シュトボー
  1. NHK
  2. 首都圏ナビ
  3. シュトボー
  4. 伊豆諸島に一時津波注意報 揺れを感じなくても…2023年10月5日

伊豆諸島に一時津波注意報 揺れを感じなくても…2023年10月5日

  • 2023年10月5日

気象庁によりますと、10月5日昼前、伊豆諸島に津波注意報が発表されましたが、震源が八丈島から南に370キロほど離れていたため、体に揺れを感じる地震は観測されませんでした。過去には揺れを感じなかったり、感じた揺れが小さかったりしても津波が押し寄せたケースがたびたび確認されています。発表当時の伊豆諸島の状況のほか、今後の注意点についてまとめました。

伊豆諸島に津波注意報 5日午前11時6分

気象庁によりますと、10月5日、午前11時ごろ、伊豆諸島の鳥島近海の深さ17キロを震源とするマグニチュード6.5の地震が発生しました。この地震で、気象庁は午前11時6分、伊豆諸島に津波注意報を発表しました。

予想される津波の高さは1メートルで、八丈島の八重根では、午後0時17分に30センチの津波を観測しました。

気象庁 下山利浩 地震情報企画官(5日正午すぎ)
「津波が発生しているおそれがあり海の中や海岸付近は危険なため海岸から離れてほしい。また、潮の流れが速い状態が続くため津波注意報が解除されるまでは海に入ったり海岸に近づいたりしないようにしてほしい」

津波注意報で伊豆諸島では

伊豆諸島では防災行政無線などで津波注意報の発令が知らされました。このうち、新島の状況について聞いたところ次のように話していました。

新島村観光案内所 牧野春美さん
「地震の揺れは体には感じなかったが、インターネットで情報を把握しました。そのすぐあとに防災行政無線で『津波注意報が出ました』と放送があり知りました。防災行政無線は大きな音でしたので多くの人が把握していると思われますし、海岸付近の見回りで近くには人がいないという情報も入っています」

過去には地震の規模大きくなくても1mの津波

その後、目立った潮位の変化がみられないことから、気象庁は午後1時15分、伊豆諸島に出していた津波注意報をすべて解除しました。

東京都によりますと、午後1時半の時点で被害の情報は入っていないということです。

東京大学地震研究所 佐竹健治教授
「このあたりでは過去にも地震の規模がそれほど大きくなくても1メートル程度の津波を観測した例があるため注意が必要だ。一般的には、大きな地震の後は地震活動が続くことがあるため、注意を続けてほしい」

揺れを感じなくても津波 過去の事例は

気象庁によりますと、5日昼前に伊豆諸島に津波注意報が発表されましたが、震源が八丈島から南に370キロほど離れていたため、体に揺れを感じる地震は観測されませんでした。
過去には揺れを感じなかったり、感じた揺れが小さかったりしても津波が押し寄せたケースがたびたび確認されています。

〇チリ地震津波
1960年の「チリ地震津波」では、震源がチリ沿岸だったため、日本では揺れを体感しないまま北海道から沖縄にかけての太平洋沿岸各地に津波が到達し、死者・行方不明者は142人にのぼりました。

〇明治三陸津波
また、1896年に起きた「明治三陸津波」では東北地方を中心に津波が押し寄せおよそ2万2000人が犠牲になりました。このときはプレートと呼ばれる岩盤が通常よりもゆっくりとずれ動いたため揺れが小さく感じられ、そのことで被害が拡大したと言われていて、「津波地震」と呼ばれています。

〇海底火山に伴う津波
去年1月に南太平洋のトンガの海底火山で発生した大規模な噴火では、噴火の衝撃による気圧波などの影響で日本各地の沿岸で数センチから1メートル余りの津波が観測され、船や養殖施設などに被害が出ました。

東京大学地震研究所 佐竹健治教授
「海外で起きる大きな地震や火山の噴火などで津波が発生し日本では揺れを感じないまま突然、警報が出ることもある。今回のように津波の到達まで時間の余裕がない場合もあるため、津波注意報や津波警報を見聞きしたらすぐに行動することが重要だ」

地震6日にも “多少の潮位の変化” 揺れは?

6日午前10時31分ごろ伊豆諸島の鳥島近海を震源とする地震がありました。伊豆諸島と小笠原諸島では今後2時間から3時間程度、多少の潮位の変化があるかもしれませんが、津波の被害の心配はありません。

この地震で震度1以上の揺れは観測されませんでした。

気象庁の観測によりますと、震源地は鳥島近海で震源の深さは10キロ、地震の規模を示すマグニチュードは6.3と推定されています。

※10月6日 正午時点の情報です※

ページトップに戻る