立民新代表に泉健太氏
共産 志位氏「野党共闘を」

枝野前代表の後任を選ぶ立憲民主党の代表選挙は、◇逢坂・元総理大臣補佐官、◇小川・国会対策副委員長、◇泉・政務調査会長、◇西村・元厚生労働副大臣の4人が立候補しました。

30日、東京 港区のホテルで臨時党大会が開かれ、4人の候補者は、それぞれ演説を行いました。

逢坂氏

逢坂・元総理大臣補佐官は「私たちの社会や暮らしを立て直さねばならない。そのための出発点は、人への投資、教育、さらに文化、芸術の振興だ。人への投資、これを党の旗印として掲げ、わたくし逢坂誠二は力強く進む。立憲民主党が、その土台を強くし、安定感があり、国民の皆様に信頼される党になることも大きな目標だ。党の人材、一人一人を大切にしながら、それぞれの個性を生かし、まとめる力を発揮して、党の改革の先頭に立つ」と述べました。

小川氏

小川・国会対策副委員長は「諸先輩が大切にしてきた結党の理念や目指すべき方向性を大切にしながら、政権の受け皿となるよう、何としても党を成長、脱皮させていかなければならない。政治とは本来、正直で、誠実で、国民に対して真摯なものであり、庶民から根を生やすように生まれてきたこの政治を何としても作り直す。みなさんとともに国民の願いに応える決意だ」と述べました。

泉氏

泉政務調査会長は「国民に常に寄り添い、困っている方の話を聞き、それを政策にかえ、政府をただしていく。この立憲民主党の姿勢こそ、一丸となって全国民に訴え、一緒に立ち上がろう。党改革では、執行部の半数を女性にし、党の中枢でジェンダー平等を実現したい。ほかの政党や支援団体とも良好な関係を作り、連携に努めていく。その先頭に立たせていただきたい」と訴えました。

西村氏

西村・元厚生労働副大臣は、臨時党大会の演説で「理不尽に苦しみ、救いを求めている方や、声さえ上げることができない方が多くいる。こうした理不尽の解決に全力を尽くす。どう見られるかやどう支持されるかよりも、時には批判や誤解を受けても今やるべきことをやり国民の命と暮らしを守ることが必要であり、それが支持の拡大につながると確信している。そして日本初の女性総理大臣を目指す」と述べました。

1位 泉氏 2位 逢坂氏 2人による決選投票へ

立憲民主党の代表選挙は、1回目の開票の結果、4人の候補者がいずれも過半数のポイントを獲得できず、1位の泉・政務調査会長と2位の逢坂・元総理大臣補佐官の上位2人による決選投票が行われることになりました。

30日は、午後1時から東京・港区のホテルで臨時党大会が開かれ、29日締め切られた地方議員と党員・サポーターのいわゆる「地方票」の結果が発表されました。

その結果、286ポイントのうち◇逢坂氏が86ポイント、◇小川氏が61ポイント、◇泉氏が93ポイント、◇西村氏が46ポイントを獲得しました。

このあと、1人2ポイントを持つ国会議員140人と1人1ポイントの参議院選挙の公認候補予定者6人による投票が行われ、有効投票の286ポイントのうち、◇逢坂氏が62ポイント、◇小川氏が72ポイント、◇泉氏が96ポイント、◇西村氏が56ポイントでした。

この結果、全体では、◇逢坂氏が148ポイント、◇小川氏が133ポイント、◇泉氏が189ポイント、◇西村氏が102ポイントとなり、いずれも過半数を獲得できず、1位の泉氏と2位の逢坂氏の上位2人による決戦投票が行われることになりました。

決選投票 新代表に泉氏選出

決選投票は、国会議員が1人2ポイント、公認候補予定者が1人1ポイント、各都道府県連の代表者が1人1ポイントの合計333ポイントで争われました。

その結果、◇泉氏が国会議員で168ポイント、公認候補予定者で2ポイント、都道府県連で35ポイントのあわせて205ポイント、◇逢坂氏が国会議員で112ポイント、公認候補予定者で4ポイント、都道府県連で12ポイントのあわせて128ポイントで泉氏が、逢坂氏を抑えて、新しい代表に選出されました。

