ずんだの由来を教えて!

今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!

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ゆでた枝豆をすり潰して作る「ずんだ」。
お餅をはじめ、今では様々な”ずんだスイーツ”が誕生していますよね。

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宮城県民には馴染み深い「ずんだ」の魅力を再発見してきました!


名前の由来は?

宮城の郷土食に詳しい佐藤 敏悦さんにお話を伺いました。

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「ずんだ」の由来は、「豆を打つ」の「豆打(づだ)」や、伊達政宗が陣太刀(じんだち)の柄で豆を潰したとの伝説からきた「陣太(じんだ)」がなまって「ずんだ」になったなど、様々な説があります。

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その中で、佐藤さんが有力と考える語源がこちら。

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佐藤さん
「ぬかみそのことを『じんだ』と呼んだ記録があるんですよ。昔は。
ぬかみその形状がずんだに似ていると。
それが今のずんだの元だという説もある。」


いつから食べられてるの?

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安藤さん
「そもそもずんだはいつごろから食べられているのでしょうか?」
佐藤さん
「餅に絡める甘いずんだのあん。
これは、記録として残っているのは幕末なんですよ。
ただし甘くないずんだというのがあって、それはもっと前からあるんです。」


それを示す貴重な資料があります。
江戸中期の仙台藩の料理人が記した「料理集」です。

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その中のナス料理の説明の中に「ずんだあえ」の記述が。
ナスをずんだとあえる料理があったことを意味しています。

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佐藤さん
「砂糖が出回るようになるのは幕末から明治にかけて。
そのころになってようやく砂糖を入れた甘いずんだ餅が出てくるようにる。」

幕末に、現在の仙台市青葉区愛子に住んでいた農家の食の記録には、旧暦のお盆にあたる7月15日にずんだもちを食べたと記されています。

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佐藤さん
「お盆の時にご先祖様が戻ってきますよね。
そして15日にお帰りになる。
お帰りになるときにお餅をお土産として持って行ってもらう。
一番上等なお餅をご先祖様にお供えするわけですよ。それがずんだもち。」

今となっては年中食べることができるずんだですが、枝豆の旬は夏。
お盆に家族や親戚が集まり、みんなでずんだを作るのが夏の風習だったと佐藤さんは言います。


ずんだを作ってみよう!

昔ながらのずんだ作りを伝えている方がいると聞き、みやぎの食を伝える会の小畑 美枝子さんのもとを訪ねました。

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今回は江戸時代の料理、「ナスのずんだあえ」を再現していただきます。

ずんだ作りは、ゆでた枝豆の薄皮を取り、細かく刻んだあとにさらにすり潰して…と本当に手間のかかる作業です。

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安藤さん
「これ結構力がいりますね。大変ですね。」
小畑さん
「でもこれ、家族でやればいっときなんですけどね。
みんなで作ると楽しい、というのも伝えていきたいです。」

ゆでたナスにしょう油と酒で下味をつけ、砂糖と塩を少し加えたずんだとあえます。


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完成しました。こちらが「ナスのずんだあえ」です。

さっそくいただいてみることに。

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安藤さん
「とってもマッチしておいしいですね、ナスとずんだ。
とてもサッパリ。どんどん食べられるおかずって感じですね。」


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小畑さん
「どっちも夏のお盆の頃に出回る産物。
仏様、お客様におもてなし。
家族で楽しむって感じで、これもやっぱり伝えていきたい料理のひとつですね。」

小畑さんは「ずんだは大事な行事の料理にも使われ、大切にしたい宮城の食文化」とも話していました。


ずんだが広まったのは?

お話を伺った佐藤さんによると、それまでは家庭で作って消費していた「ずんだ」ですが、大正時代に仙台市内の餅店がずんだ餅を売り出したことで、次第にそのほかの餅店でも販売するようになり全国に知られるようになったといいます。


安藤のひとこと。

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安藤さん
「ずんだ作りとっても大変だったんですが、やはりみんなで作ると自然とそこに会話が生まれて笑顔が生まれて、ゆっくり時間をかけて作ることの豊かさを感じました。
これから枝豆も旬ですので、ぜひご家族やお友達と一緒にずんだ作り挑戦して、宮城のみんなで作るその食文化の豊かさ感じて欲しいなと思います。」





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