5月にかけて見ごろを迎えるバラ!
「見て・かいで・アレンジして」
バラをとことん楽しむポイントをご紹介!!
東京練馬区・光が丘にある「四季の香(かおり)ローズガーデン」。
2016年に開園したこのガーデンは、公園の一部にあり、337品種・約580本(2024年4月現在)ものバラが無料で見られるんです。
ガーデンが最も華やぐのは5月中旬ごろ。4月下旬から少しずつ早咲きのバラが咲き始めています。専属のガーデナーが毎日丁寧に管理しているので、いつ行ってもバラをはじめとするさまざまな植物が迎えてくれます。
バラの香り比べやガーデンツアーなど、バラを楽しむさまざまなイベントを楽しめます。
https://www.shikinokaori-rose-garden.com/news/5787/
5月26日(日)まで。
・入場無料/午前9時~午後6時/期間中無休(通常は火曜休園・閉園午後5時)
・練馬区光が丘5-2-6
・問い合わせ:03-6904-2061
・都営地下鉄大江戸線「光が丘駅」下車(A4出口)徒歩6分程
駅から出ると案内板が道なりに設置してあります。看板をたどりながらお出かけしてみては。
きれいなバラを見たら、スマートフォンで撮ってみんなにシェアしたい!
今回は、いつもの写真とはちょっと違う、何度も見たくなる写真の撮り方をご紹介。
教えていただくのは、練馬区在住でガーデンに咲く四季折々の植物写を撮っているカメラマンの安島太佳由さんです。
漠然と花の写真を撮るんではなく気持ちを込めて撮る!まず主役を決めて、さらにその主役を生かすための脇役を決めて、自分の中で物語を考えて撮っていきましょう。
たくさんの中から主役を決めるには?
安島さんが以前撮影したヤグルマギクを例にしてみると、一本だけ丈の長い花が。その一本のヤグルマギクから、安島さんはこのようなことを感じたといいます。
“目立ちたい!”という気持ちが花にあるんじゃないかと私は感じました。
同じように見えてる花でもそれぞれ主張しているんです。そういうところを見てあげてください。
つまり、気になった花の思いや物語を自分なりに考えることで、その花の存在感を際立たせることができるんです!
写真は空間芸術ともいわれています。空間の中で、主役と脇役をうまく画面構成することによって、もっといい写真になっていきます。
安島さんが撮ったビオラを例にすると、チューリップの葉が脇役で主役のビオラは端に配置。
周りに仲間がいるのかなとかイメージが膨らみますね。
さみしそうに“僕を見て”というような思いが伝わってきた。(空間を作ることで)そういったことを想像させる。できるだけ真ん中ではなく『端っこ』。空間をうまく利用して撮ることが、写真ステップアップの要因にもなります。
撮影する姿勢も少し変えるだけで、花の魅力を引き出すことができるといいます。
花と会話するようにするために自分の目線を下げる。上から目線ではなく横から。愛情を持って撮っていくといい写真が撮れると思います。
アドバイスをもらい、主役のバラを中心から外し「緑の中でかくれんぼ」という物語をイメージして撮影した髙橋の一枚がこちら。なんとな~く撮った写真から、想像が広がるような一枚に近づけた…ような気がします。
中心から主役をずらすことによって、自分で言うのもなんですけど奥行きがある感じがしませんか。
しますし、かくれんぼをしている様子がよく伝わってきます。
さらにスマホ機能の活用術もご紹介!そのひとつ「ポートレートモード」です。※機種によってついていないものもあります。この機能を使うと、背景がぼけてメインの花が印象深くなるんだそうです。
安島さんは、さっそくそのポートレートモードで撮影。その一枚がこちら!
