千葉県東方沖の相次ぐ地震 「スロースリップ」発生か どう備える? 最新の防災グッズは
- 2024年03月01日
千葉県東方沖を震源とする地震が相次いでいます。震度4を観測する地震も起きました。
どのような備えが必要？ 震源の周辺で「スロースリップ」？
最新の防災グッズから専門家の分析まで、詳しくお伝えします。
各地の震度や震源などの情報はこちら👇
ホームセンターに防災コーナー
千葉県旭市のホームセンターでは、通常の防災用品の売り場に加え、レジ前に特設コーナーを設けました。
買い物に訪れた人たちは、防災用品を集めたセット、家具の転倒防止器具、飲み水用のタンク、携帯用のトイレなどを手に取っていました。
旭市は、東日本大震災で最大で7.6mの津波が押し寄せ、震災関連死を含めて14人が亡くなっています。
備えた方がいいと思って、簡易トイレを参考のために見に来ました。これまで備蓄品などの備えはしていませんでしたが、これからはしていこうと思っています。
小さい子がいるので怖いと思い、急いで家具転倒防止の器具を見に来ました。備蓄は心がけていますが、地震が続いているので家の中の備蓄の品などを1か所にまとめておきたいと思います。
東日本大震災をきっかけに家具の転倒防止を心がけています。地震をきっかけに家の中を点検したところ、支えていない家具があったので、寸法を測って急きょ買いに来ました。
最新の防災グッズは
千葉市中央区の生活雑貨店では、約200種類の防災グッズを販売しています。
こちらは、割れたガラスを踏んでも安全で、足元でライトが点灯するルームシューズです。
停電しても消えない充電機能のついたライトもあります。
千葉市に住む30代の女性は、保存食の白米や簡易トイレなどを購入していました。
防災グッズが全然足りないので、買いに来ました。不安はありますが、備えがあれば安心できます。
この機会に、いま自分に何が足りないか見直し、手元にあるものは何が使えるか、もう1度見定めてほしいです。
商品を見るだけでも意識は変わると思うので、機会があれば店舗に立ち寄ってもらいたいです。
千葉市の街の人たちは…
千葉市の中心部で地震の受け止めを聞きました。
能登半島のような大きな地震が起きなければいいなと思っています。水を備蓄していますが、備えをしっかりしておかないといけないと思いました。
1日朝の地震は少し大きめだったので、びっくりしました。備蓄などの備えが現状ないので、危機感を持ってやらないといけないと感じています。
1日朝は友達から大丈夫だったかとメールが来ました。地震が多いので不安になります。
「スロースリップ」が発生か
千葉県東方沖で何が起きているのか。
専門家は、通常の地震活動と異なり、地下のプレートの境界がゆっくりとずれ動く「スロースリップ」という現象が起きている可能性が高いと分析しています。
通常の地震活動のイメージはこちら👇
「スロースリップ」のイメージはこちら👇
地殻変動が専門の京都大学防災研究所の西村卓也 教授は、国土地理院のGPSによる観測データを分析。
その結果、房総半島東側の地盤は、通常、北寄りに動きますが、2月27日にはほぼ逆にあたる、南東方向へ動いていることが確認されました。
このころから地震活動が活発になったことから、西村教授は、房総半島の沖合で、海側のプレートと陸側のプレートの境目がゆっくりとずれ動く現象「スロースリップ」が起きているとみています。
この地域では、スロースリップは1週間や10日ほど続くが、地震活動については1か月ぐらいは注意が必要だ。
1月には能登半島地震も起きたが、あまり恐れすぎるのもよくない。
ふだんの生活を続けながら、揺れへの備えを確認して欲しい。
過去の「スロースリップ」は
政府の地震調査委員会や国土地理院によりますと、千葉県東方沖では、「スロースリップ」が数年おきに発生し、そのたびに周辺の地震活動が活発になっています。
これまでに「スロースリップ」が確認されているのは、1996年5月、2002年10月、2007年8月、2011年10月、2014年1月、2018年6月の6回です。
それぞれが2～6年余りの間隔で起きています。
このうち、2018年は地震調査委員会で「スロースリップ」が起きていることが報告され、揺れへの注意が呼びかけられた翌日、震度3を観測する地震がありました。
そして、活動が始まってから約1か月後の7月、マグニチュード6.0の地震があり、千葉県で震度5弱の揺れを観測しました。
