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明治神宮外苑の再開発 認可で工事どうなる イチョウ並木への影響は

  • 2023年2月17日

明治神宮外苑の再開発について東京都は、環境アセスメントの手続きが終了していた再開発事業を認可しました。この事業をめぐっては名所のイチョウ並木への影響を懸念する声があがっているほか、都の審議会では影響調査が不十分と指摘されています。工事の計画はどうなっているのか、これまでの経緯とあわせまとめました。

疑問の声が 明治神宮外苑の再開発計画

東京・新宿区などにまたがる明治神宮外苑の再開発をめぐり、事業者は743本の樹木を伐採する計画を示す一方、名所のイチョウ並木については保全するとしています。

これについて、専門家などからは伐採本数や保全方法などについて疑問の声が上がっています。また、超党派の国会議員による議員連盟は、計画の見直しを求める決議書を都に提出していて、決議書では「樹木の大量伐採やイチョウ並木の枯死の危機、高層ビルによる景観の破壊など懸念される内容が数多く含まれている」と指摘しています。

公示された事業者の着工届の内容は

この再開発について東京都は、環境アセスメントの手続きが終了したことを受けて1月30日、事業者から提出された着工届を公示しました。それによりますと、工事着手予定日は1月30日、完了予定日は12年後の2035年11月30日となっています。

再開発を行う三井不動産によりますと、今後、解体される神宮第二球場などの周辺で仮囲いの設置作業を始めたということで、都が再開発事業として認可すれば解体などの本格的な工事が可能となります。

現時点では認可を出さないよう求める要望書

これに対し、建築家などでつくる団体は2月7日、再開発が与える周囲への影響は大きいとして、現時点で必要な認可を出さないよう求める要望書を都に提出したことを公表しました。また、全体の事業計画の詳細について情報公開を行うよう事業者に要望することも求めています。

新建築家技術者集団東京支部 若山徹 一級建築士
「イチョウ並木が保全できるのかなど、環境に関する審議がまだ続いているなかで認可が行われるのはおかしい」

再開発事業として都が認可 工事計画は

そして都は2月17日、再開発事業として認可し、現在ある施設の解体工事が始まることになりました。17日の午前10時ごろ、解体される予定の神宮第二球場では、重機がグラウンドの土を掘り起こしていました。

事業者による都への説明では新しい建物の建設工事は2024年度から始まり、工事は2035年度に完了する計画で、総事業費はおよそ3490億円だということです。

名所のイチョウ並木への影響は

再開発をめぐっては、文化財の保護に取り組むユネスコの日本国内の諮問機関「日本イコモス国内委員会」が、計画通りの場所に新しい神宮球場が建てられれば、名所のイチョウ並木が枯れるなどとして懸念を示しています。
事業者はイチョウ並木を保全するとしていますが、これまでの都の審議会では影響調査が不十分と指摘されていて、2023年の春以降、改めて審議される予定です。

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