党首討論
「森友」「加計」などで応酬

今の国会で2回目となる党首討論が開かれ、立憲民主党の枝野代表がみずからの持ち時間の多くを使って森友学園や加計学園をめぐる問題を追及し、徹底した事実解明を求めました。

冒頭、国家基本政策委員会の鉢呂委員長は、野党側から前回の党首討論のあと「安倍総理大臣の答弁が長い」などという指摘が出たことを踏まえ、発言を簡潔にするよう呼びかけました。

立民 枝野代表

立憲民主党の枝野代表は、参議院の選挙制度をめぐり自民党などが1票の格差を是正するため定数を6増やすなどとした公職選挙法の改正案を参議院に提出したことについて「消費税率を引き上げる前に議員を増やすことに国民の理解を得られるか」とただしました。

これに対し安倍総理大臣は「1票の格差の問題を次の選挙までに解決しなければならないという要請がある一方、1県に1人の代表が必要だという声も地方から強い。これに答えを出さなければならないという責任感で出された案だと思う」と述べました。

また、枝野代表は、自民党の二階幹事長が「『子どもを産まないほうが幸せに送れるのではないか』と勝手なことを考える人がいる」などと述べたことについて認識をただしたのに対し、安倍総理大臣は「それぞれが人生において選択すべきことで、私たちがいちいち意見を言うべきではない。産みたいという思いを持っている人が産むことができるような社会をつくる」と述べました。

続いて、みずからの持ち時間の多くを使って森友学園や加計学園をめぐる問題を追及し「一連の問題は単なるスキャンダルの問題ではなく、行政の公平性などを損ね、放置すれば社会のモラルハザードを招く社会や国家の危機だ。こうした問題について徹底的に事実を明らかにする必要がある」と指摘しました。

これに対し安倍総理大臣は「枝野代表の質問というか演説で感じたが、先般、党首討論が終わったあと枝野代表は『党首討論の歴史的な使命は終わった』と言った。まさに今のやり取りを聞いていて本当に歴史的使命が終わってしまったと思った次第だ」と述べ、枝野代表の姿勢を批判しました。

国民 大塚共同代表

国民民主党の大塚共同代表は、政府がことしの「骨太の方針」に外国人材の受け入れ拡大に向けた新たな在留資格の創設を盛り込んだことについて「拙速感が否めず、一部の専門家は移民政策だとしている。1年間で法改正を終えるのは国民の理解を得るのは難しいのではないか」と指摘しました。

これに対し安倍総理大臣は「今までは外国人を技能実習制度として受け入れてきたが、さまざまな問題が起こっていたのも事実だ。自民党内では極めて慎重な議論もあったが、正面から就労を目的とした新たな在留資格を創設する」と述べました。

共産 志位委員長

共産党の志位委員長は加計学園をめぐる問題について「安倍総理大臣の腹心の友が経営する学園が総理の名をたびたび使い、柳瀬 元総理大臣秘書官が深く関与して巨額の補助金、すなわち国民の税金をかすめ取っていたということではないか」と追及しました。

これに対し安倍総理大臣は「私が愛媛県や今治市に『補助金を出せ』とも、当時の柳瀬元秘書官が『補助金をつけて意思を示せ』と言ったこともない。愛媛県や今治市が振興を進めるうえで、未来を見据えて資金を投入しようということだったのではないか」と述べました。

維新 片山共同代表

日本維新の会の片山共同代表は、参議院の選挙制度をめぐって自民党などが提出した公職選挙法の改正案について「選挙制度は定数を増やさないのが前提であり、合区にしたのは定数を増やさないためだった。自民党には謙虚な姿勢が必要だ」と指摘しました。

これに対し安倍総理大臣は「指摘はしっかりと真摯(しんし)に受け止めたい。これは臨時的な措置としての案であると聞いており、われわれもいろいろと悩みながら責任を果たしていかなければならない」と述べました。

「無所属の会」 岡田代表

衆議院の会派「無所属の会」の岡田代表は、財務省の決裁文書の改ざんについて「安倍総理大臣はこの問題の当事者であり、まるで自分が当事者ではないような言い方はずるい。みずからも当事者であるということを、きちんと認めるべきだ」と追及しました。

これに対し安倍総理大臣は「私自身が改ざんをしたことはなく、財務省の佐川前理財局長に指示をしたことがないことは佐川氏が証人喚問で明らかにしている。しかし組織のトップとして責任を感じており、今後二度と起こらないようにしていく責任は私にある」と述べました。