舘村の菅野村長が引退
表明「復興の道筋はできた」

東京電力福島第一原発の事故による住民の避難や避難指示解除などを指揮してきた、福島県飯舘村の菅野典雄村長が、ことし10月までの現在の任期かぎりで引退することを正式に表明しました。

飯舘村の菅野典雄村長は73歳。24年前の平成8年の村長選挙で初当選し、現在6期目です。

6日に行われた記者会見で菅野村長は「復興の道筋はつけることができた。10年目ということで区切りがよいこともあり、ことし10月の村長選挙に立候補しないことにした」と述べ、引退することを正式に表明しました。

飯舘村は福島第一原発から北西におよそ40キロ離れていますが、原発事故により放射線量が高くなり、事故からおよそ1か月後全域が「計画的避難区域」に指定され、菅野村長は住民の避難を指揮しました。

事故から6年後の平成29年3月に村の大部分で避難指示が解除されると、道の駅や新しい義務教育学校「いいたて希望の里学園」の整備などに取り組みました。

ことしに入ってからは村で唯一原発事故の帰還困難区域になっている長泥地区について、一部で除染を行わなくても避難指示が解除できるよう、国と調整してきました。

菅野村長は「こんなに長く村長を務めるとは思っていなかった。国や県、住民などが一生懸命やっていただいたおかげで今の飯舘村があり、多くの支援・協力に感謝したい」と述べました。