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物価高 制服やランドセル値上がりにどう対応 リユースやサブスクも

  • 2023年3月6日

卒業・入学のシーズンを迎える中、物価高の影響は、制服にも及んでいます。学生服はこの10年、値上がりを続けていて、総務省の「小売物価統計調査」を基に算出すると男子用も女子用も20%以上、10年前より値上がりしています。値上がりの背景や、それに対応しようとする動きについてまとめました。

制服販売店に聞く原材料費や輸送費の状況

全国に5店舗を展開する制服専門の販売店は、ブレザーやスカート、カーディガンなどおよそ10万点の商品を取り扱っています。

店によりますと、新型コロナや円安、ロシアによる軍事侵攻などの影響で、原材料費や輸送費が高騰していて、この3年間で、ブレザー1着に使うウール生地の価格がおよそ700円上がったほか、輸入の際に使うコンテナ1つあたりの代金もおよそ15万円上がったということです。

店では海外での生産拠点を見直すなどコスト削減を続けてきましたが、企業努力だけではまかないきれず、去年9月(2022年)から、一部の商品の販売価格をおよそ5%から15%値上げしたということです。

制服販売店を運営する相浦孝行社長
「こんなに一気に値上げが進む状況は初めてです。できる限り手ごろな価格で届けたいと思っていましたが、価格を上げざるを得ない状況になってしまい残念で申し訳ない気持ちです。生産にかかるコストを削減するために努力していきたい」

リユース品 “新品価格の3分の1から半額”

学生服の価格が上がる中で、SDGsの観点からも注目されているのが、「リユース」です。
千葉県市川市にあるリユース店では、元の卒業生から買い取った制服や体操着などを、クリーニングしたりほつれを直したりして販売しています。

制服の場合、価格は新品の3分の1から半額ほどに抑えられるということです。例えば、新品だとおよそ2万円のブレザーは7700円で販売しています。

新品じゃなくても、きれいですし、リユース品でも気にしないです。コロナ禍であまり使われていない制服はリサイクルした方がいいと思います。

母親

塾とか習い事とかやりたいことにお金を使いたいので、優先順位を考えた上でやりたい。自分の目標にお金を使ってこういうところでちょっと節約する。

店によりますと、ことしは、去年の同じ時期に比べて、来店者数は1.7倍、売り上げはおよそ2倍に増えています。

店を経営する石垣瑠美さん
「自分の子育ての経験から学校生活にかかる費用を少しでも抑えられる仕組みが必要だと思いました。新品の価格が高いことに驚いて、リユース品を検討する人もいます。教育費がかさむ中、制服の値段も上がっているのが、来店者が増えている理由の1つだと思います」

サブスクでランドセル どんな仕組み?

ラドセルも値上がりが続いています。かばんメーカーでつくる「日本鞄協会ランドセル工業会」が行ったアンケートによりますと、4年前の2019年4月に入学した児童の購入価格は平均で5万2300円でしたが、去年4月に入学した児童の購入価格は平均で5万6425円でした。

こうした中、SNSなどで話題になっているのが、定額で好きなランドセルを選べるいわゆる「サブスクリプション」です。

大阪のランドセルメーカーが2月から始めたサービスでは、最も安いプランでは1か月990円で50種類のランドセルを選ぶことができます。さらに、3か月に1回、別のランドセルに交換できます。SNSでは次のような意見が見られました。

 

長く大切に使うことを教えるのも大事では。

 

好きな色は変わるし、高学年になると使わなくなるからいいかも。

利用中、気に入ればそのまま買い取ることができるほか、3年間同じプランを継続して利用すればプレゼントされます。
サービス開始からおよそ2週間で200件ほどの申し込みがあり、2つ目のランドセルとして選ぶ利用者もいるということです。

ランドセルメーカー 庄山理恵専務取締役
「サブスクリプションなら子どもの成長や好みなど、環境に合わせてそのときに一番好きなランドセルを選べるので、購入する際の選択肢の1つになればいいと思う」

学生服の価格 10年で20%余の値上がり

学生服のこの10年の価格の推移について、総務省の「小売物価統計調査」を基に算出したところ、全国の都道府県での学生服の平均価格は、10年前の2013年1月時点で男子用が3万407円、女子用が2万9055円でした。
その後、価格は上昇傾向が続き、ことし1月時点では、男子用が3万6976円と10年前に比べて21.6%、女子用が3万5774円と10年前に比べて23.1%値上がりしています。

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