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  • 2023年4月11日

「ChatGPT」開発企業アルトマンCEOの考えは 期待と懸念 規制には

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「ChatGPT」は、社会や企業活動を大きく変革する可能性がある技術として期待される一方、教育や雇用などへの影響を懸念する声も出ています。開発したアメリカの企業、「オープンAI」のサム・アルトマンCEOが来日し、NHKの単独インタビューに応じました。このテクノロジーについてアルトマン氏が語った内容です。

「ChatGPT」広がる利用 一方で懸念も

対話式AI「ChatGPT」はAI=人工知能の研究開発を行っているアメリカの「オープンAI」というベンチャー企業が開発し、人間のように自然な受け答えができる高度な性能を備え、世界で急速に利用が広がっています。

国内でも急速に利用が広がり、社会や企業活動を大きく変革する可能性がある技術として期待される一方、教育や雇用などへの影響を懸念する声も出ています。

サム・アルトマンCEO 岸田総理大臣と面会

「ChatGPT」を開発した「オープンAI」のサム・アルトマンCEOは11日午前、総理大臣官邸を訪れて、岸田総理大臣と面会しました。 
面会のあとアルトマン氏は記者団に対し「とてもいい面会だった。岸田総理大臣とは、AI技術の長所とともに、欠点をどう軽減していくかについて話し合った」と述べました。

また岸田総理大臣は、総理大臣官邸を出る際、記者団に対し「新しい技術が登場し、利用されている一方、プライバシーや著作権といったリスクも指摘されているという状況について意見交換した。合わせて国際的なルールづくりについてもどのように考えるか、意見交換した」と述べました。

CEOが語る「ChatGPT」 社会への影響は

「オープンAI」のサム・アルトマンCEOは、「ChatGPT」を2022年11月に公開した後の初めての訪問国として日本を訪れ、10日、NHKの単独インタビューに応じました。 
この中でアルトマン氏は『ChatGPT』が社会に与える影響や日本について次のように述べました。

「オープンAI」 サム・アルトマンCEO 
「新しいテクノロジーが登場すると、今日では想像できない方法で私たちすべての生活の質を向上させることができる。このテクノロジーがすべての製品やサービスに組み込まれることで人類の創造的な発信は何倍にもなると思う。(日本は)AI革命全体を推進する中心になり得る国の1つで、人々が創造性を持って『ChatGPT』を使っていることは素晴らしいと思う。日本のすぐれたエンジニアや研究者と協力し、日本を主要な市場の1つにしたい」

“教室で禁止するべきではない”

「ChatGPT」は、まるで人間が書いたかのような自然な文章を作成でき、リポートや論文なども簡単に作成できてしまうことから教育現場への影響を懸念する声があります。

京都大学では、4月7日に行われた入学式で湊長博学長が「AIによる文章作成には誤った情報が含まれるリスクがある」などと指摘、「自ら『文章を書く』ということに伴う重要な検証プロセスが欠けている」などと話しました。

また東京大学は、学内向けのホームページで、副学長名で見解を発表し、「学位やレポートについては学生本人が作成することを前提としているので、生成系AIのみを用いて作成することはできない」などとしています。

さらに東北大学では「未発表の論文や秘密にすべき情報を入力してしまうと、意図せず漏えいしてしまう可能性がある」などとする、注意喚起を行っています。

「ChatGPT」などのAIを巡っては、文部科学省も、今後、学校現場での取り扱いを示す資料を作成する方針です。

サム・アルトマンCEO 
「『ChatGPT』は教育を破壊するという指摘もあるが、教室で禁止すべきではないと思う。子どもも大人も新しいツールを使用すれば新しい方法で学ぶことができる。電卓が登場した時のようにその使い道を考えるべきだ」

“計り知れないメリットとデメリット”

AIの進化が人類の危機を招くのではないかという懸念についてアルトマン氏は「ほとんどのテクノロジーは、計り知れないメリットとデメリットの双方がある。産業革命が起きた時代にも同じようなことが言われていた。AIは私たちの創造性を高めるもので、とって代わるものではない」と指摘しました。

また、イタリアが個人情報保護の問題で一時、使用を禁止するなど「ChatGPT」を規制する動きが出ていることについては、「リスクを軽減するために、AIの一定の規制は必要で、政府と話し合うことは非常に重要だと思う」と述べ、AIのテクノロジーは、発展するほど規制が必要になるという認識を示しました。

松野官房長官 “政府として必要な検討を行う”

この「ChatGPT」について、松野官房長官は、10日午前の記者会見で、情報漏えいの懸念などが解消されれば、国家公務員の業務負担を軽減するための活用の可能性を検討する考えを示しました。

松野官房長官 
「『チャットGPT』に限らず、昨今のAI=人工知能をめぐる技術革新は、さまざまな利点がある一方、新たな課題が生じるとの見方もある。政府としては、引き続き関係省庁で連携し、AIに関する動向の把握に努めつつ、機密情報の取り扱いや情報漏えいの懸念への対応についても必要な検討を行う。その上で懸念点が解消された場合は、国家公務員の業務負担を軽減するための活用の可能性などを検討していきたい」

日本に事業拠点を設ける意向

アルトマン氏は10日午後、自民党の「デジタル社会推進本部」の会合に出席しました。出席者によりますと、会合の中でアルトマン氏は日本に事業拠点を新たに設ける意向を明らかにしたということです。

サム・アルトマンCEO(会合後 記者団に) 
「日本でいくつかの作業をスタートさせ、『チャットGPT』を日本語、日本文化にあわせたよりよいモデルにしたい。日本の研究者とも連携したい。数か月後にまた日本に来る予定だ」

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