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明治神宮外苑の再開発計画が明らかに まちの姿はどう変わる?

  • 2022年5月20日

夏は花火、秋はイチョウ並木。野球やラグビーなどのスポーツも楽しめる明治神宮外苑。
大正15年に建設され、歴史ある町並みを保持してきたこの地域が、再開発によってその姿を大きく変えようとしています。
一方で、樹木が伐採されることについての反対の声もあがっているこの開発。緑豊かな都心の人気エリアは、どう変わっていくのでしょうか。
(首都圏局/ディレクター 御巫清英・大淵光彦 記者 尾垣和幸)

明らかになった再開発後の姿

今回の再開発は、明治神宮外苑の土地のほとんどを所有する明治神宮と、三井不動産、伊藤忠商事、日本スポーツ振興センターが計画しています。
この地区は公園としての機能も有していることなどから、再開発には東京都の審査を受ける必要があります。
事業者や東京都の資料から、再開発後の具体的なまちの姿が明らかになってきました。

スポーツの“聖地”が様変わり

メインは、老朽化した神宮球場と秩父宮ラグビー場の建て替えになります。
ただ、プロ野球などの試合を継続させるために、建設場所を入れ替えながら開発は行われます。

神宮球場】
まず、神宮球場
現在の場所から、イチョウ並木のすぐ側に場所を移します。

ライトスタンドはイチョウ並木のすぐ目の前に。並木と同じ高さの約25mまで達する見通しです。

バックネット裏には、地上14階建てのホテル棟が建設され、歴史ある神宮球場はその姿を大きく変えることになります。

秩父宮ラグビー場】
次に、秩父宮ラグビー場です。

現在、神宮球場と神宮第二球場があるあたりに場所を移します。国立競技場よりも10mほど高い、約55mのドーム型スタジアムに生まれ変わります。
 

ドーム型になる秩父宮ラグビー場(左)と軟式野球場跡のテニスコート(手前)

軟式野球場】

そして、イチョウ並木の奥、6面ある軟式野球場は70年にわたって草野球の愛好家に親しまれ、「聖地」と呼ばれてきましたが、会員制のテニスコートに変わる予定です。
計画では屋外テニスコートと、高さ15mの屋内テニス場も作られます。

高層ビル建設 オフィスやホテルに

そして、新たに高層ビル3棟が建設されます。

現在、伊藤忠商事が所有するおよそ90mのビルが建っていますが、これが地上38階建て、190mのビルに建て替えられ、オフィスなどに利用されます。

秩父宮ラグビー場や事務所があった場所には、地上40階建て、185mのビルが新たに建設。こちらもオフィスなどに利用される見込みです。

そして、いまの神宮球場の内野席のあたりは、宿泊施設やスポーツ関連施設が入った80mの建物になる予定です。

外苑の“憩いの緑”はどう変わる?

神宮外苑といえば、イチョウ並木をはじめとした豊かな自然です。
今回の再開発によって、神宮外苑の自然はどう変わるのでしょうか。

まず、絵画館に向かってまっすぐのびる4列のイチョウ並木、およそ300mは、現在のまま維持されます。ただ、秩父宮ラグビー場に続く横道に生える18本のイチョウは、伐採されるか植え替えられる可能性があります。

他にも、国立競技場前の樹木が生い茂る区画や、軟式野球場の周囲を囲っていた樹木が伐採されるおそれがあります。

こちらが、ことし1月に明らかになった樹木の伐採の具体的な計画です。
 

赤い点が伐採樹木

神宮外苑の一帯には高さ3mを越える樹木が約1900本あり、その多くが、樹齢100年を越えるとみられています。
このうち、約900本が伐採、または植え替えられる可能性があります。
一方で、計画では新たに979本の樹木を植える予定となっていて、伐採される数を差し引いても、約70本ほど樹木は増えるとしています。

ただ、歴史ある樹木が伐採されることに、一部の住民や専門家からは反対する声が上がっています。

いつから始まる?

再開発に伴う都市計画の変更は、ことし2月の東京都の都市計画審議会で承認され、3月に東京都知事が決定しました。これによって、建設可能となる建物の規模や高さなどが決まり、計画の大枠が固まりました。
現在は、環境への影響について議論が進められていて、6月に東京都知事が事業者に対して意見書を出す予定です。

事業者の計画では、今年中に解体工事を始める予定となっています。
まずは、神宮第二球場を解体し、2024年から新ラグビー場を建設開始。その後、秩父宮ラグビー場を解体して、2028年ごろから新神宮球場の建設開始。2032年ごろの完成を目指します。

新球場ができあがったあとに、現在の神宮球場は取り壊されて新ラグビー場が完成する予定で、一帯の再開発が終わるのは2036年ごろになる見通しです。

  • 御巫清英

    首都圏局 ディレクター

    御巫清英

    2010年入局。2021年から首都圏局。 高校生のころ、神宮球場でドリンクの売り子のアルバイトをしていました。

  • 大淵光彦

    首都圏局 ディレクター

    大淵光彦

    1998年入局。報道局おはよう日本を経て2021年から首都圏局。ヘイトスピーチやネットの誹謗中傷など、人権にかかわる企画を制作。

  • 尾垣和幸

    首都圏局 記者

    尾垣和幸

    都庁担当 東京オリンピック・パラリンピック競技会場のレガシー活用などを取材。神宮球場にはプロ野球観戦で足繁く通う。

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