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埼玉 栃木で震度5弱 首都直下地震 千葉県東方沖地震との関係は? 専門家 “従来の地震活動”

  • 2024年3月21日

3月21日午前9時すぎ、震度5弱の揺れを栃木県と埼玉県で観測する地震がありました。栃木県で震度5弱の揺れを観測したのは2022年3月16日以来、埼玉県では2021年10月7日以来です。この地震について専門家に聞きました。

下野市と加須市で震度5弱を観測

気象庁によりますと、21日午前9時8分ごろ茨城県南部を震源とするマグニチュード5.3の地震がありました。
この地震で震度5弱の揺れを栃木県下野市と埼玉県加須市で観測しました。この地震による津波はありませんでした。

〇栃木県 過去の地震
気象庁によりますと、栃木県で震度5弱の揺れを観測したのはおととし2022年3月16日に福島県沖で発生したマグニチュード7.4の地震以来で、このときは栃木県高根沢町で震度5弱の揺れを観測しました。

〇埼玉県 過去の地震
また、埼玉県で震度5弱を観測したのは2021年10月7日の千葉県北西部を震源とするマグニチュード5.9の地震以来で、このときは埼玉県川口市で震度5強の揺れを観測しました。

“1週間ほどは最大震度5弱程度の地震に注意”

気象庁によりますと、震源の深さは46キロで、陸側のプレートの下にフィリピン海プレートが沈み込む境界とみられ、プレートどうしが押し合うことでずれ動く「逆断層」というタイプの地震だということです。

気象庁は揺れの強かった地域では、落石や崖崩れなどが起こりやすくなっている可能性があるとしたうえで、1週間ほどは最大震度5弱程度の地震に注意するよう呼びかけています。

東京大学 平田直名誉教授(政府地震調査委員会 委員長)
「震源となった茨城県南部を含む関東南部では、震度5弱程度の揺れを伴う地震がたびたび起きている場所だ。今後数日間、特に2、3日ほどは同じ程度の規模の地震に注意し、地震活動の状況は気象庁の情報も参考にしてほしい。耐震化していない住宅などは建物への影響が出るおそれがあるため安全な場所に身を寄せるようにしてほしい」

都市部の揺れの注意点は

気象庁によりますと、一般的に震度5弱の揺れが起きた場合、棚にある食器や本が落ちたり、固定していない家具など不安定なものが倒れたりすることがあります。また、屋外では揺れによって地盤に亀裂が生じたり落石や崖崩れが起きたりするおそれもあります。倒れやすいものや崖の近くなど危険な場所には近づかないようにしてください。

屋内では割れた食器やガラスなどがあると片づけをする場合などに思わぬけがをするおそれがあります。決して無理をせず、室内を歩くときはスリッパや靴をはくようにしてください。

エレベーターが停止したら

また、都市部でエレベーターが非常停止した場合は外部につながる非常ボタンを長押ししてください。すぐにつながらない場合も、諦めずに何度も試すことが大切です。
また、閉じ込められていることを外に知らせるには、音を出すことが有効です。固いもので音を響かせるようにたたくと外に聞こえやすいほか、ホイッスルがあれば大きな音がでます。

専門家 “従来の地震活動と考えられる”

栃木県と埼玉県で震度5弱の揺れを観測した今回の地震について、東京大学地震研究所の佐竹健治教授に聞きました。

東京大学 地震研究所 佐竹健治教授
「関東地方は東から『太平洋プレート』が、南から『フィリピン海プレート』がそれぞれ沈み込んでいるので、さまざまな場所や深さで地震が発生する。茨城県も地震が多く発生する地域で、地震の規模の大きさからしても、それほど珍しくはない。首都直下地震や、能登半島地震、千葉県東方沖の地震との関連はなく、従来の地震活動と考えられるが、日頃から地震への備えを進めてほしい」

首都直下地震 国の推計は

関東南部の地下は、「北米プレート」と呼ばれる陸のプレートの下に、「フィリピン海プレート」と「太平洋プレート」が沈み込む複雑な構造になっていて、地震のメカニズムもさまざまです。

首都直下地震は、「フィリピン海プレート」と「北米プレート」の境界や、それぞれのプレートの内部で起きるマグチュード7クラスの地震、それに、「フィリピン海プレート」と「北米プレート」の境界で起きるマグチュード8クラスの地震を指します。

このうち、マグチュード7クラスの地震について、国は今後30年以内に70%の確率で発生すると推計しています。

気象庁によりますと、今回の地震は、「フィリピン海プレート」と「北米プレート」の境界で起きたということです。SNS上では「首都直下地震かと思った」といった投稿が相次いでいますが、マグニチュードは5.3と首都直下地震と規模が大きく異なります。

また、専門家は今回の地震を従来の地震活動だとして首都直下地震と関連はないとしています。

関東大震災から100年経過 改めて備えを

一方、関東大震災から去年9月で100年が経過し、首都直下地震はいつ起きてもおかしくないと指摘されています。
今回の地震をきっかけに、改めて自宅の備蓄を確認するとともに、家具の固定をしたり家族と地震が起きたときの対応を話し合ったりして備えを進めることが大切です。

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