在日アメリカ軍の空母艦載機訓練の移転先として、防衛省が買収を進めている鹿児島県の馬毛島をめぐって、岸防衛大臣は、計画に反対を表明している地元の市長と会談し、市への再編交付金を予算計上する考えなどを示して理解を求めました。

馬毛島をめぐっては、防衛省が、在日アメリカ軍の空母艦載機の離着陸訓練＝FCLPの移転先などとするため、自衛隊施設の建設を計画していて、地元、西之表市の八板市長が反対する考えを明らかにしています。

こうした中、八板市長が9日、防衛省を訪れて岸防衛大臣と会談しました。

会談で、八板市長は「訓練施設の設置によって失うもののほうが大きく、不明な点が払拭（ふっしょく）されていない」などとして、計画には同意できないことを伝えました。

これに対し、岸大臣は「市長の悩みや不安はよくわかる。今後、硫黄島で行われているFCLPの訓練の様子を視察できる機会を作りたいし、市への再編交付金を令和4年度の予算に計上することを目指したい」などと述べ、計画に理解を求めました。

会談のあと、八板市長は記者団に対し「地元の市民が理解していない中で、これ以上、計画を進めないでほしいと伝えた」と述べました。