秋保石 どんな用途があるの?

今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!

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秋保石は建物の建材などに使われているもので、例えばこちら。

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東北学院大学の本館にも使われているんです。
そんな秋保石の用途は、想像以上にたくさんありました。


秋保石とは?

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秋保石は、火山灰などが固まってできた凝灰岩の一種です。
秋保温泉の周辺で採石されてきました。

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硬さや耐久性にすぐれ、特に大正から昭和にかけ、建物の土台や壁によく使われました。


採石場に行ってみよう!

さっそく秋保石の採石場を訪ねました。
お話を聞くのは、祖父の代からこの場所で採石をしている森 利幸さんです。

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森さん
「私の祖父からこの山をやってきたんです。
いろいろと歴史もあって。
つるはし一丁で採る時代、ものすごく苦労したというのは聞いてます。」

石を運ぶために誕生した鉄道が、以前にUPDATEでもご紹介した秋保電鉄になりました。(秋保電鉄を取材した「地域の人々に愛された『秋保電鉄』の歴史」もぜひご覧ください!)
石は温泉とともに地域経済の大きな柱でしたが、コンクリートの普及などで需要は減少の一途をたどりました。

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安藤さん
「今、採石している会社はどのくらいあるんですか?」
森さん
「今は2社ということですよね、残念ながらね。」

長い歴史がある秋保石。
今はどんな用途があるんでしょうか?


加工している会社に行ってみた!

秋保町内にある、石材加工会社を訪れました。
どんな加工をしているのか、3代目の岡崎 賢治さんに伺いました。

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安藤さん
「最近発注されるのはどんなものですか?」
岡崎さん
「そうですね。ホテルのエントランスに使われたりとか、あとは暖炉の遮断だったり。
秋保石でしか出せない表情が好まれているのかなという気がします。」

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独特の表情、そして個性的な色合いも秋保石の特徴。
これらを活かした加工品も作られています。

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コースターに灰皿、そして一輪挿しです。

安藤さん
「一輪挿しを見ても、結構穴の開いているところとかがあって。」
岡崎さん
「そうですね、これが秋保石の特徴であり、味であるところではあるんですけれども。」
安藤さん
「一輪挿し、私ひとめぼれしました。本当にかわいい!」


秋保石はこんなところにも…

建材としての需要が減っている秋保石ですが、東日本大震災のあと、「地域の再建に地元の石を使いたい」という思いから、再び注目が集まっているそうなんです。
たとえばこんなところに。

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松島の防潮堤です。
景観に馴染んでいて素敵ですね。

さらにこちら。

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秋保石を使った灯篭です。
これ、実はアメリカのダラスにあるんです!
仙台市との友好25周年を記念し、友情の証として贈られたもので、先週除幕式が行われました。


安藤のひとこと。

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安藤さん
「元々コンクリートのような使われ方をしていたということで、昔使われていた石というイメージが強かったんですが、取材してみるとインテリアですとか小物、とってもオシャレなかたちで私もすごく欲しくなるような、そんな現代にあったものに変わっていました。
秋保石の用途も時代に合わせてどんどんアップデートしているんだなと感じました。」





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