シュトボー

  • 2024年2月9日

#大学生×防災 ~私たちにできる支援・備えは 能登半島地震から考える~

#次世代BOSAI #1
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相次ぐ災害に能登半島地震・・・ 
首都圏では被災地の支援のほか、備えを広めようとする若者たちが多くいます。そんな若者たちにスポットを当て、取り組みを伝えます。

“自分たちも被災地のために!首都圏からできることは…

会議を行った若者たち。「防災me」という学生団体のメンバーです。 
自分たちと同じ若い世代への、災害や防災意識の向上をめざし、去年(2023年3月)に発足しました。

 

代々受け継いできた家とかがなくなってしまったというのは、自分に置き換えて考えると、すごく悲しくなりました…。

 

個人として被災地で、どんなことが必要だと考えているか聞かせてください。

 

これまでWEBを通じて若者目線の防災情報を発信したり、クイズなどが楽しめるオリジナル防災アプリなどを作成したりと“災害を身近に感じてもらう”ための活動を行ってきました。 
活動の中心となっていたのは、大学生で防災士の隂山弘暉さん(19)です。

能登半島地震は、そんな活動のさなかに発生しました。 
「防災me」は発災直後から災害情報や避難所での過ごし方の注意点などを発信してきました。 
今回、SNS上の書き込みをみた隂山さんは、自分たちが直接的な支援に乗り出す必要性を痛感したといいます。

「防災me」代表 隂山さん 
「SNSではさまざまな支援に関する書き込みがありました。その中で、中小企業さんが、“物資を送りたいけど届けられない、方法が分からない”といった書き込みをしていました。一件だけではなく、数件あったので、なんとかできないかと思って…」

 

考えたのは「被災者」と「支援を行いたい企業」をつなげる“物資支援のマッチング”の仕組みです。 
リクエストされた物資の情報が仲介役となる「防災me」に送られ、情報が企業に共有されます。 
大学でプログラミングの勉強をする隂山さんは被災地から物資をリクエストできるページを作成しました。 
企業が提供した物資は、現地で復旧活動を行う業者に託し運搬します。こうすれば、被災地のニーズを的確に反映できると考えました。

この方法は、企業からも支持され、さっそく物資を準備することになりました。

 

協力した企業 佐藤有香さん 
支援物資として送るものがあっても届けることが出来ないという状況だった。マッチングサービスのような形で、必要な物資を届けることが出来るということで、すごく画期的な方法だと思いました。

用意したのは、非常用寝袋に圧縮毛布、水のいらないシャンプー、ウェットボディタオル、アルファ化米、加熱剤など。 
厳しい寒さに対応できるような物資を多くそろえています。

みずからも被災者… 過去の経験から現地を思う

こうした取り組みを迅速に行う、隂山さんたち「防災me」。なぜ、ここまで、一生懸命なのか…。 
それは、メンバーのほとんどが災害での被災経験があるからだと言います。

隂山さん

僕は幼稚園のころに東日本大震災を経験しました。家は無事でしたが、停電で恐怖に震えた夜や、物資が届かず、商品がなくなったコンビニなど、今も記憶に残っています。そのため、少しでも早い物資などの支援をしたいと考えました。

 

「防災me」 鹿志村響さん 
私も東日本大震災で被災をしました。家族と3日間、車の中で過ごしました。能登半島地震と同じように、当時も寒さが厳しい時期の震災でした。ガソリンを気にして自由にエンジンをかけられないなど、「寒さ」に耐える日々でした。だからこそ寝袋や毛布などの「暖をとれる」物資を送りたいと思いました。

被災経験の記憶は、人々への防災意識向上につなげたいという思いにつながっています。 
早速、この首都圏での災害リスクをわかりやすく伝える取り組みをスタートしました。

若者の目線で街なかを調査!

メンバーが集まったのは多くの若者も集まる街、東京・中目黒。災害発生時、街なかでは、どんな部分に注意が必要なのか自分たちの視点で調べ、マップに落とし込もうとしています。

まず、学生たちが気になったのが電柱。災害時は、「倒れる危険」や「電線の断線による火災や感電の危険」があると考えました。実際に東日本大震災では、約5万6千本の電柱(電力・通信の合計)が倒壊したとされ、 
「火災」や「倒れたことでの交通の妨げ」などにつながったと考えられています。

次に注目したのが、落下物の存在。 
今回の調査では、店先の看板はもちろん、建物の壁にあるエアコンの室外機に落下の危険を感じたようです。

隂山さん

電柱はもちろん、看板やエアコンの室外機など、日ごろは気にも留めないものが、災害時に凶器になる可能性があると感じました。また、いつも生活している中で、自分が下ばかりを見て歩いているのかという事にも気が付きました。

一方、こんな役立つ情報も見つけることができました。それが、この街に設置された消火器。

消火器が入る、箱の上部を見てみると二次元コードが貼ってあります。 
これは、目黒区独自の取り組みで、二次元コードを読み込むことで地域の避難所がわかるウェブサイトや区が制作する防災地図アプリに接続できるというものでした。

 鹿志村さん

地域に詳しくない人でも災害時、消火器を探せば、避難所へのルートを知ることが出来るのは、素晴らしいと思いました。今回の能登半島地震でも、帰省中で慣れない土地で、どこに避難したら…という書き込みをSNSで見たので、こうした取り組みを知って、発信して、広めたいと思いました。

取材から数日… 実際に被災地に行き見えてきたもの

 

街の調査から数日後…。「防災me」のメンバーの姿は、震度6強を観測した石川県七尾市の被災地にありました。みずからの手で、被災地に物資を届けるためです。 
現地に入った学生たちに、「何を感じ」「被災地で何を見たのか?」を聞きました。

「防災me」隂山弘暉さん 
「テレビやSNSで見ていた以上の壮絶な光景があり、災害の恐ろしさ、被害の大きさを改めて実感しました。 
しかし、その中でも、被災地の方に『すごく嬉しい』『ありがとう』などの声を掛けていただき、さらに大変な中でも僕たちの体調を気遣ってくれた方も多くいました。一日でも早く日常を取り戻せることを願いながら、今後も学生の自分たちができる形で支援や活動を続けていければと思います」

「防災me」 鹿志村響さん 
「今回の地震を受けて、日頃の備えの重要さを改めて感じました。休むことなく復旧作業をしている地元の方たちがいて、少しでも自分たちの届けた物資が役立てばと思うとともに、改めて自然の脅威を感じました。 
今後は、現地での光景を忘れずに、“もしもの時”一人でも多くの人の役に立つような、情報を伝える活動を続けていければと思います」

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