発掘ニュース

No.252

2019.12.06

スポーツ

仙台そして釜石も熱中!Ⅴ7上映会&トーク動画公開!

ラグビーワールドカップ2019™日本大会が終わって1か月余り。皆さんをラグビーファンに導いた余韻はまだ残っていますでしょうか?今回の発掘ニュースでは、大会期間中に行われたラグビーの発掘映像上映会&トークショーを特集します!

★仙台に集結!『北の鉄人』たち!

まずは10月5日(土)仙台で行われた、
「新日鉄釜石ラグビー部全日本選手権7連覇の栄光をもう一度」上映&トークイベント
この日は、アイルランドに勝利して波に乗る日本代表が夜にサモアと対戦するという、
仙台のみならず日本中がラグビーに注目していた一日!

会場のNHK仙台放送局1階にある『4K8K定禅寺シアター』はラグビーファンで一杯!
280インチの大型ディスプレイに、新日鉄釜石ラグビー部日本選手権7連覇の発掘映像が映し出されました。(発掘ニュースNo.230参照

上映会に続いてのトークショーには、『北の鉄人』と呼ばれた新日鉄釜石ラグビー部OBの皆さんが集結!ステージの手前から、坂下功正さん、高橋博行さん、石山次郎さん、金野年明さん、谷藤尚之さん。司会はラグビーのレフリー資格を持つ西川龍一NHK解説委員(一番左)です!

◆釜石ラグビー部の強さの秘密は?

西川龍一解説委員)こうして新日鉄釜石ラグビー部V7、レジェンドの皆さまにお会いするのが嬉しく緊張しています。まずは40年前の試合映像を見て、皆さんは何を感じられましたか?
金野年明さん)人は40年もすると、こんなに容姿が変わるのかと、映像を見てがっかりしています(笑)。変わっていることもありますが、ONE FOR ALLとか、ノーサイドの精神は今のラグビーも変わっていないですね。
石山次郎さん)古いという印象もありますが、昭和のラグビーもまたいいじゃないかと思って見ていました。

坂下功正さん)当時のルールでは、タックルされたら即座にボールを離さなきゃならない。だから今見ても試合のテンポが速いんだと思います。それから、フォワード陣が体を張っているなと思います。相手が同志社や明治の大きい学生選手でも、簡単に止めています。釜石のテンポの速いラグビーとフォワードの力が、我々のラグビーだったんだと改めて思いますね。

西川解説委員)釜石ラグビーの強さの理由を皆さんにアンケートしたら「練習が一番キツかった」と。先日、元監督の松尾雄治さんも「練習がなければ、本番であのような活躍はできない」と話していました。
谷藤さん)全体練習と個人練習がありまして。全体練習は毎日1時間くらい。足りない部分は、自覚して個人練習をする。個人練習の時間のほうが長かったんじゃないかな。
石山さん)全体練習が終わると怖い先輩が「おーい集まれ~」と別のメニューがはじまる。終わる頃には、尾てい骨から足の裏側までしびれて動かなくなるくらい走らされました。
金野さん)レギュラーになるまでは「いつでも辞めてやる」と思っていました。でも辞める勇気がなかったから、ずるずるやっていたんです。続けているとそのうち強くなって、力がつく。チャンスもくる。ここだというところでチャンスをつかむのが重要なんですね。でも練習はとにかくキツかった。グラウンドの照明に石を投げて、練習を出来なくしようと思ったこともありました(笑)。

高橋さん)僕は入部のきっかけも、ほかの選手とは違っていまして。ラグビー部に入る予定じゃなく技術職で会社に入ったのです。いろいろあってようやく入部したものの、練習についていくので精一杯。記憶にないくらいです。でも辞めるにやめられず続けた結果、運よく4年目から試合に出られたのですが、練習はキツいだけしかなかったです。
坂下さん)フォワードとバックスのコンビネーションのオープン練習がありまして、釜石ではフォワード3人体制の練習をしていました。スクラムハーフは必ずフォワードについていかなきゃならない。本当にキツくてついていけず、先輩に、後ろからけっとばされたり、「走れ!」と襟首つかまれたりして、常に練習についていくのに精一杯でした。

谷藤さん)「グラウンド回り」という練習がありまして、実はボールを持たない練習こそキツイんですよね。松尾雄治監督が「年寄りが前を走って引っぱれば、みんなが必ずついてくるだろう」ということになり、それで始まった練習でした。実はこれが、7連覇した理由のひとつ。ラグビーは走るスポーツですから。キツイ練習をすることで、みんなで這い上がってきたんだと思います。
連覇って大変なんです。続けて勝つのが難しい。勝った年に「10」やった練習を、翌年「9」にしたら負ける。「10」以上やらなきゃ勝てないんです。だから苦しい。よく7連覇できたものだと思います。

