れ以上厳しい」営業
再開の飲食店増える 東京

緊急事態宣言が続く中、東京都内ではこれまで自主的に休業してきたものの、「収入がない状態がこれ以上続くのは厳しい」として今週から営業を再開する店が増えています。

このうち、東京の吉祥寺駅近くのカフェレストランは先月6日から休業していましたが、12日、およそ1か月ぶりに営業を再開しました。

店では客どうしの距離が近くならないようにテーブルの間隔を広げるなど感染防止対策を徹底していて、少しでも収入を増やすために弁当のテイクアウトも始めました。

この店では、通常の営業のほかにも結婚式やパーティーなど貸し切りでの利用も多く、キャンセルが相次いだ影響で先月は470万円の赤字だったということです。

休業にともなう東京都の協力金や国の持続化給付金などの申請を行いましたが、まだ手元に届いていないということで「収入がない状態がこれ以上続くのは厳しい」として再開を決めました。

店は当面の間、都の要請に応じて午後8時までに時間を短縮して営業するということです。

オーナーの男性は「家賃も人件費も毎月必ずかかるので、もうさすがに動き出さないといけないと考え営業を再開した。行政からの資金は早く支給されればうれしいが、それをただ待つよりも自分たちが店を維持するために、いま何ができるかを模索している」と話していました。

また店を訪れた客の男性は「外食で日常を少し取り戻したような気がします。少しでも経済がよくなるように支援していけたらと考えています」と話していました。

大阪の老舗串カツ店 営業再開に向け準備

大阪府内で13の店を構える「串カツだるま」は、緊急事態宣言を受けて先月8日からすべての店で休業していました。大阪府が15日にも休業要請や飲食店への営業時間短縮の要請の解除について判断する方針を示したことから、一部の店舗では早ければ16日に営業を再開することを決めました。

このうち、串カツ発祥の地とされる大阪 新世界の店では、7人の店員が12日、1か月ぶりに出勤し、密集を避けるため客席の数を3割減らして36席にしたり、席と席の間やレジの周りに仕切りを設置したりしました。

一方、店では創業91年になる歴史の中で大きな決断にも踏み切りました。

串カツの特徴である、ソースがたっぷり入った容器は、複数の客が同じ物を使うため、しばらくの間は原則、撤去し、小分けのボトルに入れたソースをかけてもらうことにしました。

客の要望があれば従来の容器も出すということですが、店員らはソースをボトルに入れ替える作業にあたっていました。

店長の吉村英士さんは「店の再開にあたってはお客さんの安心をいちばんに考えました。どれだけ来ていただけるか分かりませんが、『来てよかった』という状況を作っていきたい」と話していました。