泉 新代表会見 共産との共闘「現時点で何かが存在しているということではない」

立憲民主党の新しい代表に選出された泉健太氏は記者会見し、共産党が、先の衆議院選挙で行った立憲民主党との共闘を維持したいとしていることについて「前回の総選挙に向けて交わしたものという理解をしていて、現時点で何かが存在しているということではないと思っている。われわれとしては、党の総括、再生を目指している」と述べました。

泉健太氏 プロフィール

新たな代表に選出された泉健太氏は、衆議院京都3区選出の当選8回で、47歳。

幹事長を務める福山哲郎氏の秘書などを経て、平成15年の衆議院選挙で、当時の民主党から立候補して29歳で初当選しました。

民主党政権では、内閣府政務官などを務めました。

その後、旧国民民主党の国会対策委員長や政務調査会長の要職を務め、去年9月に立憲民主党との合流に参加し、代表選挙に立候補しました。

今回の代表選挙では党のイメージを前向きなものに変える先頭に立ちたいと最も早く立候補を表明。
新自由主義のもとでの自己責任が強調されているとして普通の安心が得られる社会を目指すと訴えました。

趣味は高校まで続けた野球。
地元京都の自宅で飼っているうさぎと過ごすひとときが心の癒やしだということです。

安住氏「われわれの失敗も教訓にしてもらえれば」

安住国会対策委員長は、記者団に対し「私も次世代のリーダーとしては泉氏がふさわしいと思っていた。党は苦境にあるが、泉カラーを前面に出して国民の皆さんから『変わったな』と思われるような党になれるよう先頭に立ってほしい。一生懸命バックアップをするしわれわれの失敗も教訓にしてもらえればと思う」と述べました。

自民 茂木幹事長「共産との関係を明確に」

自民党の茂木幹事長は記者団に対し「泉氏の新代表就任を心からお祝い申し上げたい。これから国会で活発な議論を交わすことができるのを楽しみにしている」と述べました。そのうえで「今回の代表選を見ても、共産党との閣外協力には慎重だが、選挙協力は積極的にやるというのは、国民から見てわかりにくかったと思う。ぜひこの点は明確にしてもらいたい」と述べました。

公明 山口代表「建設的議論で切磋琢磨を」

公明党の山口代表は、国会内で記者団に対し「泉氏が新たな代表として選出されたことに、心からお祝いを申し上げたい。野党第一党として、これからの国会対応において建設的な議論をしながらお互い切磋琢磨できるよう、リーダーシップを期待したい」と述べました。

維新 馬場共同代表「路線どう変わるのか注視する」

日本維新の会の馬場共同代表は、記者団に対し「厳しい代表選挙を勝ち抜いた泉新代表にお祝いを申し上げたい。立憲民主党は我々とは随分スタンスが違う気がするので、新しい代表のもと路線がどう変わっていくのか注視していきたい。協力できるところがあれば全面的に否定するものでもないので、我々の改革を理解いただき、足並みがそろうのであればそろえていきたい」と述べました。

国民 玉木代表「各党とは等距離で」

国民民主党の玉木代表は、記者団に対し「泉氏に祝意を申し上げ、激戦を制したその闘志に敬意を表したい。わが党は、各党とは等距離で向き合い政策本位で協力を求めるところは求めていきたい」と述べました。
そのうえで立憲民主党と今後、合流協議を行う可能性を問われ「泉氏のもとで、どういう執行部になるかや、党運営の路線が全くわからない。一方、共産党は立憲民主党とはこれまでと同じような関係が続くと言っており、そういう意味では難しいと認識している」と述べました。

共産 志位委員長「野党共闘を力を合わせ」

共産党の志位委員長は、記者会見で「泉氏が新代表に選出されたことに心から祝意を申し上げる。野党共闘を力を合わせて前進させていきたい」と述べました。
一方、政権交代した場合の立憲民主党との合意について「政権協力の合意は公党間の合意で、合意に基づいて衆議院選挙をたたかった。我が党としてはこれを誠実に遵守していきたいし、立憲民主党にもぜひそういう立場で対応してもらいたい」と述べました。

れ新 山本代表「同じ『ロスジェネ』世代 感慨深い」

れいわ新選組の山本代表は記者団に対し「私と同じ世代、いわゆる『ロストジェネレーション』と呼ばれる世代が、党代表になって感慨深い。泉氏がこれから野党を引っ張っていく立場だ。25年間の不景気と新型コロナのダブルパンチの中で政府に積極財政を求め野党を大きくまとめてほしい」と述べました。