小池知事「40代50代が多い」
吉村知事「修学旅行 対策を」

新型コロナウイルス対策で、緊急事態宣言の対象地域は2日から、東京と沖縄に、埼玉、千葉、神奈川の首都圏の3県と大阪が加わり、6都府県に拡大されました。

また、北海道、石川、兵庫、京都、福岡の5道府県には、まん延防止等重点措置が適用され、期間は、東京と沖縄の宣言の期限も延長され、いずれも8月31日までです。

東京 小池知事「40代と50代が重症者の多く」

東京都の基準で集計した2日時点の重症の患者が、前日より13人増えて114人だったことについて、小池知事は都庁で記者団に対し「重症者は、感染者の増加から遅れて出てくると言われている。40代と50代が重症者の多くを占めていて、共通しているのが、糖尿病や高血圧、ぜんそくや肥満といった症状をもともと抱えていることだ。また、ほとんどがワクチンを接種していない人だ」述べました。


そのうえで「40代と50代で、まだ接種を受けていない方々には、ワクチン接種をできるだけ早くお願いしたい」と呼びかけました。

また、緊急事態宣言の対象地域に神奈川・埼玉・千葉の3県が加わったことについて、小池知事は「1都3県で緊急事態宣言という形でベースが共通になった。ぜひ都や県の境を越えるような移動を避けていただき、また、基本的にとても強いウイルスであるという認識のもとで基本的な感染防止対策を家族そろって講じていただきたい」と述べました。
さらに、事業者に対しては、「テレワークの徹底に加えて、仕事場でのマスクの着用なども徹底してお願い申し上げる」と呼びかけました。

大阪 吉村知事「修学旅行 感染対策して」

2日から大阪府が緊急事態宣言の対象地域となったことについて、吉村知事は記者団に対し「感染拡大の山を抑えて医療のひっ迫を防ぎたい」と述べ、府民や事業者に感染対策への理解と協力を改めて求めました。

このなかで大阪府の吉村知事は「宣言について『またか』とか『効果がないのではないか』と思う人も多いかもしれないが、『デルタ株』は今までになく感染力が強い。第5の感染拡大の山をできるだけ抑えて、医療のひっ迫を防ぐために、協力をお願いしたい」と述べ、感染対策への理解と協力を改めて求めました。
また、お盆の帰省などをめぐって「不要不急の帰省や旅行は極力、控えてほしいが、どうしても、という場合は、PCR検査を受けるなどの対策をとるとともに、家族とよく話し合って判断をしていただきたい」と述べました。
一方、小中学校や高校の修学旅行などについて、「一生に一度の思い出なので、対策を徹底したうえで行かせてあげたい」と述べ、修学旅行などに参加するすべての児童・生徒が事前にPCR検査を受けられるよう、府としての支援策を検討する考えを示しました。

千葉 熊谷知事「感染爆発 1つ1つの行動を見直して」

2日から緊急事態宣言の対象地域となった千葉県の熊谷知事は記者団の取材に応じ、県民に対して「県内での感染が爆発しており最終的に助かる命が助からないという局面にならないようにするために、感染防止の観点から1つ1つの行動の見直しをしてほしい」と、感染防止対策の徹底を呼びかけました。

千葉県では、新規感染者数の発表が2日、これまでで2番目に多い787人で、専用病床の利用率は1日時点で52.7%にのぼっています。
千葉県の熊谷知事は2日、記者団の取材に応じ、感染状況と医療提供体制について「東京に近い地域がものすごい感染状況になっているうえ、東京由来ではなく県内での感染爆発が進んでいる。医療提供体制を維持できるよう対応していきたい」と述べました。
そのうえで緊急事態宣言については「1回ぐらいいいのではないかと考え感染している事例が多い。ふだん生活をともにしない人と行動や会話をできるかぎり少なくすることが感染を食い止めて医療提供体制を維持することにつながる。行動が制限されることは心苦しいが、最終的に助かる命が助からないという局面にならないようにするために、わがこととして感染防止の観点から1つ1つ行動の見直しをしてほしい」と感染防止策の徹底と協力を呼びかけました。

埼玉 大野知事「医療関係全体が極めて厳しい」

2日から緊急事態宣言の対象地域となった埼玉県の大野知事は、新型コロナウイルスワクチンの大規模接種会場を視察した後、取材に応じ、「感染状況は今まで経験したことがないレベルで、医療関係全体が極めて厳しい状況だ」と危機感を示しました。

埼玉県は、ワクチンの接種を加速させるため、今月から県内の4か所に大規模接種会場を設け、教職員や保育士といった公共サービスに携わる人や生活必需品の製造、販売に携わる人など、いわゆる「エッセンシャルワーカー」にワクチンを接種します。
このうち、越谷市の複合施設では2日からワクチン接種が始まり、大野知事が会場を視察しました。
埼玉県はこの会場で今後、1日最大900人程度を目標にワクチン接種を進めるほか、今月16日にはさいたま市など県内3か所でも「エッセンシャルワーカー」へのワクチン接種を始めます。
視察のあと取材に応じた大野知事は「新たな陽性者の数が週に5000人を超える感染状況で、2倍に増えるペースもとても速く、今まで経験したことがないレベルだ。医療関係全体が極めて厳しい状況だ」と述べて危機感を示しました。
そのうえで、「県の対応をデルタ株の感染のペースが上回っている。感染防止対策の徹底と人流の抑制にご協力をお願いしたい」と呼びかけました。

神奈川 黒岩知事「医療崩壊直前にある危機意識共有を」

神奈川県の黒岩知事は1日、全国知事会に出席した後で報道陣の取材に応じ、緊急事態宣言の対象地域になるのを前に「これまで、まん延防止等重点措置が続いてきた中で感染者が増えているのは、外出の抑制などを十分に守ってもらえていないことがあると思う。県内は医療崩壊直前の状況で、病気やけがで救急車を呼んでも病院に入れないという事態が目の前に迫っているという危機意識を、若い人たちも共有して欲しい」と訴えました。

沖縄 「飲食・会食の場での感染者が増」

沖縄県保健医療部の糸数公医療技監は、「週ごとに、飲食・会食の場での感染者が増えており、そこからウイルスが家庭内に持ち込まれ子どもたちの感染も増えている。これに、デルタ株の影響も加わって、急速な感染拡大が続いている。あす以降の新規感染者は、先週よりさらに多く確認されるとみている」と述べました。

沖縄県は、2日、新たに209人が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表し、月曜日に公表される感染者としては、これまでで最も多くなりました。

推定感染経路別では、家庭内が43人、職場内、施設内、友人・知人がそれぞれ9人、飲食・会食が8人、濃厚接触者として調査中が4人で、これ以外の127人は、現時点で感染経路が不明だということです。

県内で確認された感染者は合わせて2万5337人となりました。