千葉県東方沖やその周辺を震源とする地震が相次いでいます。2月下旬以降、震度1以上を観測した地震は計42回に上ります。
政府の地震調査委員会は、震度1以上の地震は収まりつつあるとみられるものの、今後も震度5弱程度の強い揺れを伴う地震が起きる可能性があるとして注意を呼びかけています。
詳しい各地の震度や、震源地などの情報をまとめました。
(※3月12日午前11時に情報を更新しました)
千葉県東方沖やその周辺で発生の可能性がある「スロースリップ」についてはこちら👇
9日、午前4時26分ごろ、千葉県で震度4の揺れを観測する地震がありました。
震度4の揺れを観測したのは一宮町、長南町で、震度3の揺れを茂原市、勝浦市、市原市、いすみ市、
大網白里市、九十九里町、睦沢町、長生村、白子町、大多喜町で観測しました。
震源地は千葉県東方沖で、震源の深さは30キロ。地震の規模を示すマグニチュードは4.5と推定されています。
2日午前1時49分ごろ、千葉県内で震度4の揺れを観測する地震がありました。
震度4の揺れを観測したのは、千葉市若葉区、いすみ市、一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長南町です。
震源地は千葉県南部で、震源の深さは20キロ。地震の規模を示すマグニチュードは5.0と推定されています。
1日午前5時43分ごろ、千葉県と埼玉県で震度4の揺れを観測する地震がありました。
震度4の揺れを観測したのは、千葉県東金市、市原市、山武市、大網白里市、一宮町、白子町、長南町、さいたま市緑区です。
震源地は千葉県東方沖で、震源の深さは30キロ。地震の規模を示すマグニチュードは5.2と推定されています。
震度4の揺れを観測した県内の7市町によりますと、午前6時半時点で被害の情報は入っておらず、状況を確認中だということです。
29日午後6時35分ごろ、千葉県大網白里市で震度4の揺れを観測する地震がありました。
また、震度3の揺れを千葉市若葉区、茂原市、東金市、市原市、山武市、いすみ市、九十九里町、一宮町、睦沢町、長生村、白子町、長南町で観測しました。
震源地は千葉県東方沖で、震源の深さは20キロ。地震の規模を示すマグニチュードは4.9と推定されています。
29日には、最大で震度3の揺れを観測する地震が3回ありました。
29日午前8時40分すぎには、千葉県で震度2の揺れを観測する地震が2回ありました。
銚子地方気象台によりますと、千葉県東方沖やその周辺では、2月27日の夜から地震活動が続いていて、震度1以上を観測した地震は11日午後5時までに計42回に上ります。
下の図は、29日午前9時から24時間ごとに地震が起きた場所をプロットした図です。
政府の地震調査委員会は、3月11日に定例の会合を開き、千葉県東方沖やその周辺の地震活動について評価結果をまとめました。
それによりますと、千葉県東方沖やその周辺では先月26日以降地震活動が活発になり、震度1以上を観測した地震は11日午後5時までに42回にのぼっていますが、最近は体に感じる揺れが1回も観測されない日もあるなど、減少しているということです。
また、房総半島では陸側と海側のプレートの境界がゆっくりとずれ動く「スロースリップ」によるとみられる地殻変動も観測されていましたが、しだいに小さくなっているということです。
一方、過去には数か月程度地震活動が継続したケースもあり、地震調査委員会は今後も震度5弱程度の強い揺れを伴う地震に注意が必要だとしています。
地震調査委員会の委員長を務める東京大学の平田直名誉教授は、「主な活動は終わりつつある印象を持つが、過去には地震活動が収まったあとに、やや大きい地震が起きたこともあるので、ひと月程度は注意してほしい」と話しています。
銚子地方気象台によりますと、千葉県東方沖は地震活動が活発で、過去には強い揺れを観測する地震が発生しています。
2023年5月にはマグニチュード6.2の地震が起き、銚子市と旭市で震度5弱の揺れを観測(映像は震度3を観測した四街道市にある職員の自宅の様子)。
4年前の2020年6月には、マグニチュード6.1の地震があり、旭市で震度5弱の揺れを観測しました。
また、1987年には、マグニチュード6.7の「千葉県東方沖地震」が起きて、倒れたブロック塀の下敷きになるなどして2人の死者が出ました。