中江有里さんが司書を務めるひるまえ図書館がついに開館!
この図書館は、視聴者から街行く方まで、本を愛するみなさんでつくる図書館です。
あなたのとっておきの一冊を集めた「みんなの本棚」や、中江さんによる「新刊ブックレビュー」。視聴者のこんな本を読みたい!に応えて中江さんが選ぶ「コンシェルジュコーナー」など、さまざまな角度から素敵な本との出会いをお届けします。
●『強運の持ち主』
著者:瀬尾まいこ
出版社:文春文庫
★おすすめコメント
読んだら心が軽くなる。それぞれ色んな人生があるよね、と思えた。
●『MR』
著者:久坂部羊
出版社:幻冬舎
★おすすめコメント
製薬会社と病院、患者の三つどもえ戦がおもしろい!
●『継母の心得』
著者:トール
出版社:アルファポリス
★おすすめコメント
かるい気持ちで読めるのがいい!
●『マチルダは小さな大天才』
著者:ロアルド・ダール
絵:クェンティン・ブレイク
訳:宮下嶺夫
出版社:評論社
★おすすめポイント
意地悪な校長先生に生徒が仕返しをする様子がおもしろい!
●『ただいま神様当番』
著者:青山美智子
出版社:宝島社
★おすすめポイント
いつも不満ばかりの自分ですが、神様当番になることで幸せが身近にあることを教えられた。
●『母よ嘆くなかれ[新訳版]』
著者:パール・バック
出版社:法政大学出版局
★おすすめポイント
世界的に有名な作家にこのような人生があったのかと衝撃を受けた。
●『アルプス席の母』
著者:早見和真
出版社:小学館
【あらすじ】
高校球児を支える母親の物語です。主人公は、神奈川で看護師をしながら一人息子を育てる秋山菜々子。息子・航太郎には関東一円からスカウトが来ていましたが、選んだのはとある大阪の新しい学校。
息子と共に大阪に拠点を移した菜々子が、野球部父母会のいびつさや献金など、さまざまな問題にぶつかります。球児を支える親のリアルが描かれています。
★Yuri’s Point「理不尽さを飲み込む」
子どもがスポーツをやるには親のバックアップが必要です。見守り当番やお茶当番などさまざまですが、甲子園を目指す子を持つ親の苦労は想像を絶するものがあります。
選び抜かれた子どもたちが進学した先でまたふるいにかけられる軋轢。その子がスターであればあるほど、本人だけでなく親にもそのプレッシャーはかかってきます。でも親は誰より息子を心配しながらも、見守ることしかできないのです。
子は自分のことでいっぱいいっぱいですが、親はずっと子の心配をしています。この本を読んで改めて親の思いに気づかされ、菜々子と航太朗の何ものにも代えがたい濃密な3年間を自分もそばでみているような気持ちになりました。
わくわくするような本が読みたい!
●『人間はいろいろな問題についてどう考えていけば良いのか』
著者:森博嗣
出版社:新潮新書
★Yuri’s Point
本を読むことは情報を得ることもできるけど、もっと大事なのはものの考え方を変えてくれること。親御さんが「子どもだけにはちゃんと学ばせたい」と言われることがあるが、「自分にできないことが子どもにできるわけがない」と考える方が現実的。
ではどうするか、その答えは読んで確かめてください。
一気に読めるおもしろいミステリーが読みたい!
●『春にして君を離れ』
著者:アガサ・クリスティー
訳:中村妙子
出版社:早川書房
★Yuri’s Point
名探偵ポアロシリーズなどのミステリーを生んだアガサ・クリスティーの「人が死なない」ミステリー。主人公の女性は理想の家庭を築き上げた、ある意味の成功者に見える。主人公に共感するか否か、読み手の感覚があらわれる。幸せの価値観、人生の苦悩、夫婦間のすれ違い、子どもとの関係、かつての同級生など、普遍的な人間関係が一番謎めいている、と怖くなります。
【案内人】
☆俳優・作家・歌手 中江有里さん
1973年大阪生まれ。1989年芸能界デビュー。
数多くのTVドラマ、映画に出演。02年「納豆ウドン」で第23回「NHK大阪ラジオドラマ脚本懸賞」で最高賞受賞。NHK-BS『週刊ブックレビュー』で長年司会を務めた。NHK朝の連続テレビ小説『走らんか!』ヒロイン、映画『学校』、『風の歌が聴きたい』などに出演。
近著に『万葉と沙羅』(文藝春秋)、『残りものには、過去がある』(新潮文庫)、『水の月』(潮出版社)など。
文化庁文化審議会委員。2019年より歌手活動再開。