崎「原爆死没者名簿」
記帳作業始まる

8月9日の長崎原爆の日の平和祈念式典で納められる「原爆死没者名簿」に、この1年間で亡くなった被爆者などの名前を書き加える作業が1日から始まりました。

「原爆死没者名簿」は、原爆の犠牲者を慰霊するとともに被害を後世に伝えるため、毎年、新たに死亡が確認された被爆者などの名前が書き加えられ、8月9日に平和祈念式典で納められます。

1日から長崎市役所で名簿の記帳が始まり、両親が被爆した被爆2世で書道家の森田孝子さんが、犠牲者の名前と亡くなった日、それに亡くなった時の年齢を丁寧に書き込んでいきました。

長崎市によりますと、名簿には去年8月までに長崎の原爆で被爆した18万2601人と、広島で被爆した68人の合わせて18万2669人が記帳され、ことしは亡くなったおよそ3500人が新たに書き加えられるということです。

また、おととしからは被爆者に限らず、国が被爆者と認める地域の外にいた「被爆体験者」や、遺族が原爆で亡くなったと申し出た犠牲者も書き加えられています。

森田さんは「ことしは新型コロナウイルスの影響でいろいろな行事が中止になる中、後世に生きた証しを残す記帳の作業に改めて意義深さを感じる。平和の大切さをかみしめながら書き進めたい」と話していました。

記帳作業は8月3日まで行われる予定です。