今回の「すくすく子育て」は増刊号!

  • パパに知ってほしいママの悩み
  • 反響が大きかったテーマをダイジェストで
  • 「すくすく子育てへのお便り」の質問に専門家が答えます
  • 「あきえの知ってビックリ!!赤ちゃんの世界」は液体ミルクの開発現場に潜入!
  • 「まいにちスクスク」より、子どもからの質問への答え方


古坂さんも納得! パパに知ってほしいママの悩み

子どもに厳しすぎて自己嫌悪に陥ってしまいがち。そんな悩みについて考えた「私の子育て 厳しすぎる?」から、古坂さんも納得したパパに知ってほしいママの悩みを紹介します。


夫に「子どもに厳しすぎる」と指摘される…

子どもに細かいことまで注意したり、どうしても口出ししたり、叱ってしまうことがあります。そんなとき、仕事から帰ってきたパパから「そこまできつく言わなくてもいいんじゃない? 厳しすぎない?」と指摘されます。パパは厳しいときの私だけを見て、ふだんの様子をわかっていません…。
(5歳 女の子のママより)

ママの日中の大変さを想像して、ねぎらいのことばを

回答:大日向雅美さん(恵泉女学園大学 学長/発達心理学)

ご相談のお悩みは、多くの家庭に見られる光景だと思います。「どうしてそんなにきつくしているの?」と言われると落ち込みますよね。きついことは自分でも分かっているわけですから。
だから、パパにお願いしたいことがあります。こうなるまでに、妻は大変な時間を過ごしていたんだ、疲れているんだ、と想像してほしい。「厳しすぎない?」と言うのではなく、「今日は大変だったね、お疲れさま」というねぎらいのことばから入ってほしい。まずは、妻のケアを大事にしてください。
もうひとつ、ママに余裕がないとき、パパに冷静になられるとこたえるものです。冷静に「どうしたの?」と言われると、自分との落差にとても傷つくんです。演技でもいいので、一緒に「大変だ!大変だ!」と慌てるなどしてくれるといいですね。


これまでの放送より

これまで取り上げてきたテーマの中で、反響の大きかったものを紹介します。

『教えて! トイレトレーニング』

「おむつを卒業することの難しさ」「実はおしりがぬれる不快感からトレーニングが進むことはない」など、トイレトレーニングについてのさまざまな疑問に専門家が答えました。

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『見守る子育てって難しい?』

実際の保育施設での様子も見ながら、見守る子育ての難しさについて考えました。

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すくすく子育てへの「お便り」から

「すくすく子育て」ホームページでは、みなさんからのお便りを募集しています。お便りで寄せられた、悩みや疑問のいくつかに専門家が答えます。


5歳でおねしょは体の問題? 受診は必要?

5歳になる長女のおねしょが多くて心配です。夕食後の水分を控えるなどの対応はしているのですが、それでもしてしまうので、夜だけおむつをはかせています。体の発育の問題なのでしょうか? 病院で診てもらう目安はありますか?
(5歳2か月 女の子のママより)

泌尿器が専門で多くの子どもたちを治療してきた、池田裕一さん(昭和大学 医学部 小児科学講座 教授/小児科医)が答えてくれました。

焦らずに様子をみてもいい

回答:池田裕一さん

お子さんは現在5歳2か月とのことで、夜尿症という病気にあてはまると思います。5歳の子どもの場合、約5人に1人の割合で夜尿症がみられ、およそ1年で15%程度が自然に治ります。まだ慌てることはなく、6〜7歳ぐらいまでは家庭で様子をみてもいいでしょう。
受診のタイミングに明確な定義はありませんが、例えば宿泊の予定が迫っている、お子さんに治したい意思があるといった場合に検討してみてください。
アインシュタインやエジソン、坂本龍馬も夜尿症だったといわれています。心配し過ぎることはないと思います。


なかなか寝ない子を寝かしつけるには?

