不妊治療の保険適用 年齢・
所得・事実婚 拡充の意見も

不妊治療への保険適用について、厚生労働省は、令和4年度の診療報酬の改定に合わせて適用を拡大できるよう、具体的な検討を進めていく方針を示しました。

不妊治療のうち、現在保険が適用されているのは治療の初期段階の一部だけで、高額な治療費がかかる「体外受精」などの高度な治療は原則自己負担となっていますが、政府は、少子化対策として保険適用の拡大を目指しています。

厚生労働省の担当者は、8日開かれた公明党の検討チームの初会合で、日本産婦人科学会に登録する600余りの医療機関などを対象に行っている実態調査について、来月中に結果をまとめたいという考えを示しました。

そのうえで、再来年度・令和4年度の診療報酬の改定に合わせて、適用を拡大できるよう、具体的な検討を進めていく方針を示しました。

一方、会合では、妻が43歳未満で、夫婦の所得が730万円未満の場合に費用の一部が助成される現在の制度について、出席者から「地域によって所得格差が見られるため、拡充を検討すべきだ」とか、事実婚も対象とするよう求める意見が出され、年末までに政府への提言をまとめる方針を確認しました。

三原副大臣「技術や方法で出産年齢も変わると周知を」

三原厚生労働副大臣は、山本副大臣とともに8日午後、不妊治療を専門とする横浜市の医療機関で受精卵を培養する設備などを視察したあと、不妊治療の支援策をめぐり担当の医師と意見を交わしました。

不妊治療の支援策について、政府は、保険適用の拡大が実現するまでの間、現在の助成制度を拡充する方針です。

視察のあと、三原副大臣は記者団に対し「医療の質を担保しながら、保険を適用していくことが非常に大切だ。40歳以上の人でも、たくさん出産していると話を聞いた。技術や方法によっては、出産年齢も変わると周知徹底する必要がある」と述べ、制度を拡充する際には、現在、妻が43歳までとしている年齢制限の在り方も検討する必要があるという認識を示しました。