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2023年「あなたの冬のボーナスは?」~30人に新橋で聞いた

  • 2023年12月15日

働く人たちの多くが心待ちにしていた冬のボーナス。ことしは、政府も「賃上げ」を後押しするなか、実際のところ皆さんのボーナスはどうだったのでしょうか。ちょっとぶしつけな質問かとは思いましたが、東京・新橋でずばり聞いてみました。
「みなさん、冬のボーナスはいかがでしたか?」
                 (首都圏局/記者 瀧川修平、ディレクター 堀江凱生)

30人にずばり聞いた「あなたの冬のボーナスは?」

インタビューを行ったのは12月中旬。企業も官公庁もちょうどボーナスが支給された頃合いです。インタビュアを務めたのは新人記者のと先輩のディレクター。私は冬のボーナスを手にしたのは初めてでした。
企業で働く人のこの冬のボーナスですが、民間のシンクタンク各社の予測では、1人あたりの平均支給額は3年連続で前の年を上回り、2.1%から2.5%の増加が見込まれているそうです。ただ、実際のところどうだったのか、気になります。

お金の話をどこまでみなさんお答えいただけるか、少し不安を持ちながら街頭に立ちました。目標とするのは30人。もちろん統計的に有意な数ではないですが、少ない数ではありません。

上がった人たち…金融、大手メーカーなど

まずは、「上がった」と答えてくれた人たちです。
20代の男性は、ことし前職と同じ金融の仕事に転職したばかりだといいますが、今回手にしたボーナスは250万円だったといいます。

20代男性 金融系 250万円
「働いている分はいただいているかなという満足感はあります。全体としては悪くない感じはしますけどね」

50代の男性は、気前よく色んな話をしてくれました。半導体関連の大手メーカーの管理職だという男性。製造しているのは今注目の半導体。しかも、円安も後押しして、業績は好調だそうです。ボーナスも詳しい額は話してもらえませんでしたが、100万円以上だったといいます。
使い道はと聞くと大事にしている4台のバイクの整備などに使うとのことでした。
 

50代男性 メーカー 管理職 100万円以上
「円安になってるじゃないですか。輸出をすごいバンバンやってるので、その影響もあるかなと思うんですね。僕は、好きなバイクにボーナスは使いますよ。あとは、かみさんと2人で、イタリアンとかフレンチとか食べに行きたいです」

下がった人たち、もらってない人たちも

一方、インタビューの中で、「ボーナスが下がった」と言う人たちも少なくありませんでした。
20代の小売業の女性は、「結構不満ではあります。夏の方がよかったので」と素直に話してくれました。下がった理由を聞くと、為替の変動で、会社の業績が伸び悩んだことが影響しているということでした。

20代女性 小売り業 中間管理職 40万円代
「コロナの時に結構すごい業績が良かったので、その反動で今ここ2年ぐらいちょっと苦しんでるっていうのがありますね。海外で製造してそれをもってきているので」

さらに、ボーナスがでなかったという人も。

40代男性 運送業 ボーナスなし
「ボーナスの話もなければ賃金が上がるって話もあんまり聞かない。ガソリン代にしてもそうですし、車変えたくても変えるお金がないです。僕ら地方の人間からすると、都市部と違って給料も全然違うんで、なんでも同じ料金はその分だけ引かれるのに、田舎の方はやっぱりやりくりが難しいです。もしボーナスがあったら、うちの子どもらの進学費用に使いたいですね」

みなさんの声を聞くにつれて、賃上げが叫ばれても、実際はそれが簡単なことではないことを実感させられます。

使い道は?100万超の高級時計や旅行から貯蓄まで多様

ボーナスの使い道についても聞いてみました。まず、自分に投資したという人たちです。

30代の商社マンは、ちょっと照れながら腕につけた時計を見せてくれました。
100万円以上のドイツ製の時計だそうです。

30代男性 商社 80万円
「そうですね。ボーナスが少しマイナスになったので(苦笑)。嫌なことばっかだったんで・いい思いもしようと思って買いました」

看護師仲間だという50代の2人は、福岡から旅行で東京にきていました。日ごろ、医療現場で頑張る自身への「ごほうび」として、趣味の歌舞伎を見物してきたといいます。

50代 看護師 45万円
「今歌舞伎見てきたんですよ。歌舞伎を見た帰りに神社でお参りして/超歌舞伎で。獅童さんの。親子でかわいかったです。」

一方で、子どもの教育費に回したという人も。

50代 大学教授 45万円
「本当にもう教育費がすごいかかりますから。1年間多分200万ぐらい大学に払ってると思いますので」

こうしたなか、一番多く聞かれたのが投資や貯蓄に回すという声でした。
若い人たちほど、将来への不安を口にし、貯蓄と答えた人が多くいました。

20代男性 金融系 250万円
「貯蓄の一部は投資信託とか、そういうのにしたりはしてますけど」

20代女性 医療系 50万円代
「特に予定はないんで貯金です。老後資金のため」

20代男性
医療系
50万円代

貯金ですかね。まあ結婚したいんで。

記者

そうなんですか。

はい。

 

結婚を考えてるお相手がいるんですか。

そうですね。

ちなみにいつ頃とか考えてらっしゃいますか。

来年あたりできたらな。

30人インタ「あなたのボーナスは」結果は!

さまざまな声がきかれた「冬のボーナス」の30人インタビューですが、その結果はこのようになりました。みなさん協力ありがとうございました!
※シールの色は企業規模や雇用形態を表す
…1000人以上 …100~1000人 …100人未満 …自営業・フリーランス)

▼上がった…   9人 
▼変わらなかった…7人 
▼下がった…     5人
▼ボーナスがない…9人

やはり従業員が1000人以上の大企業に勤める方はボーナスが多く、ボーナスが上がった方も多いように感じました。これは、シンクタンクの予測に似た結果だと思います。

一方で、中小企業などは「変わらなかった」や「下がった」が多い結果となりました。
日本の企業の8割以上は中小企業だといわれています。
さらに、ボーナスがないと答えた人たちの多くはフリーランスや自営業の人たちです。
期せずして、働き方の多様化も実感することになりました。

これらの結果について、ボーナスの動向を予測をしている日本総合研究所の北辻宗幹研究員に聞いてみました。

日本総合研究所 北辻宗幹研究員
「経済統計上は、中小企業などの収益は回復している。 ただ、実際は企業間でのばらつきが大きく、円安・資源高に起因する原材料高を 十分価格転嫁できず苦しんでいる企業も多いのではないか。また、特に中小企業では人件費の価格転嫁が進んでいないという調査もあり、ボーナスを含めた人件費の増加に踏み切ることができないのではないかと思います。」

 皆さんの声を聞かせてください

みなさんは、この冬のボーナス、いかがでしたか?また、その使い道はどうされたでしょうか。みなさんのこのテーマに対する体験や意見、ぜひこちらまでお寄せください。

ちなみに、新人記者の私自身は、冬のボーナスをもらうのは初めてでした。
私は親への借金返済に使いたいと思います。

  • 瀧川修平

    首都圏局 記者

    瀧川修平

    2023年入局の記者1年目。冬のボーナスは初めて。 ボーナスは「ラーメンと親に返すお金に充てます」。

  • 堀江凱生

    首都圏局 ディレクター

    堀江凱生

    2016年入局。仙台局を経て2021年から首都圏局。山登りとゲームが趣味。

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