成局(世論調査) 白石信子/照井大輔