◆釜石とラグビーワールドカップ

西川解説委員)ラグビーワールドカップの会場となっている釜石鵜住居復興スタジアム。釜石は東日本大震災で被災して、想像を絶する被害だったと思います。特にスタジアムが出来た沿岸部は津波で大きな被害を受けました。被災直後の思いを、今も釜石にお住いの坂下さん、教えていただけますか。
坂下さん)震災直後、あの時は、何も考えられなかったですね。自分の目で見ている風景が、テレビや映画の世界の中のようで、現実感がなくてよくわからなかった。何を感じましたかと言われても、何も感じないというか。本能のまま、ただ生きているという感じでした。
西川解説委員)そんな恐ろしい状態から、8年経った今、ワールドカップが開催されているわけですね。
坂下さん)震災から2か月後の5月ごろ、石山さんから「釜石にワールドカップを誘致したい」と電話で言われたときには、石山さんが何を言っているのか分からなかった。黙り込んでしまったかもしれません。

石山さん)震災が起きて、仮設住宅もままならないときに、『8年後にワールドカップを』という話をしてもいいのか?という疑問が最初はありました。でもスケジュールを考えると、もう7年しかない。ならば今すぐ動かなきゃ。躊躇しているなら、とにかく動こうと。
西川解説委員)結果的には、2018年8月にスタジアムが完成しました。完成のときは、神戸製鋼のレジェンドたちともOB戦で芝の上に立たれましたね。
坂下さん)鵜住居の小中学校の跡地にスタジアムできて、OB戦ができて、ワールドカップが来る。言葉にできない高ぶりがありました。石山さんにも感謝したい。この釜石が、将来に向かって伸びていくんだという、そういう強い気持ちがありましたね。
高橋さん)あのとき、純粋にラグビーを愛する人たちが釜石にワールドカップを誘致しようと言い出した、それが良かったんだと思います。ワールドカップに関わる人たちが成功に向けてひとつになる。そしてワールドカップの後でも自信をもって、希望をもって進んでいける。そういうことを始められたらいいなと。
石山さん)これは、よく言われますが、ワールドカップ開催が目的じゃなくて、ワールドカップを開くことで、釜石市民が一つのものを目指して熱くなればよいなと。さらに発達していく発射台になってくれればよいなという気持ちでしたね。

※釜石鵜住居スタジアムでは9月25日、ワールドカップ「フィジー対ウルグアイ」が大歓声のなか行われました。残念ながら10月13日の「ナミビア対カナダ」は台風19号の影響によって中止となりましたが、カナダ代表チームが釜石でのボランティアに参加し、ナミビア代表チームはファン交流会を開催。台風の被災地を元気付けました。

★伝説の地・釜石で日本選手権7連覇すべての試合映像上映!

ラグビーワールドカップ2019™もいよいよ準決勝をむかえた10月26日(土)、27日(日)釜石市内、ワールドカップのファンゾーンに隣接する釜石PITで、7連覇の試合すべてを上映する日本初のイベントを2日間にわたって開催しました!<釜石PITは復興支援の拠点となることを目指して作られたシアター。PIT=Power Into Tohoku>

たくさんの市民の皆さんに足を運んでいただきました!トライが決まると拍手!
懐かしい映像に、みんなで40年の時を超えて新日鉄釜石を応援!
2日間通い、7試合すべてを見たという強者も登場。少年たちも「昔の試合なのに面白かった」と感想をくれました。昔、釜石から夜行を使って東京の国立競技場に行ったことが懐かしいと目を細めるご老人の姿も。

さらに27日には、9月に埼玉・川口で行われたトークショー映像も上映。松尾雄治さんを中心に、谷藤尚之さん、石山次郎さん、千田美智仁さん、高橋博行さん、坂下功正さんが参加したスペシャルトークです!(発掘ニュースNo.245参照

今回はそのトークショー映像をダイジェスト動画でご覧いただきます!
35分ほどの映像です、お楽しみください。

『新日鉄釜石ラグビー部 日本選手権V7の軌跡 発掘上映会&トークショー』
(2019年9月15日 埼玉・川口SKIPシティにて)

いかがでしたでしょうか?

新日鉄釜石7連覇の当時、1月15日(当時の「成人の日」)に行われていた日本選手権決勝の舞台、国立競技場は毎年あふれんばかりの観客でした!

今年、ラグビーワールドカップ2019™日本大会で再び巻き起こったラグビー人気。
日本国内の高校や大学の選手権、ジャパンラグビー トップリーグ、そして日本選手権も注目ですね!

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