「間違いなく過労死増える
国は責任を取るのか」遺族

政府・与党が今国会最大のテーマとしてきた働き方改革関連法が29日の参議院本会議で可決され、成立したことを受けて、過労死などで家族を亡くした人たちが記者会見し、「過労死を助長する制度が成立するのは納得できず、残念だ」と述べました。

高収入の一部の専門職を労働時間の規制から外す高度プロフェッショナル制度を盛り込んだ働き方改革関連法について、「全国過労死を考える家族の会」のメンバーなど過労死や過労自殺で家族を亡くした人たちは、29日、遺影を手に採決の様子を見守りました。
そして、法律が成立したあと、東京 千代田区で記者会見を開きました。

この中で、過労のため自殺した電通の元社員、高橋まつりさんの母親の幸美さんは「きょう初めて国会で傍聴をしたが、多数決の力で法律が通ってしまったことにとても残念な気持ちだ。成立したとき、心の中で娘に『これがあなたを追い詰めた日本の姿だよ』と話しかけていた。高度プロフェッショナル制度は長時間労働を法律で認め、過労死を助長するもので、成立は遺族として納得できない」と述べました。

また、家族の会の寺西笑子代表は「高度プロフェッショナル制度で間違いなく過労死は増える。このような制度で過労死したら国は責任を取るのか。法律が企業に拡大解釈され乱用されないよう、過労死の当事者として引き続き、声を上げていきたい」と述べました。