好親善プラスにならぬ」
河野外相 中国に抗議

東シナ海でのガス田開発をめぐり、中国が今月、新たな移動式の掘削船を設置したことがわかり、河野外務大臣は中国側に抗議したことを明らかにしました。

東シナ海のガス田開発をめぐっては、2008年に日中両政府が共同開発することで合意しましたが、関係する条約の締結交渉は中断したままで、中国側が日中の中間線付近に構造物を建設するなど一方的に開発を進めています。

外務省によりますと、今月下旬、日中中間線の中国側の海域で、中国が従来より深く掘削できるものとみられる新たな移動式の掘削船を設置したことが確認されたということです。

河野外務大臣は閣議のあと記者団に対し、「海洋の境界線が確定する前にこうした行為が行われるのは、両国の友好親善にプラスにならない」と述べ、中国側に抗議したことを明らかにしました。

外務省によりますと、掘削船が確認されたあと、担当課長が東京にある中国大使館の公使参事官に対し、「一方的な開発は認められず、遺憾だ」と抗議したということです。

官房長官「開発継続は遺憾」

菅官房長官は閣議の後の記者会見で、「東シナ海における日中間の海洋の境界がいまだ確定していない状況で、中国側が一方的な開発に向けた行為を、日本側からの累次の申し入れにもかかわらず継続していることは極めて遺憾だ」と述べました。

そのうえで、「政府としては、中国側に対し、東シナ海資源開発に関する日中協力についての2008年合意に基づく協議を再開し、合意を早期に実施するよう引き続き強く求めていきたい」と述べました。