5月11日明け方に発生した地震では、緊急地震速報のブザー音などで飛び起きた人も多いのではないでしょうか。
いつ発生するか分からない地震。
そこで、今回は、就寝時に地震が発生したらどう対応し、事前にどのような備えが必要なのか、防災士に聞いてきました。安藤佳祐アナウンサーの報告です。
寝ている時に地震が発生したらどうしたらよいのか。
具体的な対策について防災士として活動する菊池顕太郎さんに安藤佳祐アナウンサーが聞きました。
まず始めに、5月11日のような時間帯、布団に入っている際に地震が起きたとき、どのように行動すればいいかです。
菊池さんは、緊急地震速報や揺れが大きいと感じた時は、まず、安定する姿勢をとることが大事だといいます。
地震だ。すぐに柱につかまります。姿勢を低くしてつかまってください。
姿勢を低くするのは…?
立っていると手が外れたときに飛んでしまう。
飛ばされる?
震度6強では“バスの急停車”を思い出してほしい。何か捕まっていないと体が飛んでいってしまう。
柱などが近くにない場合、“バスの急停車”のような揺れでも飛ばされない姿勢をとることが大事だといいます。
その場合は、カエルのポーズで備えてほしい。膝立ちになって、手を床につけてください。頭をかかえるダンゴムシのポーズをすると体が右へ左へと飛ばされてしまう。
そして、揺れが収まったあと、避難などのために移動する場合はどうすればいいのか。
このとき、あわてて動かず、床に割れたガラス片などが落ちていないか、確認することが大切だといいます。
枕元に置いてある懐中電灯やヘッドライト、または、携帯のライトを床づたいに照らすと破片が見つけやすくなります。
移動する時はあらかじめ用意しておいたスリッパを履いて移動するようにしてください。
防災士 菊池顕太郎さん
「一つのやり方としては、スマホのライトを活用して欲しい。上から照らしてもよくわからない。だから、なるべく低い位置で、横からガラスを見ながら、進行方向に向かってほしい。ライトを横で当てたら、突起物で、ガラスが光ってわかる。よく警察の鑑識が、残留物を見るときには、横から光を当てる方法をとっているので同じように行って欲しい」
家の外に出るときも確認が重要だとしています。
瓦が落ちてこないか、電線が切れてぶら下がっていないか、周りを確認しながら出るのが大切だということです。
そして、周辺で火災の煙が上がっていないか確認してほしいといいます。
近くで火災が起きていて煙が自分のいる方向に流れているときは火災が迫ってくる恐れがあるので、すぐ避難することが大事だということです。
防災士 菊池顕太郎さん
「外に出たときに、周りの家屋から煙が出ているか見てほしい。3か所から上がっていたら、ここは避難する可能性があるエリアだと思ってほしい。1本の消火器で消せるのは30秒しかないので1か所なら消し止められるが、3か所同時だと非常に困難です」
そのうえで、火災からの避難は、早めに判断することが重要だといいます。
「火災の場合は、避難が非常に遅いといわれている。特に高齢者のかた、歩くのに時間がかかる人ほど、早めの避難が必要になる。これから地震が来る可能性が非常に高いと言われているのでみなさん1人1人備えてほしい」
続いて、各地で地震が相次ぐ中、事前にどのような対策をとるべきなのか、聞きました。
家具などが倒れ、下敷きになったり、避難できなくなったりしないよう配置を見直したり、固定することが大切だといいます。
菊池さんは、枕元や寝室には倒れる恐れがあるものを置かないこと、大きな倒れやすい家具は固定することが重要だとしています。
内閣府の防災に関する調査では、「家具・家電などを固定している」という人は、およそ36%にとどまっていますが、菊池さんは、「賃貸物件でも、壁に穴を開けずに粘着式で固定できるものがあるので活用してほしい」と話しています。
また、自宅から避難する際に必要なものを事前に準備し、手の届くところに置いておくことも重要だといいます。
具体的には、寝床から移動する際に使うヘッドライトや履物、家から避難する時に持ち出す防災バッグなどを準備しておいて欲しいとしています。
また、自宅で避難生活をするために重要な食料や水を確保しておくことも大切です。
ペットボトルに入った長期保存できる水や、食品を日頃から備蓄してほしいとしています。
また、冷蔵庫に入っている食品を守るための対策も効果的だといいます。
揺れを感知した際に扉をロックする器具を活用することで、扉が開いて急速に傷んでしまうのを防ぐことができるためです。
防災士 菊池顕太郎さん
「5月11日の地震で感じた危機感を忘れずにできれば1週間以内に小さなことでも行動に移し、地震対策を行って命を守って欲しい」