友学園問題 野党が合同
検証チーム 職員手記報道で

いわゆる「森友学園」をめぐる問題で、自殺した近畿財務局の職員の手記が報じられたことから、野党側は、文書の内容と、過去の財務省の国会答弁にそごがあるとして、国会で追及していく方針を確認しました。

立憲民主党など野党4党の国会対策委員長は、いわゆる「森友学園」をめぐる問題で、自殺した近畿財務局の男性職員が残した手記の内容を『週刊文春』が報じたことをめぐって意見を交わしました。

その結果、報じられた文書の内容と、過去の財務省幹部の国会答弁などにそごがあり、事実関係を確認する必要があるという認識で一致し、野党4党合同の検証チームを立ち上げることになりました。

そして、当時、財務省理財局長として国会で答弁していた佐川宣寿 元国税庁長官の証人喚問も視野に、国会で追及していく方針を確認しました。

立憲民主党の安住国会対策委員長は「官邸の意向を受けて財務省が改ざんに向けて動き出したということであれば政権の問題になる。ゼロからもう1度、『森友学園』をめぐる問題を追及していきたい」と述べました。

安倍首相「改ざんあってはならず 今後適正に対応」

倍総理大臣は総理大臣官邸を出る際、記者団に対し「まじめに職務に精励していた方がみずから命を絶たれたことは痛ましいできごとであり、本当に胸が痛む。改めてご冥福をお祈りしたい。財務省では麻生大臣のもとで事実を徹底的に明らかにしたが、改ざんは二度とあってはならず、今後適正に対応していくものと考えている」と述べました。

菅官房長官「すでに事実関係は調査報告書で」

菅官房長官は午前の記者会見で、「決裁文書の改ざんについては、すでにおととしの財務省の調査報告書において、理財局の関与などの事実関係が詳細に書かれており関与した職員に対しては、厳正な処分が行われたものと承知している」と述べました。そのうえで、記者団から安倍総理大臣や麻生副総理兼財務大臣の責任を問われたのに対し、菅官房長官は、「麻生大臣は確か、給与を返上したと思っている」と述べました。

自民 森山氏「従来の政府答弁と大きく違わず」

自民党の森山国会対策委員長は、記者団に対し、「亡くなられた方のご冥福を祈り、ご遺族の皆さんにも心からお悔やみを申し上げる。この問題は、今までも報告や議論がなされているので、まずは精査することが大事ではないか。これまでの政府の答弁や報告と 大きく違うところはないように思う」と述べました。

公明 石田氏「答弁との整合性議論に 誠意持って」

公明党の石田政務調査会長は記者会見で、「みずから命を絶たれたということは、よほどのことだと思う。誠に気の毒なことで、ご遺族にも心からお悔やみを申し上げたい。今までの答弁との整合性が、国会で議論になると思うので、政府には誠意を持った答弁に努めてもらいたい」と述べました。

共産 穀田氏「佐川氏の証人喚問も要求していく」

共産党の穀田国会対策委員長は、記者会見で、「亡くなった職員の思いはいかばかりかと察するにあまりある。改ざんや隠蔽、廃棄といった一連の公文書問題の出発点となった事案であり、日本の政治を大きくゆがめたことが改めて浮き彫りになった。安倍総理大臣に直結する問題で再検証が必要で、佐川氏の証人喚問も要求していく」と述べました。

社民 福島氏「手記は胸が突かれるような中身」

社民党の福島党首は、記者会見で、「手記は胸が突かれるような中身だ。真面目な公務員が、改ざんを何回も何回も指示され 書き直しを迫られている。以前の佐川・元国税庁長官の証人喚問では、虚偽の証言だと思われるところがあり、改めて証人喚問を行いたい。安倍総理大臣の昭恵夫人の証人喚問も行うべきだ」と述べました。