プロ野球のドラフト会議で、東京都出身、東洋大の細野晴希投手は、日本ハムとロッテの2球団から3回目の1位指名を受け、抽せんの結果、日本ハムが交渉権を獲得しました。そして、細野投手は11月17日に仮契約を結びました。細野投手と日本ハムの新庄監督の談話のほか、投手としての特徴などについてまとめました。
プロ野球のドラフト会議は10月26日、4年ぶりに関係者が一同に集まり行われました。ことしは会場内に観覧席も設けられ、事前にチケットを購入したり招待されたりしたファンおよそ700人が指名の様子を見守りました。
東洋大の細野晴希投手は、日本ハムとロッテの2球団から3回目の1位指名を受け、抽せんの結果、日本ハムが交渉権を獲得しました。
東洋大の細野投手は、最速158キロの力強いストレートが持ち味の左ピッチャーです。身長1メートル80センチ、86キロの体格を生かしたストレートとスライダーやチェンジアップなど多彩な変化球も持ち合わせています。
東京都出身で東亜学園では、3年生の夏の東東京大会で初戦となった2回戦で敗れ、甲子園の出場はありませんでした。
高校時代のストレートの最速は140キロでしたが、筋力トレーニングなどに力を入れ東洋大学に進学後は15キロ以上球速を上げました。
東都大学野球では1年生の秋にデビューし、4年生の春には2部で5勝0敗、防御率0.82、投球回数を上回る58個の三振を奪う活躍を見せ、2部のMVP=最優秀選手を受賞しました。
ことしの大学日本代表にも選ばれていて、8月に東京ドームで行われた高校日本代表との試合ではストレートが自己最速を更新する158キロを計測するなど注目を集め、即戦力と期待されていました。
細野投手は東京・文京区にある東洋大学のキャンパスでドラフト会議の様子を真剣な表情で見守り、自分の名前が読み上げられると、ほっとした様子を見せました。
東洋大 細野晴希投手
「細野の『ほ』という音が早く流れてきてほしいと思いながら見ていた。プロ野球は夢だったので、指名してもらえてうれしい。選んでもらえて光栄だが(3回目の指名のため)同級生のライバルが先に呼ばれていくというのは悔しい思いもあった。この気持ちが自分の成長につながると思ったので忘れず、頑張っていきたい。(大谷選手と)もし対戦できる機会があれば自分のストレートがどこまで通用するのかを試してみたい」
日本ハム 新庄剛志監督
「くじで外れたのは悔しかったが、細野投手を取れた。158キロはめちゃくちゃ魅力なので逆によかったなと切り替えている。自分でつかんだプロ野球の世界なので1年目は好きなようにやってもらって好きなパフォーマンスをしてもらってローテーションを勝ち取ってほしい」
ドラフト会議から一夜明けた27日、日本ハムの稲葉ゼネラルマネージャーや大渕隆スカウト部長などが埼玉県川越市にある大学のグラウンドを訪れ、細野投手は指名のあいさつを受けました。
稲葉ゼネラルマネージャーは「目の奥がすごく光っていて、やる気に満ちているのを見て、安心した。これから伸びしろのある選手なので、一緒に北海道を盛り上げていけたらと思う」と話していました。
細野投手
「朝起きてから少しずつ指名を受けた実感がわいてきました。稲葉ゼネラルマネージャーは僕が小さい頃から見ていた方なので、何を話したか覚えていられないほど緊張しました。やるからには1番を目指して日本を代表するようなピッチャーになりたい」
細野投手は11月17日、東京・文京区の東洋大学のキャンパスで球団と入団交渉を行いました。
いずれも推定で、契約金1億円プラス出来高払い、年俸1300万円で仮契約を結びました。
細野投手
「最終的にすごい選手になってもらいたいと言ってもらってさらにプロの世界でやってやるという気持ちが大きくなった。ドラフトの時に、東都のほかの選手が先に呼ばれて、悔しい思いもしたのでやってやるぞという気持ちがある。少しでもチームに貢献できたら新人王などのタイトルにつながると思っている。しっかり1年間けがなく、頑張っていきたい」
ことしは即戦力と評価される大学生ピッチャーが多く、特に東都大学野球のピッチャーが1位候補として数多く名前があがっていました。
東都大学野球 ドラフト1位指名 | |||
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西武 | 国学院大 | 武内夏暉投手 | (左/左) |
広島 | 青山学院大 | 常廣羽也斗投手 | (右/右) |
巨人 | 中央大 | 西舘勇陽投手 | (右/右) |
日本ハム | 東洋大 | 細野晴希投手 | (左/左) |
阪神 | 青山学院大 | 下村海翔投手 | (右/右) |
中日 | 亜細亜大 | 草加勝投手 | (右/右) |
ヤクルト | 専修大 | 西舘昂汰投手 | (右/右) |
東都大学野球から7人ものピッチャーが1位指名を受け、1つのリーグからのドラフト1位指名としては58年のドラフトの歴史の中で異例の多さとなりました。
東都大学野球ではここ20年を振り返っても3人が最多で、東都大学野球連盟の関係者は「今まで7人も1位指名を受けたというのは見たこともないし、聞いたこともない」と話しています。