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  • 2023年12月12日

子育て時短勤務に給付金 いつから?マミートラック問題への対応は?

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子育てのために時短勤務をしたいけれども収入が減ってしまう…厚生労働省は2歳未満の子どもを育てながら時短勤務をしている人に対し、賃金に上乗せして賃金の1割に相当する額の給付金を支給する方針を示しました。一方で、みずからのキャリアへの不安から時短勤務の利用をためらう人もいます。いわゆる「マミートラック」という問題をめぐる動きについてもまとめました。

時短勤務 育児・介護休業法では

時短勤務は育児・介護休業法で3歳未満の子どもがいる従業員が希望すれば、企業側は所定の労働時間を原則1日6時間まで短縮する措置を設ける必要があります。 
ただ、時短勤務を子どもが何歳になるまで認めるかは企業側に委ねられているため、3歳を超えて認めている企業も多くあります。

時短勤務利用せず “収入が減るため”

アンケート調査 
対象・小学4年生未満の育児をしながら正社員で働く男女それぞれ1000人

調査の結果、一番年少の子どもの育児の中で時短勤務の制度を「利用している」または「以前は利用していた」と回答した人は、男性は7.6%、女性は51.2%でした。

このうち時短勤務を利用したことがない回答した人に複数回答でその理由を聞くと、男女ともに「収入が減るため」が最も多くなりました。

時短勤務 賃金1割に相当する額の給付金

厚生労働省は12月11日、2歳未満の子どもを育てながら時短勤務をしている人の賃金に上乗せして、賃金の1割に相当する額の給付金を支給する方針を示しました。給付金の狙いは、収入が減る状況を改善することで子育てしやすい環境づくりにつなげるためです。

給付金制度は再来年度、2025年度から実施する予定で厚生労働省は年明けまでに具体的な制度設計を進め、来年の通常国会で関連法案を提出する方針です。

ただ、みずからのキャリアへの不安から時短勤務の利用をためらう人もいます。いわゆる「マミートラック」という問題です。

「マミートラック」とは

「マミートラック」とは子育て中の女性が時短勤務というだけで適正に評価されなかったり、出世ルートから外されたりするなど、まるで“陸上のトラック”を走るように同じ場所をぐるぐる回っているようなことから呼ばれています。

“キャリア形成の機会を” “管理職として認めて”

 「マミートラック」の相談が相次いでいる転職支援を行う会社が行ったアンケート調査では、時短勤務の人から、キャリア形成できるような機会を提供してほしいとか、管理職として認めてほしいといった意見もあったといいます。

転職支援会社「mog」稲田明恵社長 
「育児しながら仕事も頑張っているのに評価されないという苦しみが時短勤務の人の満足度を下げていると考えられる。給付金で時短勤務を選択する人が増えた場合、対策がとられなければマミートラックで悩む人が増えるリスクがあると思う」

大手デパートの模索 時短勤務の管理職

「マミートラック」が起きないよう模索を始めた大手デパートもあります。横浜市内の店舗で働く川上早奈江さんは、4年前、時短勤務の管理職になり、いまは宝飾品売り場のマネージャーを務めています。

川上早奈江さん 
「時短勤務中に管理職になる迷いもありましたが、今までやったことがないマネージャーという仕事にチャレンジしたい気持ちがありました。制度を使って徐々に労働時間を延ばすことで家族も慣れていくことができたと思います」

人事評価に差をつけず 9つの勤務パターン

このデパートでは、時短勤務の社員もフルタイムで働く社員と人事評価に差をつけず、管理職にも登用。育児中の勤務時間は9つパターンから選ぶことができます。

育児のため労働時間を調整しながら働く管理職は会社全体で41人にまで増え、母親目線での接客や企画がより充実するようになったということです。

高島屋ダイバーシティ推進室 三田理恵室長 
「家庭の状況や子どもの事情に加え仕事でどうありたいかなどを聞いた上で、一番ベストな働き方を選べる制度運用にしていきたい」

専門家 “勤務時間の長さより成果で評価を”

労働行政に詳しい三菱UFJリサーチ&コンサルティングの矢島洋子主席研究員は時短勤務をしている人への給付金について「時短勤務の取得を男性にも広げる効果が期待されるという点でメリットがある」と評価しました。そのうえで次のように述べています。

矢島洋子 主席研究員 
「働く時間の長さではなく、成果で評価することを進めると同時に時短勤務の人も成果をあげればきちんと評価されるべきだ。短時間勤務の人にどのように仕事をしてもらい適正に評価するのかがますます重要な課題になってくる。男女ともに仕事と子育ての両立が可能な働き方をしながらキャリアアップもしていける職場環境作りが期待される。国もその運用のあり方を企業に求めていくことが非常に重要だ」

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