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後発地震注意情報とは 関東75%「聞いたことがない」 茨城県 千葉県にも防災対応の対象市町村

~NHKアンケート調査~
  • 2023年12月19日

「北海道・三陸沖後発地震注意情報」について情報の普及や理解は進んでいるのでしょうか。
運用が始まってから1年がたち、NHKは茨城県と千葉県の200人を含む対象地域の1000人に、2023年11月、インターネットでアンケートを行いました。その結果、関東地方では75%が「聞いたことがない」と回答しました。この情報はどんな内容なのか、アンケート結果とあわせてまとめました。

「北海道・三陸沖後発地震注意情報」とは

「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は、北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」と「日本海溝」、それに、その周辺でマグニチュード7クラスの地震が起きた際にその後の巨大地震の発生に注意を呼びかける情報です。

東日本大震災の2日前には…

北海道沖の「千島海溝」と三陸沖の「日本海溝」では、過去にマグニチュード7から9クラスの地震が繰り返し起きていて、最大クラスの巨大地震の発生が切迫していると考えられています。

過去の巨大地震の前には、より規模の小さな大地震が起きたこともあり、東日本大震災をもたらした2011年の巨大地震では2日前にマグニチュード7.3の地震が起きていました。

どんな状況で発表されるのか

このため、気象庁は想定される震源域やその周辺でマグニチュード7クラスの地震が発生した場合に、おおむね2時間後をめどに後発地震注意情報を発表し、その後の巨大地震の発生がふだんよりも高まっていると注意を呼びかけます。

対象は、3メートル以上の津波や震度6弱以上の揺れなどが想定されている北海道と青森県、岩手県、宮城県、福島県それに茨城県と千葉県の、太平洋側を中心とした182の市町村です。このうち、茨城県と千葉県では23の市町村が防災対応をとる対象となっています。

“名称を聞いたことがない” 関東では75%

この情報の運用が始まってから12月16日で1年になるのを前に、NHKは茨城県と千葉県の200人を含む対象地域の1000人に、11月、インターネットでアンケートを行いました。

その結果、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の名称について、「聞いたことがない」と回答した人は全体の69%にのぼりました。このうち関東では75%が「聞いたことがない」と答え、北日本の地域に比べて情報が知られていないことがわかりました。

また、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が出た場合にどのような行動を取るか関東の人たちに複数回答で聞いたところ、最も多かったのが「非常持ち出し品を常に手元に置く」で47%だった一方、この情報で求められていない「指定された避難所への事前避難」を選んだ人も39%に達しました。さらに、「何もしないと思う」と答えた人も16%にのぼりました。

情報発表で求められる対応は

この情報では、事前の避難などは呼びかけず、発表から1週間程度は日常の生活を維持しつつ、すぐに避難できるよう備えておくことなどを求めています。

また、企業や地域に対しては、津波や土砂災害のおそれのある場所での作業を控えるほか、地域に住む高齢者への声かけや連絡手段を改めて確認するなどとしています。

この情報が発表される頻度は、2年に1回程度と見込まれていますが、巨大地震が起きる確率は100回に1度程度と低いうえ、防災対応を呼びかける1週間が経過したあとに大規模な地震が起きる可能性もあるなど不確実性が高いとしています。

“想像以上に浸透していない”

東北大学 佐藤翔輔准教授(災害情報が専門 アンケート監修)
「情報を知っていた人が思っていたよりも少ないという印象だ。情報の内容をよくわかっていない人が多い中で、実際に情報が出されたらパニックになり、各方面に影響が出るのではないか。国や自治体は情報名だけでなく、なぜこういう情報が必要なのかや、情報が出された際に自治体は何ができて何ができないのか、そして住民がとるべき行動は何なのかをセットで学べる機会を設けて浸透を進めていく必要がある」

“この数字を重く受け止めている”

気象庁地震津波防災推進室の海老田綾貴室長は、「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の名称を7割近くが「聞いたことがない」と回答したことについて、「この数字を重く受け止めている」と述べました。

気象庁地震津波防災推進室 海老田綾貴室長
「今まで以上に関係省庁と連携して普及・啓発をさらに進めたい、このひと言に尽きると思う。1人でも多くの人にこの情報の名称と内容を知ってもらうために努力していきたい」

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