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サブスクリプションとは?新生活で家電・家具 放置自転車の問題解決にも

  • 2023年4月10日

「学費も下宿代もあって家計が火の車」
「新生活で必要なものとかそろえていたらお金が・・・」

物価が高騰する中、入社や入学などの新生活が始まり、家電や家具をそろえるのを苦労する方も多いと思います。
こうした中、レンタルや一定の費用でサービスを継続的に使うサブスク=サブスクリプションがいっそう広がりを見せています。

家電や家具のレンタルが盛況

全国で家電や家具をレンタルしている会社には、3月以降、入社や入学などで、新生活を始めた人からの注文が相次いでいます。

配送は多い日で1日1000件以上にのぼっていて、埼玉県羽生市の物流倉庫では配送用のトラックへの積み込み作業が行われていました。会社によりますと、去年8月からの年間の売り上げは創業した昭和56年(1981年)以来、最高となる見込みです。

“高価な家具や家電も”

ニーズが高いのは冷蔵庫と洗濯機、それに電子レンジの3点セットで新型コロナウイルスの影響で採用や異動を控えていた企業が新入社員を増やしたり、異動を活発化させたりしていることが背景にあるとみています。

さらに、最近の特徴として、大型の冷蔵庫やドラム式の洗濯機、大きなソファーなど、大型の家電や家具への注文が増えているということです。

いわゆる「白物家電」の値上げを背景に高額な家電や家具は購入ではなく、レンタルを選ぶ人が多いとみています。

株式会社サークランド 渡辺重文営業部部長
「法人の動きは去年、おととしに比べてかなり活発化している。レンタルのサービスは認知されてきており、需要は今後も高まっていくと思う」

放置自転車に悩む大学

「サブスク」の認知度の高まりを受け、社会問題の解決につなげようという動きも始まっています。

茨城県の筑波大学はキャンパスが広く、構内を移動するのにも徒歩では時間がかかります。大学によりますと、通学や構内の移動に自転車を利用する学生はおよそ7割だということですが、この時期、頭を悩ませていたのが卒業生がキャンパス内に放置する自転車です。

自転車は一般的に処分には費用がかかることから卒業する際に大学内に放置される自転車があとを絶たず、大学によりますと、例年1000台前後にのぼっていました。

これまでは大学が回収し廃棄処分していましたが、経費が年間100万円ほどかかるほか手間やイメージの悪化から、大学全体の課題となっていました。

“サブスク”で問題解決

「放置自転車を整備して貸し出すことはできないか」
大学の職員の中からサブスクのアイデアが出されました。

懸案だった自転車店の運営を名乗り出たのは職員の1人だった矢部玲奈さん。
実家が自転車店でもあったことから大学近くに新たに自転車店をオープン。この春、大学と共同でサービスをスタートさせました。

学内で自転車を利用する際には登録が必要となっていて、その際、「1か月以上放置した自転車は所有権が大学に移る」という誓約書にサインしてもらいます。

盗難されていないか確認した上で無償で自転車店に譲渡。自転車店は、安全に乗れるように整備し、貸し出します。

卒業などで契約を終了する際には、店舗への返却が必要となることから放置自転車が減ると期待されるのです。

自転車はタイヤやワイヤーなどは必要があれば取り替えられていて、1か月500円。途中で借り換えも可能です。

反響は予想を上回り、初回のおよそ150台に対し新入生や留学生およそ250人から応募がありました。

6日は留学生40人に引き渡しが行われ、留学生たちはデザインや乗り心地から借りる自転車を決めていきました。

インドネシアからの留学生

5か月の予定なので、レンタルのほうが安いと思い利用しました。

マレーシア
からの留学生

留学生にとっては、とても便利で良いサービスだと思います。

「CycleChicつくば店」矢部玲奈店長
「放置自転車には4年間しか使われていないものも多く、捨てるのはもったいないと感じていた。同じ問題が起きているほかの地域や大学にも活動を広めていきたい」

自転車店や大学は、今後、クロスバイクなどスポーツタイプの自転車の貸し出しも進めたいとしていて「サブスク」の拡大で放置自転車の減少につながることを期待しています。

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