娘はなかなか寝るスイッチが入りません。保育園でたくさん動いているはずなのに、体力が有り余っているのか、寝る時間になっても遊んでいます。ネットで「寝かせるには静かにするといい」と見たので、テレビを消してみたのですが、「つけて欲しい!」と大泣きします。どうしたら寝てくれるのでしょうか?
(1歳11か月 女の子のママより)

40年にわたり子どもを見守ってきた、柴田愛子さん(保育施設代表)が答えてくれました。

子どもを安心させることが大切

回答:柴田愛子さん

個人差はありますが、寝るのが大好きな子どもはほとんどいません。だから、寝かしつけるために、子守歌をうたったり、おんぶであやしたり、昔から苦労してきたと思います。「寝つけないのは昼間にたくさん運動していないから」など、いろんなことがいわれていますが、私は「子どもは、闇の世界に吸い込まれる感覚が怖いのではないか」と思っています。まずは子どもを安心させることが大切なんです。
いちばん簡単な方法は、一緒に寝ること。大抵こちらが先に寝てしまいますが、そうすると子どもも寝てしまいます。寝たフリでもいいと思います。室内を薄暗くするなど、家の中を寝る雰囲気にしていくのもいいでしょう。そうやって、体のリズムを作っていくしかありませんね。


あきえの知ってビックリ!! 赤ちゃんの世界「液体ミルク」

赤ちゃんグッズの研究・開発現場にお邪魔して、どのように作られているのかレポートする「あきえの知ってビックリ!! 赤ちゃんの世界」。今回は、産休中の鈴木あきえさんに代わって、横澤夏子さん(8か月女の子のママ)が「液体ミルク」について調べました。

液体ミルクとは?

液体ミルクは、2019年から販売が開始され、まもなく2年。粉ミルクのような手間がかからず、簡単に赤ちゃんにあげられるミルクです。

国内ではじめて液体ミルクを製造したメーカーの研究室にお邪魔して、商品開発研究所リーダーの永富宏さんにお話を伺いました。永富さんは、3年間、液体ミルクの試作とテストを繰り返し、国内で初めて製造、商品化に成功しました。
液体ミルクで気になる「栄養・味・賞味期限」について聞いていきます。

原材料は30種類!?

こちらの研究室では、赤ちゃんにとってバランスのいい栄養のミルクを研究しています。母乳の代わりになるものなので、特に栄養については慎重に研究を重ねているそうです。

これは、液体ミルクの1本あたりの原材料です。微量のものまで含めて30種類にもなります。
最初は粉ミルクを溶かして殺菌したものを試作したものの、長期保存できるように、原材料をいちから見直しています。30種類近くの原材料をひとつひとつ組み合わせ、100回近く試作と工場テストを繰り返して改良してきました。

災害の現場で手軽に使えるミルクを

永富さんが開発を始めたきっかけは、2016年の熊本地震だったそうです。被災地で子育てをするパパ・ママにとっての悩みのタネは授乳でした。災害のストレスから母乳が一時的に出にくくなったり、粉ミルクを作るための清潔なお湯を入手するのも難しかったからです。
3人の子どものパパでもある永富さんは、災害現場で手軽に使える液体ミルクの必要性を強く感じ、ミルクを扱うメーカーとしてやるべきだと考えたそうです。

そして、まだ国内では液体ミルクの製造・販売が許可・承認を得ていない中、手探りで研究を進めました。何度も試作や工場テストを繰り返して、厚生労働省や消費者庁に何度も足を運び、ようやく製造・販売が許可されるようになったんです。

実は甘い? 液体ミルク

続いて、気になっていた「味」。実際に液体ミルクを飲んでみると、練乳のような甘さがありました。実は、母乳と同じような甘さにあわせたもので、乳糖といわれるミルク本来の糖分が入っているそうです。

こだわったのは味だけではありません。開発当初の液体ミルクと、研究の末に生まれたものでは色が違うんです。
開発当初は、高温で長時間加熱するレトルト殺菌という方法を採用していたので、少しこげた色になっていました。でも、白いほうが、親が安心して赤ちゃんにあげられるのではないかと考え、超高温で短時間で殺菌する方法を開発し、粉ミルクのような白さを実現しました。もちろん、着色料は入っていません。

