放置竹林問題 第3弾 ~"つながる"から始まる~
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放置竹林問題 第3弾です!
これまで、第1弾「放置竹林問題(竹害)って、何が問題なの?」(丸森町)、第2弾「続・放置竹林問題 竹の活用方法を探る農家を訪ねました」(大崎市岩出山)で、土砂崩れや獣害といった、放置された竹林が引き起こす問題や、解決に向けた様々な取り組みをご紹介してきました。
(まだ見ていない方は、上記リンクからぜひ記事をご覧ください。)
今回訪れたのは海の近くにある松島町。
竹林というと山が多い内陸をイメージする方が多いかと思いますが、放置竹林問題は沿岸部でも起きていて、東日本大震災の影響も受けているところもあるそうです。
さっそく松島町へ!
今回お話を伺うのは、松島町でたけのこ農家を営む丹野 隆子さん。
丹野さん 「震災前までは牡蠣の養殖をしていました。竹を切り出して牡蠣の養殖棚に使っていたんです。」 |
松島町では牡蠣棚に竹を使っていましたが、東日本大震災で丹野さんの牡蠣棚は流され、廃業せざるを得なくなったといいます。
役割がなくなった竹林は荒れ果て、「放置竹林」となってしまいました。
たけのこを採るために一部は整備を続けていますが、この竹林はほとんどが急斜面にあり、高齢になってきた丹野さんには手に負えないと言います。
安藤さん 「ここから見下ろすとかなりの斜面ですね。」 |
丹野さん 「肉体的にというか、体がついていかないです。」 |
人手不足が深刻で、とても整備が追い付かないといいます。
ほかの地域での動きにヒントが!
取材を続けていると、丸森町でヒントになりそうな取り組みが始まっていたことが分かりました。
地元のNPO法人が主催する竹林整備のイベントに参加したのは、県内外から集まった“ボランティア”の皆さんです。
参加者 「このイベントはフェイスブックで知りました。気になる情報を探していると、それに近いものがおすすめとかに出てくるんです。」 |
今年1月から毎月やっているイベントで、チラシをSNSにアップして告知したところ、参加者は回数を重ねるごとに増えているといいます。
主催したNPO法人の中畑さんにお話を伺いました。
中畑さん 「地元の人よりも他から来ていただく人が多いですね。 最初は6人くらいしか集まらなかったんですけど、回を重ねるごとに10人、20人と増えていきました。」 |
SNSで投稿を見た人が参加し、その体験を自身のSNSでシェアすることでどんどん周囲に広がり、参加者が増えていったそうです。
さらに参加してくれた人には、竹のお皿に盛ったカレーや、たけのこを使った料理を振る舞っているそうです。
(キャスターたちも興味深々!)
これは確かにSNSに載せたくなりますし、見た人も珍しい体験と料理に興味を持ちそうですよね。
たけのこの商品価値を高める動きも!
今月仙台市で開かれた「たけのこマルシェ」。
放置竹林問題に悩む県内の農家たちが共同開催したイベントで、4か所の地域から採れたてのたけのこや水煮などの加工品を出品していました。
販売会に来ていた人は、
「南三陸産など、珍しいので買いました」
「色んな産地があり、食べるのが楽しみ」
など、嬉しそうに話していました。
味は産地で違う?
4か所の産地のたけのこが集まる珍しい機会なので、それぞれの水煮を食べ比べてみましょう!
安藤さん 「意外と産地ごとに、例えば香りがすごく爽やかなものだったり風味が強いものだったりと特徴があるんですね。 今回いただいたのは水煮だったんですけれども、作り方の工程によっても変わるということで、特徴を食べ比べてみるのも楽しいなと思いました。」 |
こんな動きも…
岩出山の竹林では、地元の幼稚園児にたけのこ掘り体験をしてもらっています。
食育の取り組みとして竹林を活用しているんですが、園児たちにとっては楽しい遠足です。
たけのこを掘り起こして抱えている子どもたち、普段なかなかできない体験に大興奮の様子。
きらきらした笑顔がかわいいです…
安藤のひとこと
安藤さん 「紹介した販売会は、放置竹林問題に悩んでいる農家同士が、地域を超えてつながったからこそ生まれた取り組みだったんですよね。 この問題自体はとても根深くて大きなものなんですけれども、こうしたまずは人と人とのつながりを作る。 そしてその輪を広げていくということで、問題解決の糸口・第一歩になっていく。 そのつながりこそが、大事なんだなというふうに感じました。」 |
編集後記
放置竹林は、地域を問わず、さまざまな問題を引き起こしています。
成長速度が速く、すぐに伸びる・広がるため対応が間に合わないということも、農家の方たちを悩ませている大きな原因です。
たけのこの販売やボランティアの呼びかけだけではまだ解決には至りませんが、「できることから1つずつ」という姿勢が何よりも大事だなと感じました。
少しずつ、しかし着実に進んでいる放置竹林問題解決への取り組み、ここからどのように展開していくのか、継続して追っていけたらと思います。
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