民党総裁選 3候補
支持拡大へ 運動繰り広げる

安倍総理大臣の後任を選ぶ自民党総裁選挙に立候補している3人は、投開票を3日後に控え、街頭演説でみずからの政策を訴えたり、党所属の国会議員に個別に支持を呼びかけたりして、選挙戦後半の運動を繰り広げています。

石破氏 取材対応で経済政策訴える

石破元幹事長は、11日午前、議員会館の事務所で雑誌のインタビューに応じ、みずからの経済政策について訴えました。

この中で、石破氏は、安倍政権の経済政策について、「株価や企業収益が上がり、有効求人倍率が1を超えたことは評価すべきだが、日本経済は決して強くなったわけではない。円安や低金利、なかなか上がらない賃金という状況で、いわゆるコストカット型の金融資本主義という面が加速したのではないか」などと指摘しました。

このあと、石破氏は、党所属の参議院議員の事務所を個別に回って、支持を呼びかけました。

石破氏は、みずからの事務所で記者団に対し、「投票権はなくても、いかに国民、党員に訴えるかが大事だ。どの選挙でも、投票用紙を前にするまで、しゅん巡している人は大勢いるので、そういう人に訴えていくことに尽きる」と述べました。

また石破氏は、菅官房長官が将来的な消費税率の引き上げに言及したことに関連し
「これだけ経済格差が開いてくると、逆進性をもつ消費税が低所得者に負担になっているのは間違いない。重要なことは、所得の高くない人に、いかに可処分所得を
与えるかであり、消費税のみで語るのは全体的なバランスとしてよくない。社会保障改革もセットで論じるべきだ」と述べました。

菅氏 地方議員と意見交換し支援呼びかけへ

菅官房長官は、11日は午前8時すぎから議員会館の事務所で、選挙対策本部の幹部と打ち合わせを行ったあと、午前9時すぎに総理大臣官邸に入り記者会見などの公務に臨みました。

菅氏は、午後は出身地の秋田県に加え、北海道や京都府などの地方議員とオンラインで意見交換して支援を呼びかけるほか、党本部でインターネット番組に出演することにしています。

岸田氏 初の街頭演説で経済再生に向けた決意訴える

岸田政務調査会長は11日朝、東京のJR新橋駅前で、今回の総裁選挙で初めてとなる街頭演説を行い、経済の再生に向けた決意などを訴えました。

この中で岸田氏は大学卒業後、銀行に勤めていたことに触れ「当時は、多くの日本人が『あすはきょうより必ずいい日になる』と信じ、前向きに生きていた。しかし、いま新型コロナウイルスの猛威で、日本経済は戦後最大の国難に直面している。いま一度、前を向いて生きるためには、経済の新しい成長のエンジンを考えなければならない」と訴えました。

そのうえで、「デジタルやデータといった基盤のもとに経済のエンジンを生み出して雇用を吸収する。所得の格差や大企業と中小企業の格差など顕在化している格差の問題に向き合い、公益に資する持続可能な資本主義を考えていかなければならない」と強調しました。

このあと岸田氏は、通勤途中の会社員などと写真撮影に応じていました。