都内で、「はしか」の感染が確認されています。
都内の5歳未満の男の子が、はしかに感染していることが分かりました。
東京都は、きのうも、20代の女性がはしかに感染していることが確認されたと発表しています。
男の子が都内の飲食店を利用しているほか、20代の女性も3月に大阪府で感染が確認された患者と同じ飛行機に搭乗していて、その後、新幹線や都内の飲食店を利用していることから、東京都は、症状が疑われる人は医療機関に相談するよう呼びかけています。
都内で感染が確認された「はしか」。
そもそもどんな症状が現れるのか、感染力はどのくらい強いのか、まとめました。
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都によりますと、はしかの感染が確認されたのは都内に住む5歳未満の男の子です。
男の子は3月4日に発熱や発疹などの症状が出てその後、医療機関を受診し、詳しく調べたところ、11日になって感染が確認されたということです。
男の子は現在、入院していますが、快方に向かっているということです。
男の子には、海外への渡航歴があり、症状が出た前日の3月3日に足立区内の飲食店を利用していることから、都は、症状が疑われる人は医療機関に相談するよう呼びかけています。
~20代の女性の感染も確認~
また、東京都は11日にも、都内を訪れていた大阪市在住の20代の女性のはしかの感染が確認されたと発表しています。
女性は、3月1日に大阪府ではしかの感染が確認された20代の男性と同じ飛行機に搭乗して2月、UAE=アラブ首長国連邦から帰国していました。
このため、健康観察を受けていたところ、3月8日に、滞在先の都内で発熱や発疹の症状が出て、その後の検査で感染が確認されました。
現在は入院していますが、回復に向かっているということです。
また、女性は、3月7日の午後1時台の新幹線で大阪を出て東京へ移動し、その日の夜、中央区の飲食店を訪れたということです。
はしかは空気感染で広がり、感染力が極めて強いため、都は、女性が利用した新幹線や飲食店の具体的な情報をホームページで公開しています。
また、症状が疑われる場合は事前に医療機関に連絡した上で受診し、移動の際は、公共交通機関の利用を控えるよう呼びかけています。
《はしかとは…》
はしかは、ウイルス性の感染症で、患者がせきやくしゃみをすることで放出された粒子にウイルスが含まれていて、それを吸い込むことで感染します。
《感染力は?》
空気感染のほか、飛まつや接触を通じて広がることもあり、感染力は極めて強く、免疫がない場合、感染者と同じ室内にいただけでほぼ確実に感染するとされています。
《どんな症状が現れる?》
厚生労働省によりますと、はしかに感染すると、およそ10日後に発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が現れ、2、3日熱が続いた後、39℃以上の高熱と発疹が現れるということです。
発疹は、症状が出始めてから数日たたないと出ないため、最初のうちは、はしかと判断しにくいこともあるということです。
《亡くなるケースもある》
さらに、感染による合併症として肺炎や脳炎が引き起こされて重症化することもあり、特に脳炎についてはおよそ1000人に1人の割合で起き、中には亡くなるケースもあります。
アメリカのCDC=疾病対策センターによりますと、はしかに感染した子ども1000人中、1人から3人は呼吸器や神経系の合併症で亡くなるとしています。
はしかの特効薬はなく、症状に応じた治療をするしかないため、専門家はワクチンなどで感染を防ぐことが重要だとしています。
2007年には、日本国内でワクチンを接種していない0歳から1歳の子どものほか、1回しか接種していない10代や20代を中心に感染が広がりました。
また、中高年でも感染を経験しておらず、ワクチンを接種していないか、1回しか接種していない人では、感染した場合は命にかかわることもあるとして、専門家は注意を呼びかけています。
感染が疑われる場合は、直接医療機関を訪れると、感染を広げてしまうおそれがあるため、あらかじめ連絡したうえで受診してほしいと呼びかけています。