五輪前に体制整った」
小池知事 国より厳しい条例

受動喫煙対策を強化するため、従業員を雇う飲食店では店の規模にかかわらず屋内を原則禁煙にする、などとした東京都の受動喫煙防止条例が27日の東京都議会で賛成多数で可決・成立しました。

東京都は、東京オリンピック・パラリンピックの開催都市として受動喫煙対策を強化するため、罰則付きの独自の条例案を東京都議会の定例会に提出していました。今の国会で審議されている健康増進法の改正案より厳しい内容で、従業員を雇う飲食店では店の規模にかかわらず屋内を原則禁煙にするなどとしています。

27日の本会議では、都民ファーストの会や公明党、共産党などが「働く人や子どもを受動喫煙から守ることを見据えており、評価できる」などとして賛成し、自民党が「都の条例案は従業員がいるかどうかの判断が難しく実効性がないうえ、都民の理解も得られていない」などとして反対。
採決の結果、賛成多数で条例は可決・成立しました。

都は条例を段階的に施行し、東京大会を前にした再来年4月に全面的に施行する方針です。

小池知事は、「来年のラグビーワールドカップや再来年の東京オリンピック・パラリンピックと大きなスポーツ大会を抱える東京都として、なんとか体制が整った。国の法律に上乗せする形で、より多くの飲食店が規制の対象になるが、たばこを吸う人も吸わない人も快適な東京を目指して頑張っていきたい」と話していました。

東京五輪・パラまでに全面施行

東京都の受動喫煙防止条例は、受動喫煙対策の強化に向けて今の国会で審議されている健康増進法の改正案より規制が厳しくなっています。

国の法案では、客席の面積が100平方メートル以下で経営規模の小さい既存の飲食店について、店先に表示をすれば喫煙を可能にできる経過措置が盛り込まれています。これに対し都の条例は、店の面積や経営規模にかかわらず、従業員を雇っている飲食店は屋内を原則禁煙とします。

また、幼稚園や小中学校、高校について、国の法案では敷地内を禁煙とするものの、屋外の喫煙場所の設置は可能にしていますが、都の条例では屋外の喫煙場所の設置も認めないとしています。

都の条例は今後、段階的に施行され、このうち都や都民、保護者が受動喫煙による健康への影響を防ぐことに努めなければならないという規定などが年内にも施行される予定です。その後、ラグビーのワールドカップの日本での開催を前にした来年9月1日までに、学校や病院、行政機関などの敷地内を禁煙とするほか、飲食店には店内が禁煙か喫煙かを知らせるステッカーを店先に表示することが義務づけられます。

東京オリンピック・パラリンピックを前にした再来年、2020年4月1日に、飲食店の屋内を原則禁煙にすることなど条例に盛り込まれた内容が全面的に施行される予定です。