日曜討論ダイジェスト
「参議院選挙制度」

参議院の選挙制度をめぐり、自民党などは、1票の格差を是正するため、定数を6増やすとともに、比例代表に、あらかじめ政党が決めた順位に従って当選者を決められる「特定枠」を導入するなどとした公職選挙法の改正案を参議院に提出しています。24日のNHKの「日曜討論」で、自民党は改正案に理解を求めましたが、野党側は党利党略の案で国民の理解は得られないとして、反対する考えを示しました。

自民 柴山筆頭副幹事長

「憲法改正で、広域自治体ごとに代表を選べる余地を残していくべきではないかと訴えてきたが、次善の策として『特定枠』を考えている。参議院の行政監視委員会の通年化をはじめ、行政をチェックする機能を重視すると、定数の増加も正当化されるのではないか。1票の格差も3倍は切ることができ、少なくとも一歩は前に踏み出せているのではないか」

立民 福山幹事長

「国会の会期末になって突然出てきた、合区で立候補できない自民党議員を救済するための案で論外だ。定数増は今の時代に国民の理解は得られないし、部分的に『拘束名簿式』だけを導入しようというのは、全くもって理解不能で、すぐに取り下げてもらいたい」

国民 古川幹事長

「まさに党利党略ここに極まれりということだ。合区で調整しなければいけないのは自民党だけで、そのために定数を増やすのは受け入れられないし、延長国会でやることは、到底、認められない。われわれもきちんと考え方を出していく」と述べました。

公明 斉藤幹事長代行

「われわれは、ブロックごとの大選挙区制を提案しているが、なかなか各党の合意が得られない。今の国会でなにもしなければ、次の参議院選挙で、最高裁から違憲判決が出るのは明々白々で、幅広い合意が得られる努力を続けていかなくてはならない」

共産 小池書記局長

「合区で議席を失う議員の救済制度で、党利党略、究極のご都合主義だ。1票の価値の平等と民意の正確な反映を担保するのが選挙制度改革の根本で、この原則に基づく抜本改革が必要だ」

維新 馬場幹事長

「全国的に、地方議会は人口減に伴って、定数を減らしていくのが主流になっているのに、なぜ、国会だけが定数を増やすのかということについて、国民の理解は全く得られない」

自由 森幹事長代理

「合区導入を進めておいて、困ったから、急に案を出すのは、全く説得力がない。制度もわかりにくくなり有権者にもよくない」と述べました。

希望 行田幹事長

「自民党案は合区で漏れた現職議員を救済するというもので、国民の理解が得られない。定数増は時代に逆行しており反対だ」

社民 吉川幹事長

「究極の党利党略で裏口入学のようなものだ。選挙制度はすべての政党に関わる問題で、数の力でなんとかしてはならない話だ」