放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

米ベライゾン,NYでテレビサービスの認可

米通信大手のベライゾン社は7月17日,同社が行うインターネットTVサービス(=Fios)をニューヨーク市内で展開する事業認可を州政府から取得した。ニューヨークでは現在,タイムワーナーケーブルやケーブルビジョンといったケーブルテレビ事業者がエリアごとに事業を行っているが,今回の認可によってベライゾンは,市内全域でテレビサービスの提供が可能となり,今後,ニューヨークでの契約獲得競争,料金競争が活発化することが予想される。

米TiVo社,ユーチューブ受信機能を追加

米DVRサービス最大手のTiVo社は7月17日,同社のDVRでユーチューブの動画を直接ダウンロードして再生できる機能を追加したと発表した。これは TiVoのシリーズ3またはHD DVRという機種のユーザーで,ブロードバンドに接続している場合に利用できる機能で,数週間以内に利用可能になる。利用者はパソコンではなくテレビ画面上でユーチューブのサイトを検索したり,コンテンツを見たりすることができる。同社のトム・ロジャースCEOはこの機能によって「TiVoのサービス加入者にとってテレビを利用したコンテンツ視聴の選択肢が格段に広がる」としている。

マイノリティーや女性,地域TV局で増加

RTNDA(ラジオ・テレビニュースディレクター連盟)が7月21日に発表した調査結果によると,アメリカのローカルTV局のニュース部門で働くマイノリティーや女性の割合が増加している。それによると2007年のローカルTV局のマイノリティーの割合は23.6%(2006年は21.5%)で,アジア系,ヒスパニック系,ネイティブ・アメリカンが増加し,アフリカ系は変わっていない。女性の割合は40.2%で前年とほぼ同じだが,女性ニュースディレクターが28.3%と過去最高となった。ローカルラジオ局については,マイノリティーは増えているが,女性は減少している。

人気司会者J.レノ氏,来年5月降板へ

NBCは7月21日,夜11時半から放送している人気トーク番組『トゥナイト・ショー』の司会,ジェイ・レノ氏が2009年5月いっぱいで番組を降板すると発表した。後任は同番組のすぐあとに放送している『レイト・ナイト』の司会者コナン・オブライエン氏。レノ氏は,著名なテレビ司会者,故ジョニー・カーソンの後を継いで,1992年から番組を担当し,同じ時間帯で放送中のCBS『レイト・ショー』のデビッド・レターマン氏と人気を二分してきた。今後,ABCなど他局に移るか,NBC内で別の番組を続けるかについては未定。

クーポン券でコンバーター購入630万台

来年2月17日にデジタル完全移行を予定しているアメリカで,政府から支給されるクーポン券を使って購入されたデジタル-アナログ変換コンバーターの数が 630万台に達したことがわかった。NTIA(米商務省電気通信情報局)が7月24日,明らかにした。政府は,希望者に1枚40ドルのクーポン券を1世帯 2枚まで補助している。NTIAでは,クーポンの申請締め切り日を2009年3月31日とし,7月9日までにコンバーターに交換するよう呼びかけている。米国内には,ケーブルや衛星に加入せず地上放送だけを直接受信している世帯が約2,000万あるとみられている。

FCC,米衛星ラジオ2社の合併を承認

米連邦通信委員会(FCC)は7月25日,衛星ラジオ最大手のXM社と同2位のシリウスの合併を承認した。両社の契約者は併せて約1,800万世帯で,合併により衛星ラジオ事業者は1社の独占状態となる。合併案は2007年2月に発表されていたが,独占状態への危惧から消費者団体,連邦議会,地上放送事業者等から反対の声が相次ぎ,FCCの検討が長引いていた。承認に際し,両社は向こう3年間の料金据え置きや,全チャンネルの8%を公共放送や教育放送のために確保することなどを約束した。