常温での長期保存のために

最後に気になるのが「賞味期限」。この液体ミルクは、常温で6か月保存できます。保存料は一切入っていません。

その秘密は、紙パックにあります。6層構造になっていて、光と酸素を遮断します。この紙パックに、超高温・短時間殺菌したミルクを無菌の環境で入れることで、長期間の保存が可能になるのです。
常温での長期保存は、災害時にも活用してほしいと願った永富さんが特にこだわったポイントでした。

専用の乳首を取り付ければ、哺乳びんがなくても、そのまま赤ちゃんにあげることもできます。


これだけメリットの多い液体ミルクも、日本ではまだ一般的ではありません。永富さんは、もっと液体ミルクの安全性や利便性をパパ・ママに伝えていきたいそうです。


「まいにちスクスク」より

「すくすく子育て」の姉妹番組「まいにちスクスク」。「どう答える?子どもからの質問」の回では、子どもから聞かれて困ってしまうような質問の答え方を、専門家に教えてもらいました。
今回は、とっておきの答えを紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

素朴な質問への答え方は?

「どうして風は吹くの?」「どうして空は青いの?」など、子どもは、よく素朴な疑問を聞いてきますよね。親はどう答えたらいいのでしょうか。
発達心理学が専門の遠藤利彦さん(東京大学大学院 教授)に聞きました。

正しい答えより会話が大事。一緒に考えましょう

遠藤利彦さん

みなさんは「どうして?」と聞かれると、たいていは何かを返すと思います。子どもにとって「どうして?」は、大人から反応を引き出す、いちばん効果的な聞き方なんです。必ずしも正しい答えを求めているわけではなく、お父さん・お母さんと話を続けたい気持ちの表れだと考えてください。
このとき、子どもと一緒に考えることが重要です。お父さん・お母さんにとっても疑問であれば「なんでだろうね、もしかしたら〇〇かな」と言ったり、「〇〇ちゃんはどう思う?」と子どもから答えを引き出すように聞くのも、ひとつの方法だと思います。

悲しい事件のことを聞かれたら?

子どもに知ってほしくないような悲しい事件を知られたとき、説明を求められたらなんと答えればいいのでしょう。
臨床発達心理士の久保山茂樹さん(国立特別支援教育総合研究所 上席総括研究員)に聞きました。

「あなたのことは守るからね」と安心させる

久保山茂樹さん

子どもが悲しい事件を知って「あの子は死んじゃったの?大変なの?」と聞いてきたときは、ひとまず「死んじゃったみたいだね」「けがをしたみたいだよ」と答えた上で、その後に「でもね、あなたはお父さん・お母さんがちゃんと守るからね」のひとことを加えることが大切です。
おそらく、子どもは自分にも起きるのではないかと心配して、そこはかとない不安を感じています。そのとき「あなたは大丈夫だよ」「ちゃんと守るよ」と繰り返すことで、子どもは安心できるのではないかと思います。

どうして幼稚園に行かないとだめなの?

子どもから「どうして幼稚園に行かなきゃいけないの?」と言われたとき、どう答えたらいいのでしょうか。
発達心理学が専門の坂上裕子さん(青山学院大学 教育人間科学部 教授)、幼児教育が専門の宮里暁美さん(お茶の水女子大学 教授)に聞きました。

子どもを注意深く観察したほうがいい

坂上裕子さん

子どもによっては、幼稚園に行きたくないけど、直接言えないから「どうして行かなきゃいけないの?」という聞き方をしている場合もあります。そのときの表情や口調などに、子どもの気持ちが反映されていると思いますので、注意深く観察してみてください。子どもがどんな思いなのか考えてあげましょう。

まずは子どもの気持ちを受け止めることが大切

宮里暁美さん

「どうして行かなきゃいけないの?」という質問に理屈で答えても、納得して行きたくなるものではありませんね。「そうか、今はスランプかもしれない」と思いながら、行きたくなるような工夫を考えるかもしれませんが、あまり真正面で向き合っても道は見つかりにくいと感じます。そんなときは、まずは子どもの気持ちを受け止めて、背中を押すことを心がけています。

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※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです