島 原爆死没者名簿への
記帳 新たに5068人

8月6日の「広島原爆の日」の平和記念式典で慰霊碑に納められる「原爆死没者名簿」に、この1年に亡くなった被爆者の名前を書き加える作業が、5日から始まりました。

「原爆死没者名簿」は、毎年、新たに亡くなった被爆者や亡くなったことが確認された被爆者の名前を書き加えて、8月6日に広島市で行われる平和記念式典で原爆慰霊碑に納められます。

ことしの記帳の作業が5日から広島市役所で始まり、いずれも市の元職員で幼い頃に被爆した、池亀和子さん(78)と中本信子さん(77)の2人が記帳を担当しました。

2人は名簿を前に静かに手を合わせたあと、被爆者の名前や年齢、それに亡くなった日を、筆で書き入れていきました。

市によりますと、名簿にはこれまでに31万9186人の名前が記帳されていて、去年は新たに5068人が加えられたということです。

記帳作業は、平和記念式典の前日の8月5日まで続けられます。

記帳を担当する池亀さんは「被爆から75年となっても、いまだに核兵器を廃絶できずにいます。亡くなった方の名前を永久に残していくことが大事で、祈りをささげながら、一字一字丁寧に書きたい」と話していました。