算と支出のかい離拡大
望ましいものではなかった」

国会では参議院予算委員会でも、今年度の補正予算案の審議が始まり、午前中、野党側は「桜を見る会」やIR=統合型リゾート施設をめぐる汚職事件などについて質問しました。

今年度の補正予算案は28日、衆議院本会議で賛成多数で可決され、参議院に送られました。

これを受けて、参議院予算委員会で補正予算案の審議が始まり、午前中は立憲民主党と国民民主党が質問に立ちました。

この中で、立憲民主党の蓮舫・参議院幹事長は「桜を見る会」をめぐり、「政府の支出は、超過支出禁止、流用禁止、会計年度独立の3つの原則で執行が縛られている。安倍内閣の桜を見る会は国会で承認した予算をおよそ3倍上回る支出だ。財政民主主義の観点から問題はないのか」とただしました。

これに対し、安倍総理大臣は「桜を見る会の予算と支出のかい離が拡大していたことは望ましいものではなかった」と述べました。

そのうえで、みずからの説明責任について安倍総理大臣は、「国民の皆様の認識については、私が判断すべきものではない。ご質問に対してできるかぎりお答えさせていただいている」と述べました。

さらに、みずからの事務所の推薦について「事務所でチェックすることは限界がある。最終的に責任を負うのは内閣府だ」と述べました。

また、「桜を見る会」で飲食物などの提供を請け負った業者について、安倍総理大臣は、この業者の会長らがみずから昭恵夫人と知人であることを明らかにしたうえで、「はっきりと申し上げておくが、一切依頼を受けたことはない」と述べました。

国民民主党の徳永エリ氏は、IR=統合型リゾート施設をめぐる汚職事件に関連し、「事件で、国民は不信感を一層高め、IR、カジノ事業が利益や不正の温床になり得ることが不安から現実のものになった。事件が明らかにならなければ、事業の選定が公正・公平に行われなかった可能性が高いことについてどう考えているのか」とただしました。

これに対し、安倍総理大臣は「IRの推進には、国民的な理解が大変重要で、公平性、透明性の確保についても、カジノ管理委員会や国会での議論も十分に踏まえ、丁寧に進めていきたい」と述べました。

また、IR事業を所管する赤羽国土交通大臣は「基本方針案では、IR整備の区域の認定について、第三者による有識者委員会を設置し、審査結果と評価の過程を公表する予定だ」

「疑惑が持たれないように、しっかりと説明責任を果たさなければならない。私自身もカジノ事業者から要望を受けないという原則を守っている」と述べました。