しくずしに訓練移転と
いう印象」西之表市長

在日アメリカ軍の空母艦載機の訓練の移転先として防衛省が買収を進めている鹿児島県西之表市の馬毛島について20日、山本防衛副大臣が西之表市を訪問し、地元の市長に買収の経緯や今後の方針などを説明しました。

西之表市の馬毛島をめぐっては防衛省が在日アメリカ軍の空母艦載機の離着陸訓練の移転先として位置づけ、島の大半を所有する開発会社と交渉し、先月29日およそ160億円で買収することで一定の合意に達しています。

20日午前、山本防衛副大臣は西之表市役所で八板俊輔市長と会談し、馬毛島の買収をめぐる経緯や今後の方針などについて説明しました。

この中で、山本防衛副大臣はこれまでに馬毛島の6割以上の土地を取得したことを明らかにしたうえで、訓練の実施についてアメリカ側と協議を進めていく方針を示しました。

また、馬毛島に建設する自衛隊施設の整備計画や今後実施する予定の環境や気象に関する現地調査についても説明しました。

これに対し、八板市長は「考え方を整理して改めて、市の対応を申し上げたい」と述べました。

会談のあと、八板市長は記者団に対し、「自衛隊施設を整備するなど、なしくずしに訓練移転をしようとしている印象を受けた。島のよりふさわしい利活用方法を探りたい」と述べるにとどまり、訓練移転の賛否について立場を明確にしませんでした。

河野防衛相「地元にしっかり説明したい」

河野防衛大臣は、閣議のあとの記者会見で、現在は、小笠原諸島の硫黄島などで行われている在日アメリカ軍の、空母艦載機の訓練について、「基本的に鹿児島県の馬毛島が整備されれば、馬毛島で行うことにしていきたい。騒音や事故などに対する住民の不安については、地元にしっかりと説明していく」と述べました。