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SLIM ピンポイント着陸成功!電力復旧の可能性は2月1日ごろまで太陽光が当たれば JAXA

  • 2024年1月25日

月面への着陸に成功した日本の無人探査機「SLIM」。JAXA=宇宙航空研究開発機構は、これまでに探査機から送られたデータなどから着陸目標地点との誤差を100メートル以内とする世界初の「ピンポイント着陸」に成功したことを発表しました。

また、搭載していた太陽電池での発電ができていないとしていましたが、25日に開いた会見で、月の日没にあたる、2月1日ごろまでに太陽電池に太陽光が当たれば電力が復旧して運用を再開できる可能性があるという考えを示しました。

「ピンポイント着陸」に成功

日本の探査機 「SLIM」

日本の無人探査機「SLIM」は、1月20日未明、世界で5か国目となる月面への着陸に成功しました。

25日、都内で開かれた会見でJAXAは、これまでに探査機から送られたデータなどを詳細に解析した結果、探査機は着陸目標地点から東側に55メートルほどの地点に着陸したと推定されることがわかったと明らかにしました。

従来、誤差が数キロメートル単位とされてきた月面着陸で、誤差100メートル以内を目指す世界初の「ピンポイント着陸」に成功したと発表しました。

メインエンジンが上を向いた「SLIM」
分離した小型の探査ロボットが撮影

また、搭載していた2機の小型の探査ロボットも正常に機能したことが確認され、月面で撮影された画像には、メインエンジンが上を向いた状態の「SLIM」が写っていました。

これまでの解析で、着陸直前の高度50メートル付近で2基のメインエンジンのうち、1基がなんらかの異常で失われたこともわかりました。

この影響で想定とは異なる姿勢で月面に着陸したことから探査機に搭載された太陽電池に太陽光があたらず、現時点で発電できていませんが、今後、太陽光があたれば発電する可能性もあるということです。

「SLIM」の開発責任者、JAXAの坂井真一郎プロジェクトマネージャは、次のように話していました。

JAXAの坂井真一郎プロジェクトマネージャ
「ピンポイント着陸に関しては100点満点。限られた時間でやるべきことはやりきれた。引き続き復旧運用に向けて全力であたっていきたい」

電力復旧「月の日没までに」

JAXAは、搭載していた太陽電池での発電ができていないとしていましたが、25日に開いた会見で、月の日没にあたる、2月1日ごろまでに太陽電池に太陽光が当たれば電力が復旧して運用を再開できる可能性があるという考えを示しました。

会見の中でJAXAの担当者は、月面は昼と夜が2週間ごとに繰り返しており、月の日没にあたる、2月1日ごろまでに太陽電池に太陽光が当たって電力が復旧すれば、探査機が自動的に起動して運用を再開できる可能性があると説明しました。

電力が復旧すれば、当初、予定していた月面を撮影し、岩石の組成を調べて月の起源を探る観測を行う予定だということです。

探査機「SLIM」が撮影した月面

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