安島さんは、つぼみを主役にして未来に向かって花開いていくというストーリーを写真に込めました。
写真には正解がありません。こう撮らなければならない。こうしなければならないというものがありません。皆さんがそれぞれ自分らしく個性を持って、花と接していただきながら、花に愛情を持って撮っていただく。それが一番大事なことだと思います。
【さらに素敵な写真を撮るために!安島さんの豆知識】
1:撮影時間 朝や夕方のやわらかな光・斜光がおすすめ。
2:日傘を活用 日ざしが強いと葉っぱが白く写ってしまう。日傘などを使って光をおさえ、スマートフォンの露出機能を使って明るさを調整。
香りはバラの魅力のひとつ。四季の香りローズガーデンでも、6種の香りごとにコーナーを分けてバラを配置して、香りの違いを楽しめるようにしています。
思わずクンクンしたくなるんですが、実はかぎ方にもコツが!
バラの専門誌編集長、玉置一裕さんが実践する、バラならではのエレガントなかぎ方がこちら
バラの楽しみ方、締めくくりはアレンジ。5月といえば母の日(ことしは5月12日)。華やかで、色・形も豊富なバラがメインの贈り物に挑戦してみませんか。手軽に出来てかわいいアレンジメントを、四季の香ローズガーデンのガーデナー・常岡美希さんに教えてもらいました。
【用意する材料とお花】
お好みの器に漏れを防ぐためのセロハンをしき、生花用の給水させたスポンジをセット。
最近では100円ショップでも手軽に手に入りますよ。
使う花は、スプレータイプのバラ。これがポイント!
スプレーというのは枝分かれという意味になります。花がいっぱいついているので、1輪のものもいいですが、一本でたくさん使えてお得かと思います。
トゲは売り場でとってあることが多いですが、残っていたらはさみで取り除きましょう。
バラの葉っぱを切り取って使用します。
バラの葉っぱは捨てずに使うんですね!
バラの葉も活用!茎をななめに切ると、断面の面積が広くなり水を吸い上げやすく長持ちしますよ。
さらに、ローズゼラニウム・モヒートミント・ローズマリーのハーブ類を加えます。
種類ごとに三角形になるよう入れていくと、均等にバランスよく入り、ボリュームあるベースができます。
ハーブは入れている際も香りがよく癒やされます。
作っている時も楽しいし、もらった時もずっと香りも楽しめるっていいですね。
主役のバラを真ん中にさすんですが、その前に大事なポイントが茎の個性をよく見ること。
2輪のバラの茎。まっすぐなものと少し曲がっている違いがあります。
真ん中に刺すバラは斜めになっているものより少しまっすぐめの方がさしやすい。
そして花の形。一番きれいに見える位置を探して、その向きが飾ったときに正面にくるようさします。
お花はみんな表情があります。枝をくるくるとまわして、ここがかわいいなっていう場所を見つけます。
茎が曲がっていたもう一輪は、最初のバラより短く切って手前に入れて、淡い色のスプレーバラも3輪加えて優しい雰囲気に。最初に入れたバラを頂上として、全体がふんわりとした山になるようにさしていきます。
バラをさしたら、ポイントにスプレーカーネーションをプラス!少量でも母の日らしさがアップします。
花をすべて入れたら、さらにすてきに仕上げるコツが。
最初に使った残りのグリーンを隙間に入れてあげると、ギュウギュウにならず空気感がある仕上がりになります。
すき間にハーブやバラの葉を入れれば、30分程で華やかでさわやかなアレンジメントができました!
お母さんやお世話になっている方へ、バラの贈り物はいかがでしょうか。長持ちさせるポイントはこちら。
【編集後記】
練馬区の四季の香ローズガーデンに初めて訪れたとき「こんな場所があったなんて!」と驚きでした。
取材で何度か伺い、その度に専属のガーデナーの皆さんが強い日差しの中、枯れたお花や雑草を取り除くなど丁寧に作業をされていました。こんなにきれいな植物を楽しめるのは、ガーデナーの方々の丁寧なお仕事と植物に対する愛情からなのだと改めて感じました。
そんなガーデンを代表するバラをぜひご紹介!その名も「四季の香(かおり)」。ガーデンが拡張された際に植えられたバラで、木漏れ日の温かい光を表現していて、公園がある光が丘の街をイメージして作られたそうです。私が伺ったときは、つぼみの間からうっすらと色づいている花びらが。満開の時期が楽しみです。
(ひるまえほっと/リポーター 髙橋香央里)