沖縄 玉城知事 “自身で
ロックダウン行うつもりで”

新型コロナウイルスの急激な感染拡大を受けて、沖縄県の玉城知事が医療界、経済界それに市町村の代表と緊急に合同会議を開き、4者そろって県民への緊急メッセージを出して、今後2週間は不要不急の外出自粛などを徹底するよう呼びかけました。

沖縄県内では、31日、新規感染者数が、初めて400人を超えて、439人と過去最多を更新し、全国最悪の感染状況となっていて、自宅療養を含めた療養者数も、これまでで最多となっています。

これを受けて1日夕方、沖縄県、医療界、経済界それに市町村の4者の代表が、緊急に合同会議を開き、医療崩壊が現実的になりつつあるとして、4者そろって県民への緊急のメッセージを出しました。

メッセージでは今後2週間は、外でも家でも集まらないようにし、外出自粛を徹底すること、帰省を含めてほかの都道府県、離島との往来は自粛すること、ワクチン接種を積極的に進めることを求めています。

玉城知事は「家の外で家族以外で飲食をせず、家に集まっての飲み会もしないよう行動を抑制し、自分自身で『ロックダウン』を行うつもりで取り組んでほしい」と呼びかけました。

緊急事態宣言の地域にワクチンの優先配分を

沖縄県の玉城知事は全国知事会の会合で、沖縄をはじめとした緊急事態宣言などが出されている地域に、ワクチンを優先的に配分するよう国への強い働きかけを求めました。

沖縄県内では、31日、新規感染者数が、初めて400人を超えて、439人と過去最多を更新し、再び全国で最悪の感染状況となっています。

玉城知事は、1日、オンラインで開かれた全国知事会の会合で、「緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発出されている都道府県に対しては、優先的にワクチンを供給し、接種を加速化させることが全国的なまん延防止に資する」と述べ、沖縄をはじめとした地域にワクチンを優先的に配分するよう国への強い働きかけを求めました。

また玉城知事は、政府が沖縄県に出している緊急事態宣言の期間を、今月末まで延長したことについて、「少し戸惑っているというのが正直な気持ちだ。緊急事態宣言は、住民生活や経済活動に大きな影響を与える重大な判断であり、事前に都道府県の意見を聞くなどの対応を国に強く要望したい」と述べました。

沖縄の感染急拡大を専門家は

感染者がこれまでにないペースで増え続ける現状を、専門家はどのように見ているのか。
感染症の専門家で県立中部病院の高山義浩医師に話を聞きました。

感染が急拡大する理由について、高山医師は「若者を中心に大人数で集まってイベントや飲み会を行って集団感染を起こしているケースが増えている。感染事例の90%以上は県民同士の交流によるものでウイルスの持ち込みも観光客というよりは県外からの出張や帰省によるものが多い」としています。

また「県内の流行が感染力の非常に強いデルタ株へと置き換わっていることも感染が急拡大している大きな要因となっている」と指摘しています。

一方、入院する人の多くがワクチンを接種していない人だとした上で、ワクチンの効果について「従来のウイルスであれば95%、デルタ株の場合には88%程度、発症を予防することができる。沖縄で大きな流行が繰り返される中でワクチンは重要な切り札であり、デマに惑わされず正しい情報をもとにワクチンを接種するかどうか判断してほしい」と呼びかけています。

ただ、ワクチンを接種してもまったく感染しないわけではないとも指摘します。
その上で、タカ山医師は、「ワクチン接種が進んでいるイギリスでデルタ株による大流行が起きていることからも、県内で若い人の接種が進む秋以降も、大きな流行が起きることはあり得る。ただワクチンは重症化リスクを下げることができるので、重症者や死亡者はそれほど出ないで済む可能性はある」としています。

一方、今後の医療体制について「8月中旬ごろまでは厳しい状況が続き、一部の地域では医療崩壊も起きる可能性もある」とした上で、「地域の医療を守るためでなく県民1人1人、特に高齢者を守っていくためにも一丸となって力を合わせて感染対策に協力してほしい」と呼びかけています。