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ボージョレ・ヌーボー解禁 ことしは「国産」ワインにも関心高まる

  • 2023年11月17日

すでに楽しんだ人もいらっしゃるのではないでしょうか?

フランス産のワインの新酒、ボージョレ・ヌーボーの販売が11月16日解禁されました。

新型コロナウイルスが5類に移行されて初めての解禁とあって、小売店や輸入業者ではコロナ禍で落ち込んでいた需要の拡大を見込んでいます。

今年の出来や値段などはどうなっているのか。

また、人気が高まる国産ワインの新酒についてもまとめました。

ボージョレ解禁 去年より値下がりも

ボージョレ・ヌーボーは、フランスのボージョレ地区でその年に収穫されたぶどうで造るワインの新酒で、毎年11月の第3木曜日に販売が解禁されます。
ことし(2023年)は11月16日に販売が始まりました。

東京・銀座にあるワインの販売店では、16日午前0時のボージョレ・ヌーボーの販売解禁に向けてカウントダウンの催しが行われ、集まった愛好家たちおよそ30人が解禁されたばかりのワインの味を楽しみました。

訪れた人

フレッシュで、でも凝縮感があって、おいしいです。

訪れた人

果実味があるんですけど、ことしは濃厚な感じでワイン好きな友だちを呼んで楽しみます。

会場にはフランスの生産者も訪れ、ことしは天候に恵まれたことから、完熟したぶどうの濃厚な味わいが特徴だと説明していました。

この店では、750ミリリットル入りの主力商品の税抜きの販売価格が、去年(2022年)は5000円でしたが、ことしは3580円とおよそ3割引き下げました。

新型コロナの影響などで減っていた輸送に使う旅客機の運航数が、去年より増えたことなどにより、輸送コストを削減できたことが主な理由ですが、おととし(2021年)と比べると円安などの影響で販売価格は200円高くなっています。

去年より値下がりの背景は?

国際物流に詳しい拓殖大学の松田琢磨教授によりますと、航空貨物のおよそ半数は旅客機で運ばれるということです。旅客機の運航数は新型コロナの影響で大幅に減っていましたが、ことしは航空需要の回復に伴って運航数が増えたため、旅客機による輸送の枠が増えたということです。

これに対し、日本に向けた航空貨物の需要は円安の影響で高まりにくい状況にあるとして、輸送費が引き下げられる傾向にあるということです。

日本洋酒輸入協会によりますと、ことしのボージョレ・ヌーボーの販売価格は、輸送費の引き下げによって去年より平均で1割から2割ほど値下がりしているものの、ボトルやラベルなどの資材費などが上がっているため、おととしよりは割高な水準にあるということです。

小売店や輸入業者では販売を強化する動き

16日に解禁された「ボージョレ・ヌーボー」。
ことしは、新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行されてから初めての解禁となり、小売店や輸入業者ではコロナ禍で落ち込んでいた需要の拡大を見込んでいます。

このうち、大手デパート高島屋の横浜市内の店舗ではボージョレ・ヌーボーの専門コーナーを設け、去年と比べ店頭に並ぶ商品の種類を2倍に増やしたほか、在庫の本数を15%ほど増やしたということです。

高島屋横浜店 斎藤謙司さん
「コロナ禍が明けて、パーティー需要も増える中、今回の新酒をたくさんのお客様に楽しんでいただけることを期待しています」

その他各社の動き

ことしのボージョレ・ヌーボーをめぐっては、大手の輸入元のサントリーや、流通大手のイオンも、去年より仕入れの量を増やし、販売価格については、航空貨物の輸送の枠が回復し空輸のコストが下がったとして、いずれも、去年よりやや値下げしています。

それでも円安などで、輸入コストが全般に高止まりしている影響などから、各社とも2021年に比べると、依然、割高な水準だということです。

国産ワインの新酒も人気高まる

ボージョレ・ヌーボーの販売が解禁されましたが、国産ワインの新酒も人気が高まっています。

このうち、東京・江東区のワイナリーは、飲食店などに酒を卸している渋谷区の企業と共同で新たなワインを開発し、11月11日から販売を始めています。

新たなワインは、山形県で生産されたぶどう、「デラウエア」を使って製造されていて、鮮やかなオレンジ色が特徴です。

「オレンジワイン」は、通常の白いワインでは取り除く、ぶどうの皮や種を果汁と一緒に熟成させることで皮の色がうつり、オレンジ色になるワインです。
 

新型コロナの感染症法上の位置づけが5類に移行し、飲食店などで酒を楽しむ人が増える中、会社によりますと、地元で製造されたワインを通じて地域経済の活性化につなげたいと考えたとしています。

ラベルには、マスクが欠かせなかった時期を乗り越え、東京の街ににぎわいが戻っている様子も描かれています。

ワイナリーの金子誉幸さん
「ぶどう本来の味わいがダイレクトに伝わる仕上がりになりました。このワインをきっかけにワインを楽しむ人たちを増やしたいです」

ワインを卸している会社の森田真衣さん
「『これからの東京がこうあってほしい』というアイデアから今回のワインをつくりました。コロナで打撃を受けた飲食店を盛り上げることができたらうれしいです」

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